さて、まだまだ競争戦略について。
今日は目黒に行ってちょっと忙しいので、2日前のエントリーで詳しく説明できなかった、「相手の財布の中身を研究する」について一言だけ。
マーシャルの教える競争戦略では、相手の財布、つまり財政状況について詳しく調べろと教えておりました。 具体的にそれは何かといえば、「相手が何に一番カネをつぎ込んでいるか」を調べろというもの。
これは個人でも国家でも同じであり、最も資金をつぎ込んでいるということは、そこに解決すべき最大の問題、つまり「弱点」が潜んでいるということにもなります。
そしてそれを見極めたら、そこにさらに予算を注ぎ込ませるようにして自滅に誘え、と教えているのが競争戦略なのです。
わかりやすい例で考えてみましょう。
日本の場合、ちょっと古いですが、このデータによると、2015年現在で政府が最も支出しているのはずばり 「社会保障費」ということになります。
ここから何がわかるのかというと、日本政府は国民のケアに国家予算を最も使っているということになります。
これを逆に考えますと、日本政府の最大の問題点は、年金・医療・介護の分野にあるということです。
では競争戦略を行う側がこれを踏まえて何を考えるべきかといえば、「年金・医療・介護関連の支出をさらに増やすように仕向ける」ということです。
これをより具体的にいえば、「さらに年金・医療・介護関連を手厚く!」と日本国内の勢力に働きかける、などの方策が考えられます。
これによって国家の破産を狙うわけですね。もちろんこれは考え方の一例でありまして、これだけが唯一のアプローチではありません。ただしここでカギになるのが、相手の財布の中身を調べて、そこで何が最も大きな割合をしめているのか、を調べるということです。競争戦略の核心にあるのは、やはり「相手の徹底調査」にあるのです。

(キツラノ・ビーチ横の公園の風景)