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費税アップ3度目の正直

 安倍政権はこれまで2015年、2017年と2回にわたり消費税を10%に上げることを延期してきた。いずれもアベノミクスによるデフレ脱却と景気回復が十分ではないとして、その都度国民に真を問う形で政策変更をしてきた。

 しかし2019年10月に予定している消費税引き上げは、景気動向を踏まえつつも不退転の決意、「三度目の正直」という意気込みで、政府与党として周到な準備をしてきた。増税による落ち込みを防ぐためのポイント還元、軽減税率の導入に伴う複数税率に対応するレジシステムの更新、さらには増収の一部を幼児教育・保育の無償化や高等教育の無償化に充てるための法的・制度的な整備を着実に進めてきた。

 足元の景気に翳りが感じられ始めた春先から、確かに政府与党内では税率引き上げのさらなる延期がささやかれ始めたのは否めない。しかし自民党の幹部から個人的な考えと断りつつも、「6月の日銀短観の数字が悪ければ延期もありうる」という発言が突然なされたことにショックを受けたのは、私だけではあるまい。

 仮に延期となると、これまで官民挙って進めてきた努力も水泡に帰すことになりるばかりか、教育・保育負担の軽減を待ち望んでいる多くの保護者を落胆させることは間違いない。また国内外のエコノミストや投資家には「増税出来ないほど日本経済の足元が弱っているのか」という負のイメージを与えかねない。

 確かに経済は生き物であり、今後何が起こるかわからない。リーマンショック規模で経済がシュリンクする可能性も否定できない。また当該発言には政局の複雑な駆け引きが含まれているのかも知れない。しかし長い目で見ると、増税延期は子供たちに借金のツケをさらに回すことになり、財政再建の旗印も捨て去ることになる。増税延期はメリットよりもデメリットの方が遥かに大きい。

 これからの日本経済は人口減少という制約を受け始めており、今回の消費税引き上げを延期した場合は、次回のタイミングを失いかねない。歴代内閣が消費税を巡って危機に瀕した例は多々ある。それほど消費税というのは、政治的に極めて難しい課題である。だからこそ安倍政権がこの難題に不退転の決意で臨み、用意周到に政策パッケージを実施し、それを成し遂げてこそ、評価が高まるのではないか。

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