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黙秘は防御権の行使としては有効だが、保釈を勝ち取るにはマイナスに働く

本日、ゴーン氏の追起訴が行われ、弁護団が保釈申請したそうだ。

弁護団としては検察官の取調べには黙秘でもって応えるように指導しているそうだから、ゴーン氏はほぼ完黙に近い状態なのだろう。
完黙を続ける被疑者の供述調書をどうやって作成するのか分からないが、検察官の質問が延々と繰り返され、すべての質問に対してゴーン氏が黙秘した、とでも書かれるのだろうか。

公訴事実についての立証責任は検察側にあるから、被疑者が黙秘していれば検察当局は被疑者本人の供述以外の様々な証拠を裁判所に提出して公訴事実の立証に努めることになる。

自白は証拠の王様、という言葉があるとおり、被疑者が何も供述しないと公訴事実の立証に困難を極めることは見易い道理で、被疑者や弁護側にとっては、完黙は最高の防御手段になることが多い。

公安事件ではよくあることだが、しかし一般人にとって勾留期間中完黙を続けることは実に難しく、通常の事件では滅多には見られないことである。

弁護団は、公訴事実について合理的疑いを容れる余地がある程度の反証をすればいいのだから、こういう事件の場合の弁護団は、検察側の提出する様々な証拠について異議を申し立てて、裁判所が安易に証拠採用決定をしないようにすることに全力を傾注することになる。

検察側が公訴事実の立証に有用だと認識している証拠について裁判所が証拠採用出来ないような重要な手続き違背等を弁護団が指摘,立証出来れば弁護団側の勝利に終わり、弁護側のこうした証拠排除作戦が成功しなければ、大体は検察側の主張どおりの事実認定になる。

被疑者の完黙は被疑者にとっての最高の防御戦術になる、と言ってもいいのではないだろうか。
もっとも、被疑者が完黙を続けている場合は、裁判所が保釈を許可することはまずない。
逃亡の虞はなくとも、証拠隠滅の虞はあると認められてしまうのは止むを得ないところだろう。
何にしても数日中には、今回の保釈申請についての裁判所の判断が示されるはずである。

引続き注目しておきたい。

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