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女性が働かなくなっているアメリカ?

アメリカと言えば。。。

女性もバリバリ働いて当然の国。なんてイメージだろうか。もちろん、違うイメージをお持ちの方も多いだろうが、そういったイメージを抱かれている方が一般的だろう。

アメリカの景気低迷が長引く中で女性、それも学歴の高い女性ほど働かなくなっている傾向があるというのは折に触れて紹介している。今日はアメリカのニューヨーク連銀のエコノミストブログからグラフを紹介してちょっと考えてみたい。

Reconciling Contrasting Signals in the Labor Market: The Role of Participation より


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まずは労働参加率。赤が男性で青が女性である。女性の労働市場への参加は1970年代以降継続的に90年代前半まで上昇してきた。

このことがアメリカの経済成長の一つの大きな要因となったことはよく言われる話だ。もちろん、背景には家電の普及などで家事にかけるべき時間が圧倒的に少なくなったことや女性の高学歴化、産業構造の変化によって肉体労働を必要とする仕事が減ったことが上げられるだろう。

今、アメリカの景気回復は遅々として進まない。最近は雇用の伸びは比較的堅調になってきている。毎月約20万人ほどが職を得ている状況ではあるが、その割りには労働市場へ新規に参加する人の数が増えないことが問題となっている。ベビーブーマー世代の退職・住宅価格の値下がりによって新しい職のための引越しが困難になっていること・失業保険のむやみやたらの延長や社会保障の充実によって勤労意欲が低下していることなどなどが原因として挙げられている。加えて、女性が働かなくなっていることも要因のひとつと言われる。

では、過去の景気回復局面で男女をわけて見てみるとその姿がどのようであったか?が違った角度から見えてくる。


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まず、これが男性。赤が失業率・黒が労働参加率・青が人口に対する雇用されている人の数。

だいたいどの景気後退・回復局面においても労働市場への参加率が減ると同時に雇用されている人の割合が減る。そして、労働市場への参加率はあまり変わらないままに人口に対して雇用されている人の数が回復すると同時に失業率が低下している。

一方で、女性の場合はどうだろうか?


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女性の場合には90年代までの左の3つのパターンでは景気後退が始まるとむしろ労働参加率・就業率ともに上昇している。これは家計を支える男性の所得減少・失業などを契機に働きに出る女性の数が増えていた面があると言える。もちろん、不景気においても趨勢として女性の労働市場への参加は続いていたというのも事実だ。(今の日本に似ているのかな?)

一方で2000年代以降は不景気下において女性も男性同様に労働市場への参加率・就業率ともに低下している。

女性の労働市場への参加が頭打ちになったことをこのグラフは表しているように思える。その理由は?一つは繰り返しになるが社会保障の充実が男性の失業・所得減少を契機とした女性の労働市場への参加の必要性を減らしているのかもしれない。あるいは、晩婚化やシングルマザーが増えたことで女性も男性同様の労働市場への参加のパターンが当たり前になったのかもしれない。あるいは、働いても得られるものは少ないし旦那の稼ぎがそれなりにあるならば、専業主婦の方がよいと考える女性が増えているのかもしれない。高学歴同士の結婚が増えていて、その場合は男性の所得が高いので女性が働く必要がない。結果として高学歴・高スキルの女性ほど働かない現象が起きていると言われているのだ。

結論としてはアメリカではここ10年から20年で女性の労働市場への参加が頭打ちとなり、劇的な変化が起きたように見えるということだ。女性の社会進出がどんどん進んでいる日本でもあと10年もすれば同じような状況になるかもしれない。

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