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安倍総理の吉本新喜劇”飛び入り”、萩生田発言の真意、そして衆参ダブル選の可能性は?


 自民党にとって、第二次安倍内閣が発足してから初の"完敗"に終わった衆議院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙。夏の参院選の"前哨戦"とも言える戦いでの敗北に安倍総理は「参議院選挙に向けて、自民党として一人一人が今回の選挙の結果を胸に刻みつけて、今一度しっかりと身を引き締めていかないとならない」とコメント、二階俊博幹事長は「必ず今後の戦いにおいて勝利し、この屈辱を晴らしていきたいと思っている」と話した。


 一方、野党の立憲民主党・長妻昭選対委員長は「自民党失速ということを我々は感じている。再度野党共闘を強力に進めていきたいと思う」としている。

■安倍総理の吉本新喜劇”飛び入り”、萩生田発言の真意は


 投開票日前日である20日の安倍総理のスケジュールを見てみると、午前に大阪・寝屋川市に入り街頭演説。その後、午後にはG20サミットの施設視察を終えた後、吉本新喜劇に出演している。

 22日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した政治ジャーナリストの細川隆三氏は、安倍総理のスケジュールについて「徹底的にやろうという感じはなかった。本来は選挙の応援で入ったのだから、午後も回ればいい。そこは憲法改正で協力関係がある維新への遠慮があったんだと思う。この間の知事選、市長選も官邸は静観の構えだった。選挙の応援は最終日に入ってもダメで、もっと前に入らないといけないので、そもそも勝てるとも思っていなかったのだろう」と話す。


 ジャーナリスト・キャスターの岸田雪子氏は、「吉本新喜劇に出演したということを維新に対する遠慮という点から見ると、応援のためだけに行ったわけではないという言い訳にもなる。また、全国でも報道されることになるので、演出の意味もあったのではないか。もともと全国的に見て、大阪と沖縄は自民党の政権基盤が弱い"2トップ"と言われていた。自民党内でも早い段階から今回の補選は厳しいと言われていたし、負けたのも想定内という雰囲気があるとは思う。ただ、安倍総理には12年前の参院選で負けたという苦い経験があるので、同じ"亥年選挙"になる今年の参院選に対する危機感は強まっていると思う」と分析した。


 また、経済アナリストの森永卓郎氏は「安倍さんはほくそ笑んでいると思う。今回の補選で負けたことによって党内の危機感が高まり、消費税増税延期が通りやすくなるからだ」と指摘した。


 そこで注目されるのが、自民党の萩生田光一幹事長代行によるインターネット番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』での「(6月の日銀短観を見て)万が一、景気が腰折れすれば何のための増税なのか。与党としてよく見ながら対応したい」という発言だ。この"増税延期論"は波紋を広げ、翌日には萩生田氏が「私の個人の見解を述べた。政府の方針に異議を唱えるつもりはない」と釈明に追われることとなった。

 細川氏は「萩生田氏はスタンドプレーをしない人。やはり与党の引き締めと、消費税増税を延期について経済界、世論の反応はどうだろうかという観測気球だろう。もちろん計算済みの発言だ。観測気球を上げるのが上手な二階幹事長としては、代行の萩生田さんにやられてあまり面白くなかったのではないか」と推測。森永氏は「もともと萩生田氏は経済の専門家ではないし、麻生財務大臣も"彼の口から日銀短観という言葉を初めて聞いた"と発言した。では、誰かから聞いて発言したのだろうか」と疑問を呈した。

■衆参ダブル選の可能性は…?

 そんな中、菅官房長官は22日夕方、「衆議院の解散は総理の専権事項である。総理がやるといえばやるし、やらないといえばやらない。だから私からのコメントは控えたいと思う」と発言。にわかに衆参ダブル選挙への憶測が飛び交っている。

 これについて細川氏は「安倍さんは選挙が好き。ダブル選挙をやって勝てばレガシーになるので、その可能性は0ではないと思う。僕は五分五分よりも少ない気はするが、支持率が今年に入って奇妙な上がり方をしていること、野党がまとまっていないことからすると、チャンスかもしれない。安倍総理としては、総裁の任期が来年9月まで、衆議院の任期が10月まで。逆算すると時間がないし、これを逃すと、次の総裁が解散しなければいけない。しかし任期満了選挙は極力しないし、消費税を上げた直後もできないので、やるとすれば東京五輪の直後しかない。それでも経済がどうなっているか分からない。また、公明党の人たちは統一地方選挙で疲れてしまっていて、そこに衆参ダブル選挙となれば大変だ。公明党の動きが鈍くなると自民党の得票にも影響するし、公明党が嫌がることをするのは、自民党にとっては結果的に損になるからだ。危険な賭けだ」とコメント。


 岸田氏も「やりたいのはやりたいだろうし、そのタイミングをずっと探っていると思う。もともとは日露外交で成果を挙げてから、というのが目標だったが、それは叶いそうもないし、後ろに倒せば倒すほど、追い込まれての解散になるので、ハンドリングができなくなる。だからなるべく今年中に、というのはあると思う」との見方を示した。

 一方、森永氏は「私は6月26日の会期末にバーンと解散すると思うただ、逆に消費増税をやめ、幼稚園・保育園の無償化をやれば絶対に支持率は上がる。財務省が嘘をついているだけで、今の日本は事実上借金を1円も抱えておらず、財政もとてつもない黒字を出している。だから財源も問題ない」と持論を展開した。

■参院選でも野党は勝てるのか?


 議論を受け、編集者の箕輪厚介氏は「野党は"自民党が失速していることを示している"と主張しているが、野党はいつもそれだけだ。そうでなくて、自分たちは誰が何をやってくれるのか、それが伝わって来ない。だから投票する時、悪いところもあるけれど、安定している自民党から変えようとは思わないのだろう」と指摘。


 カンニング竹山は「大阪はこないだのダブル選の流れ、沖縄も県知事選や住民投票の流れがある地域なので、野党が自民に勝ったということでは決してないと思うし、参院選でも票を伸ばせるかというと、それも違うと思う。自民が負けたといっても、まだまだ頑張らないといけないのは野党だし、それがないと参院選になっても盛り上がらないと思う。逆に言えば野党にとってはチャンス。ここで誰かが大きく旗を掲げて引っ張ってくれれば、自民党に票を入れたことがある僕のような層もなびくのではないか」と話していた。


(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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