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【読書感想】地銀波乱

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「数字ができないなら、ビルから飛び降りろ」「おまえの家族皆殺しにしてやる」「死ね」
 スルガ銀行の第三者委員会がまとめて報告書には、生々しいパワハラの実例が記されていた。
 営業は苛烈なノルマやパワハラが横行する異常な職場で、上司の暴力や脅迫が常態化。傷害などの犯罪行為にもなりかねない過酷な事例が並んだ。
「死んでも頑張りますと答えたら、それなら死んでみろと叱責された」。こんな証言を行員にさせるような異常な職場になぜなったか。
 営業ノルマを厳しいと感じたことはあるか――。第三者委員がスルガ銀行のすべての行員を対象にしたアンケート調査で「はい」と答えたのは約40%、投資用不動産への融資などの営業を担当した行員に絞ると、回答者は約87%に達した。およそ10人に9人が苛烈なノルマを感じていた計算になり、営業現場の異常さが浮かび上がる。

 2018年に問題となったスルガ銀行は、個人向けの不動産ローンで業績を伸ばしているようにみえていたのですが、内実は、契約数を増やすためのデータの改ざんや上司からのパワハラなど、とんでもない状態でした。
 「クリーンな銀行」に就職したつもりが、仕事をはじめてみたら、『ナニワ金融道』の世界だったら、辞めたり転職したりする人が多くなりますよね。金融業とうのは、昔から、そういう面はあるのだとしても。
 そんな状況下で契約された融資には、「返済が滞るリスクが高い」ものの割合も多いし、そこまでして取った契約も、のちに、他の銀行がより低金利での「借り換え」を顧客にすすめていき、どんどん失われていったのです。
 「銀行は、自分たちにとって儲かる『投資』を優先的に顧客にすすめる」と言われるのですが(僕もそれを実感したことがあります)、おそらく、不本意に感じている行員も大勢いるはずです。
 わかっていて、「顧客の得にならない商品」をすすめているわけですから。
 それでも、「いまを生き延びる」ために、地銀は、そういう営業をせざるをえなくなっているのです。
 もう、実店舗を基盤とする地銀というビジネスモデルそのものが厳しい時代になってきている、というのは、まぎれもない事実だと思うんですよ。 
 とはいえ、地元に密着し、地域の中小企業を支援する銀行が、全部なくなってしまっても良いものなのか。
 それは、地方の「切り捨て」につながるのではないか。
 
 それでも、地銀は必要なのか?
 もしなくなってしまったら、そこで働いている人たちの雇用は、どうなってしまうのか?
 お金を扱う仕事なのに、どんどん行員の質が低下していったら、とんでもないことが起こるのではないか?

 銀行に就職しようという人が減るのもわかるよなあ。
 四半世紀前は、あんなにみんなが憧れた職場だったのに。


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