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北朝鮮の増長をゆるす韓国外交の意味不明

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■2回目の米朝会談は予定を繰り上げて終了したが…

物別れに終わった2回目の米朝首脳会談から早くも2カ月が経過しようとしている。2回目の会談は2月27日と28日の両日、ベトナムの首都ハノイで行われた。だが、28日に予定されていた昼食会と共同声明の署名式典が突然なくなり、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が予定を繰り上げて帰国してしまった。

沙鴎一歩は3月7日付のプレジデントオンラインで「何かと物議を醸し、国際社会から嫌われるこの2人。それだけに会談は世界最大の政治ショーでもあり、もう少し楽しみたかった。残念である」と皮肉を込めて書いたが、金正恩氏は3回目の米朝首脳会談について4月12日の最高人民会議(国会)での施政演説でこう述べている。

「アメリカの大統領との3回目の会談の用意がある。年末までアメリカの勇断を待つ」

トランプ大統領への“誘い水”だ。大胆でしたたかな対応である。なんともずうずうしい。

4月11日、アメリカ・ホワイトハウスで握手するトランプ米大統領と韓国の文在寅大統領(写真=CNP/時事通信フォト)

■国際社会による経済制裁を緩和させたい

2回目の米朝首脳会談で、トランプ氏は金正恩氏に対し、核とミサイル、それに核兵器関連施設などすべてを廃棄することを要求し、「完全な非核化が実現されない限り、経済制裁は解除しない」と伝えた。

これに対して金正恩氏が反発。その結果、2回目の会談は物別れに終わった。これがその後に分かったいきさつである。

北朝鮮は国際社会による経済制裁を緩和させようと、海千山千の外交戦術を繰り返している。

その外交戦術のひとつが、金正恩氏の「新型の戦術誘導兵器」発射実験の視察である。国営の朝鮮中央通信が「特殊な飛行誘導と威力のある弾道弾を装備した素晴らしい武器を開発し、4月17日に公開された」と翌18日に報じている。

■アメリカの国家人事にまで口を挟むずうずうしさ

驚かされたのは4月18日の北朝鮮の声明である。非核化を巡るアメリカと北朝鮮の交渉からポンペオ米国務長官を外すよう求めているのだ。問題の声明は、北朝鮮外務省の米国担当局長が「ポンペオ氏はわれわれの話を理解しようとしない。ポンペオ氏ではなく円滑に交渉できる人物に代えてほしい」と述べたとして、米朝対話からポンペオ氏を代えるよう要求している。

交渉相手の中心人物を交代させようとは、これもずうずうしい主張である。はっきり言って内政干渉だ。ずけずけとものを言うあのトランプ氏でさえ、こんな発言をしたことはない。仮にトランプ氏が「金正恩氏は道理の分からない人物だから別の人物を出せ」と発言したら北朝鮮はどんな行動に出るだろうか。

金正恩氏は、アメリカの対北強硬派をなんとか排除して、有利なように交渉を進めたいのだ。

しかし、トランプ氏もばかではない。事実、トランプ氏は11日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とワシントンで会談したとき、文氏から南北協力事業の再開を求められ、「そのタイミングではない」と拒否している。

恐らくこの文氏の要求は金正恩氏に頼まれてのことだろう。金正恩氏は陰に陽にと“攻撃”をしかけてくる。大したものだ。

■金正恩氏は4月末日までにプーチン氏と会談する

「したたかな対応」「海千山千」「大したものだ」などと書いてきたが、ある意味でこうした表現は、褒め言葉である。しかし金正恩氏は思慮分別に欠ける。あの奇妙な髪型と太った顔と体がそう思わせるのかもしれない。

金正恩氏はロシアのプーチン大統領にも触手を伸ばしている。

4月末日までに金正恩氏がプーチン氏と会談する、とロシア側がすでに発表している。ロシアは国連安全保障理事会の常任理事国だ。金正恩氏は制裁の緩和をプーチン氏に頼むのだろう。緩和の強弱はあるだろうが、ロシアが応じれば、次は中国にも同様に緩和を求める。そしてロシアと中国の虎の威を借りてアメリカに圧力をかける。

実にうまい戦術である。金正恩氏は「トランプ氏はプーチン氏と中国の習近平(シー・チンピン)国会主席を、そろって敵に回すわけにもいかないはずだ」としたたかに計算しているのだ。これこそ外交戦術だ。

だが、そのリスクは小さくない。短期的にはしのげるだろうが、長期的には国際社会への貢献がなければ孤立してしまう。金正恩氏が本当に頭の切れる男であるなら、孤立のリスクを真剣に考えるはずだ。その様子はみられない。

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