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なぜ毎日3時間勉強をしても、スマホを長時間利用すると平均点が取れなくなるのか――文藝春秋特選記事 脳そのものが発達していない子どもたちの実態 - 「文藝春秋」編集部

「スマホを止めると偏差値が10上がる」と提言する川島教授

文藝春秋4月号の特選記事を公開します。(初公開 2019年3月20日)

【グラフ】LINEのしすぎが子どもの学力に及ぼした影響

『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)の著者である東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太教授(59)が「文藝春秋」の取材に応じ、新たな研究結果を公開した。

 東北大学と仙台市教育委員会は、2010年から毎年約7万人の仙台市立小・中学校に通う児童・生徒全員を対象に「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」の調査を行っている。

 たとえば、平成29(2017)年度に行なわれた小5~中3のスマホ所持者約2万6000人を対象にした調査を分析した結果、LINEなどに代表される「インスタントメッセンジャー」の使用が子どもの学力低下に最も影響していることがわかっている。

 4教科(数学・国語・理科・社会)の平均偏差値を見ると、「LINEなどをまったく使わない群」が50.8だったのに対し、「使用が1時間未満の群」は50.2、「1~2時間」は47.7、「2~3時間の群」は45.1、「3~4時間の群」は43.0、そして「4時間以上の群」は40.6となった。つまり、「LINEなどをまったく使わない群」と「4時間以上の群」の偏差値を比べると、実に10以上の差が出ているのだ。

 そのため川島教授は、「スマホをやめるだけで偏差値が10上がる」と訴えてきた。

 このたび川島教授は、新たに仙台市在住の5歳から18歳の224名の子どもを対象に、3年間の脳の発達をMRIで検視的に観察した。その結果、インターネット習慣が多い小児は、そうでない子どもに比べて、前頭葉や頭頂葉、側頭葉、小脳を含めて、かなり広範の領域で左右の大脳皮質の体積があまり増加していないことがわかった。しかも、大脳皮質だけでなく、脳の奥深くを調べてみると、神経細胞から情報を送る電線の役割を持つ白質の体積もあまり増加していなかった。

「インターネット習慣の多い子どもたちは、脳の外側も内側も悪い影響を受けているということです。スマホなどの使用頻度が高い子どもたちの成績が良くないのは、脳そのものが発達しておらず、勉強の内容そのものが頭に入っていないということが言えます」(川島教授)

「文藝春秋」2019年4月号掲載の「スマホと学力『小中七万人調査』大公開」では、スマホを触っていなくても近くに置いておくだけで勉強のパフォーマンスが下がってしまうという驚くべき研究結果をはじめ、スマホの子どもたちへの悪影響の実態、さらに、どうしたら子供たちの脳を守れるのかについて、川島教授が長年の調査結果をもとに詳述している。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年4月号)

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