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森永卓郎・康平父子と田中秀臣氏が語り合う”平成経済”、そして令和の時代に必要なこととは

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 昭和の教訓から、平和だったといわれる平成時代。元年には東証平均株価は3万8915円の史上最高値を記録、しかしこれ以降バブル景気は崩壊、日本経済は落ち込みを続けた。時の政権はカンフル剤としてあらゆる経済政策を導入。増税を繰り返し、小泉構造改革やアベノミクスが導入されたが、景気が上向くことはないまま財政再建を迫られた30年間となった。

 世界の企業の時価総額ランキングを見てみると、平成元年にはトップ5を日本の企業が独占、上位50社のうち、実に32社が日本企業であった。しかし時を経て、上位に名を連ねていた銀行も合併などで名前が変わり、ランクダウン。今年のランキングでは、上位50社のうち、日本企業はトヨタが45位に入るのみだ。上位に並んだIT企業には中国企業も2社入っているが、日本企業はインターネットによるビジネスチャンスでも遅れをとってしまったようだ。


 果たして令和の経済はどこへ向かうのだろうか。経済アナリストの森永卓郎氏とその血を継ぐ森永康平氏、そして経済学者の田中秀臣氏の3人が22日放送のAbemaTV『AbemaPrime』で語り合った。

■叩き売られた日本企業


 経済アナリスト森永卓郎氏は平成時代の経済を振り返り「1995年当時、日本のGDPは世界の18%を占めていたが、直近ではたったの6%。つまり日本経済のプレゼンスは平成の間に3分の1に大転落したということだ。これはただ単にITの世界で乗り遅れたというだけではないと思う。たとえばソニーはアメリカ企業よりも遥か先にネット社会を予見していて、同じような仕組みを作ろうともしていた。Appleやマイクロソフトなど問題にならないほど大きくなる可能性も十分あった。

ソニー損保やソニー生命、あるいはソニー・ミュージックエンタテインメントと、ソニーという中核でビジネスを広げようという考えがあった。しかし経済を大転落させてしまったために余裕がなくなり、先を起こされてしまった。あるいは日本の家電産業は世界でトップだった。ところが世界最先端の人工知能家電を作っていたシャープは台湾企業に、三洋電機の白物家電は中国企業に売られてしまった。最近も世界で初めてレーザーディスクやカーナビを作ったパイオニアがたった1000億円ちょっとで中国系ファンドに叩き売られてしまった」と話す。


 経済学者の田中秀臣氏は「産業の競争力、例えば輸出の構造を見ると、日本は韓国と似ている。特に文政権になってから日本が長期停滞に陥る原因になったような金融引き締め的な政策をとった反動でウォン高になってしまい、サムスンは競争力を失った。これと同じことが20数年前に日本でも起きた。そういう厳しい環境にあると、どんなにミクロ的なレベルで工夫を行ってもなかなか厳しく、1990年代から2010年くらいまでは倒産する会社の方が新しく生まれる企業よりずっと多かった。しかし最近になってようやく倒産が少なくなり、新しい企業の芽が出てきている、その入口に来ている」と指摘した。


 幻冬舎の箕輪厚介氏は「ソニーがAppleよりも先にスマホを作れば良かった。つまり金融政策とは別に、プロダクトの素晴らしさを追求するというのは、一つ前の時代の発想があったのではないか。より画質の良いテレビなど、素晴らしい特徴をもったもの作るという日本のものづくりから、そこにどのようなコンテンツを載せていくか、というプラットフォーム的な発想に大きく変わった状況に、企業として対応できなかったのではないか」と指摘した。

■「消費増税はすべきでない」


 22日に出たANN世論調査の結果では、「平成の30年間は幸せだったか」という質問に、8割の人が「幸せだった」と答えている。しかし小泉政権では「聖域なき構造改革」という旗印の下で行われた郵政民営化や道路公団の民営化などのしわ寄せが社会や国民に不幸をもたらしたとの見方もある。

 森永氏は「リーマンショックの後で言えば日比谷公園に年越し派遣村ができた」とし、「小泉構造改革をしなければ日本の経済は2~3倍の大きさになっていただろうと思う。最も罪深かったのは不良債権処理だ。単なる担保割れで、問題とされた30社のうち9割は黒字だったにもかかわらず、マグロの解体ショーのようにしてバラバラにして、ハゲタカに二束三文で叩き売った。

平成以前はの日本には外資がほとんどなかった。それがタダ同然で外国人に食われていった。例えば日本のゴルフ場最大のオーナーはゴールドマン・サックスという会社だが、少なくとも20~30億、高いものでは100億くらいかかるものが、小泉構造改革の中では1億や2億という額でハゲタカに叩き売った。

象徴的なのはダイエーだ。日本でもっとも豊かな企業で、ずっと黒字だったのに解体され、全部ハゲタカに叩き売った。そんなことをしていたら日本は転落するに決まっている。私はそれを竹中平蔵氏がわざとやったと思っている。

どんと株価が落ちて地価が落ちれば、ハゲタカが二束三文で買える環境が整う。ハゲタカの仲間だからだと思う」と批判。「財界は自分たちの税金を下げてもらって、その分個人に付けを回そうとしている。消費税増税すきだと言ってゴマすっている人は皆、企業から高いギャラの講演を受けたり、いろんな企業の相談役や会長等で何千万ももらっていたりする人たちだ」と訴えた。


 田中氏も「リーマンショック後、大学生は就職を希望したとしても、10人のうち決まるのは半分くらいで、途中で諦めてしまう人がすごく多かった」と振り返り、「平成に入ってバブルが生まれ、崩壊し、その後20年間も経済が停滞したのは、日本銀行の金融政策が失敗しているということが大枠にある。それを変な意味でサポートしているのが、財務省の緊縮路線。

この2つの巨大な官僚組織の失敗が背景にある。また、"構造改革なくして景気回復なし"という小泉構造改革の誤った政策を売り物にして政権を取った。私は森永さんとは違った意味で経済政策の停滞をその時期にもたらしてしまったと考えている。あの時は株価も急落して本当に危機的な状況だったし、小泉政権を放棄した方がましだった。しかしマクロ経済政策、つまり財政金融政策に対する意識が小泉さんになかったので、結局中途半端な形で経済停滞が続行した」と訴える。

 その上で「今、日本経済は雇用だけで持っているようなもので、多分崩壊する。つまり、失業率が上昇に転じる可能性が否定できないということだ。それなのに"終身雇用が維持できない"という財界の発言は老人の趣味の発言だ。2014年の消費増税の時も、それをやれば将来不安がなくなり、消費が増加すると言っていたが全く増えていない。その時に言った経済学者やエコノミストは全く責任を取っていない」と話した。

 さらに森永氏の息子でもある経済アナリストの森永康平氏は「小泉構造改革の頃、私は高校生、大学生の時期だった。学生ながら、"改革なくして成長なし"というのは本当にそうなのかと思い、経済学部の先生の何人かに"規制緩和すると本当に経済は成長するのか"というシンプルな質問を投げてみたが、ちゃんとした回答を返せた人はいなかった」と振り返り、

「僕も2人と一緒で、増税なんか絶対すべきでないと思っているし、したいのであれば去年していれば良かった。なぜわざわざ経済指標が明らかに悪化しているのが見えてからやろうとするのか、本当によく分からない」と困惑していた。

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