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高年齢化する男性の引きこもり問題 "いい女"に会いに行く場が必要

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お年寄りの引きこもりに多いのは男性

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俺もラジオの現場でね、お年寄りの引きこもりについてはよく聞くよ。お年寄りの場合、家にこもりがちなのは総じて男。男は孤立しがちなの。男は本質的にタテ社会で、先輩後輩、上司部下、自分自身が誰かよりも上だとか下だとか、たいがい上下関係で生きてる。

だから退職して、かつてあった地位から離れてもそれが拠り所になっちゃう。自分はかつてどこそこの企業でどんな役職でどんな仕事をしたとか、そういう過去の地位で自分自身を保とうとするんだ。中にはそれを自慢げに言って威張るやつもいる。そんなの周りは聞きたかないよ。ハイハイ、そうでしたかゴクロウサン、ってなもんだよ。そういうタテ社会体質が抜けない連中は、ヨコの関係で広がる仲間作りが下手。相手を人間性や趣味で認めるヨコのつながり、それが作れないと外の居場所がなくなって家にこもることになっちゃうんだ。

比べて女性はヨコ社会だよな。楽しい、美味しい、きれい、かわいい、好き、嫌い、とかの感性でつながる。そこから話が始まると、ずーっと話が終わらない。傍で男が聞くとどうでもいい話なんだけど、仲間同士でああだこうだって共感しあってる時間が楽しいんだな。

「ついて来い 言ってたオレが ついていく」

あとね、高齢夫婦は、奥さんが旦那を置いて独りで外出しがち。男は社交下手が多いから、奥さんが外で友達と会う場に連れてっても話があわなかったりしてさ、面倒だから旦那を連れて歩かないんだ。そうすると旦那は家に置き去り。これが重なると外出がおっくうになっていく。だから高齢の夫婦もので旦那が引きこもりがちになるのは、奥さんにも原因があるんだよ。

これを仕方なしと諦めないでさ、お互いに努力しないとな。奥さんは旦那を表に連れて歩きたくなるような明るいファッションを用意するとかね。旦那は女性達が喜ぶ会話に耳を傾けて、話の輪に笑顔で加われるよう意識してね。夫婦で外出を楽しくしていくんだ。

高齢夫婦をお題にした川柳にこんな名作があったっけ・・・、< ついて来い 言ってたオレが ついていく > アハハハハ、これはよく言い当ててるよ。クスっとしつつ身につまされる人も多いんじゃないの?(笑)

引きこもりが「外に出たくなる場所」が必要

中高年やお年寄りで、引きこもってる男連中が表に出たくなるにはどうしたらいいか。日本が避けられない切実な問題だってことは確かだ。まあ話半分で聞いてほしいけど、単純な話、外に出たくなる場所があれば、っていう考えがあるよな。

例えば古い話だけど、江戸にはね「鞍馬天狗」や「丹下左膳」なんかの映画にも出てくる「矢場(やば)」って場所があったんだ。要するに娯楽場だね。客が座って弓を打って、的に当たってカラカラカラって鳴ると景品くれたりしてね。銃ではなく弓の射的だな。

そこにいい感じのお姐さんがいてさ、矢が当たると「お兄さん、当たり~」なんて言うんだ。「矢場の女」ってのは粋な女が多かったって。ちょこんと座って三味線なんかつま弾いたりしてさ。だからついつい「矢場の女」に会いたくて、通ったりなんかするというね。

それが、時代が変わって明治大正、ミルクホールの時代になるとビリヤード場なんかになる。「何点何点~」って点数を読む女が出てきたりね。ビリヤードだから「撞球の女」だ。古いねどうも。結局、男が外に出て行きたくなる場所ってのは、昔からいい女が付きものってことだよ。

今の時代ならなんだい? 秋葉原のメイド喫茶? アイドルの握手会? あんまり金がかかるのは勘弁だよ。いい女をいかにして社会に活用するか。ハローワークの受付にいい女を並べたら、世の中動くんじゃないか?(笑)

引きこもり体質は日本人が太古から受け継ぐ個性?

BLOGOS編集部

ちなみに引きこもりの問題って海外ではどういう状況なのかな。そこにつながりそうな話があるんだけどね。日本ではさ、子どもがワルさをしたときに家から表に締め出してカギかけちゃって家の中に入れない、っていうお仕置きがあるよな。すると子どもは「エーン!」って泣いて「ウチに入れてー」と謝るんだ。そういう習慣が古くからあるよ。

これを聞いた欧米人が不思議に思ったって。そんなことで子どもを家の外になんか出したら、そのまま子どもは喜んで、とっとと遊びにいっちゃう、ちっともお仕置きにならないよって・・・。

この話から、日本人はもともと家の中にいることが主なことで、欧米人は家の外にいることが主なことなんだって分けられるよね。するとこれ、定まった場所から動かない農耕民族と、移動を常とする狩猟民族のDNAがそれぞれに脈々と・・・みたいな話になってくる。

もし、日本人に「引きこもり体質」があるとしたら、そういうことにもちなんでいるのかな? って考えちゃうんだ。そうすると、どっちがいいワルいの問題ではなく、これは太古から受け継ぐ民族の「個性」なのかなって。

そう考えると、日本人の引きこもりって昔っからあるよ。ほら、「男はつらいよ」で寅さんが啖呵を切ってたろ、「物の始まりが一ならば、島の始まりが淡路島。泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、博打打ちの始まりは熊坂の長範(ちょうはん)。引きこもりの始まりが天照大御神(あまてらすおおみかみ)ときたもんだ」って。あ、最後の天照大御神は言ってねえや、俺が付け足したんだ、アハハハハ。

かの「古事記」をひもとけばだな、太陽の神様である天照大御神が色々あって怒っちゃって、天岩戸(あまのいわと)という洞窟に引きこもる。するとこの世から太陽が消えて真っ暗になる。食べ物が育たない、病気がはびこる、大変になる。八百万(やおよろず)の神が集まって策を講じる。天鈿女命(あめのうずめのみこと)が舞い踊って、神々は宴会でどんちゃん騒ぎをする。外が楽しそうだと天照大御神が外の世界を覗く。そこを引っ張り出して世に太陽が戻ってくる、というね。

古事記に学ぶなら、引きこもりをどうにかするには、やはり表に出たくなる楽しい場を作るってことだな。古典は奥が深いよ。令和で万葉集に注目が集まってるけど、古事記も再注目だな。

(取材構成:松田健次)

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