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説明しないのはわざと? NHKニュースが何を伝えたいか意味不明な報道

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 歴史的な生前退位による改元が迫るなか、NHKニュースがおかしい!

 はっきりしたのは4月21日(日)のニュース。

 安倍首相と靖国神社をめぐる報道だ。

 この日のニュースで、民放と比べてみるとNHKのニュースは明らかに不自然な伝え方をしている。視聴者にはわかりずらく、故意とわかりにくくしているかのような印象さえうける。

 まずは当日の民放ニュースから見てみよう。

 日本テレビの「NNNストレイトニュース」

 ニュース原稿は以下の通りだ。 

(スタジオ・リード)

 安倍総理大臣はきょうから始まった靖国神社の春の例大祭に合わせ、真榊(まさかき)と呼ばれる供え物を奉納しました。

(VTR)

 東京・九段の靖国神社ではきょうからあさってまで春の例大祭が行われていますが、安倍総理はこれに合わせて、「内閣総理大臣 安倍晋三」の名前で供え物の”真榊(まさかき)”を奉納しました。中国などとの外交関係に対する配慮から、今回、靖国神社への参拝は行わない考えです。安倍総理は2012年12月に政権に復帰して以降、靖国神社を参拝したのは2013年の12月のみで、春と秋の例大祭には”真榊”を奉納し、そして8月15日の「終戦の日」には”玉串料”を納めるにとどめています。

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 アジアの近隣諸国との間で外交問題になりがちな靖国神社について、安倍首相は今回も「中国などとの外交関係に対する配慮から」参拝を行わず、供え物の”真榊”を奉納するのにとどめた、ということをおよそ1分の原稿で理解させる内容になっている。

 テレビ朝日のニュースも見てみよう。

 テレビ朝日の「ANNニュース」

(スタジオ・リード)

靖国神社で春の例大祭が始まり、安倍総理大臣が真榊(まさかき)と呼ばれる供え物を奉納しました。

(VTR)

東京・千代田区の靖国神社ではきょうから3日間、春の例大祭が開始されます。けさ奉納された真榊には「内閣総理大臣 安倍晋三」と書かれ、靖国神社の本殿に供えられました。安倍総理は2013年12月を最後に参拝は見送り、真榊の奉納にとどめています。今回も6月開催されるG20首脳会議を前に中国や韓国に配慮したとみられます。

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 およそ40秒の原稿に「中国や韓国に配慮」したという情報もコンパクトにまとめられている。

 他にもフジテレビの「FNN Live News days」やテレビ東京の「TXニュース」など、民放のニュースは「配慮」や「第二次政権発足後2013年12月に参拝」の説明を行っていて、靖国参拝が外交上のテーマであることを伝えている。

 さて、問題のNHKを見てみよう。民放のどのニュースよりも秒数が長く、1分15秒ほどある。

 NHKの正午のニュース

(スタジオ・リード)

きょうから始まった靖国神社の春の例大祭に合わせて、安倍総理大臣は「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

(VTR)

東京・九段の靖国神社でがきょうから3日間の日程で春の例大祭が始まりました。これに合わせて安倍総理大臣は「内閣総理大臣 安倍晋三」の木札が添えられた「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。安倍総理大臣はあすから今月29日までの日程でフランスやアメリカなど6カ国を歴訪する予定で今回の例大祭に合わせた靖国神社参拝は行わない見通しです。安倍総理大臣は第二次安倍内閣が発足して以降、毎年、春と秋の例大祭に「真榊」を奉納している他、8月15日の「終戦の日」は自民党総裁として私費で靖国神社に玉串料を納めています。また今回の例大祭に合わせて根本厚生労働大臣や大島衆議院議長、伊達参議院議長も「真榊」を奉納しました。

 民放と比べると「外交関係に配慮」「2013年12月だけ参拝」などの説明がないので、そもそもなぜこの奉納がニュースになるのか説明されていない。バックグラウンドを知らない人には意味不明のニュースだと言ってもいい。まるで安倍首相をめぐる行事日程だけを伝えるニュースのようで政治や外交にくわしくない視聴者には相当にわかりにくい。

 NHKは皇室をめぐるニュースにも不自然さが目立つ。

 なかでも最近のニュースでは4月18日(木)の「ニュース7」と「ニュースウォッチ9」には仰天した。

 「天皇皇后両陛下は今月30日の天皇陛下の退位を前に皇室の祖先をまつる伊勢神宮に参拝する儀式に臨まれました」というスタジオ・リード文の後で、「内宮は皇室の祖先の天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られています」という原稿が読み上げられたのだ。

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 「天照大神」とは神話の話ではなかったのか。

 それが現存する皇室の「祖先」と断定的に伝えていた。断定するとは「事実だと認定する」ということだ。神話の世界の人を実在の人物であるかのように伝えるのはオカルトである。いろいろな説を主張する人がいる場合には断定的に表現しないのがニュース原稿の鉄則である。たとえば「とも言われる」とか「と言い伝えられている」などと表現するのがニュース原稿のセオリーである。

 少なくとも、もしも民放ならば「皇室の祖先”とされる”天照大神」あるいは「皇室の祖先”と言い伝えられる”天照大神」などの表現になるはずだ。

 それなのにNHKは「断定」的な原稿にしていた。これは大きな問題だと思う。

 しかもメディアでこの問題を大きく報じたのはBuzzFeedだけである。

BuzzFeedの記事によると、NHK以外のマスコミは報道のセオリーに沿った原稿の書き方をしている。 

・朝日新聞「天照大神をまつる内宮」

・読売新聞「皇室の祖神とされる天照大神をまつる伊勢神宮」

・毎日新聞「天照大神を祭る内宮」

・産経新聞「皇祖神の天照大神を祭る内宮」

・日経新聞「皇祖神の天照大神がまつられている内宮(皇大神宮)」

・共同通信「皇室の祖神とされる天照大神を祭る伊勢神宮の内宮」

・時事通信「天照大神を祭る内宮」

・日本テレビ「皇室の祖先とされる天照大神をまつる伊勢神宮」

・TBS「皇室の祖先神である天照大御神を祀る伊勢神宮」

・フジテレビ(FNN)「天皇家の祖先とされる天照大神をまつった内宮」

・テレビ朝日(ANN)「皇室の祖とされる「天照大神」が祭られている内宮」

・テレビ東京「皇室の祖神とされる天照大神を祭る伊勢神宮」

出典:『NHKが「皇室の祖先は天照大神」と報道→「現人神宣言か」と疑問の声』

  BuzzFeedによると、「天照大神」の表現についてはNHK広報局も「丁寧さを欠いていた」と反省の姿勢を見せたという。

  だが、こと政権が関係したり、皇室が関係するニュース原稿のチェックはどの会社でも厳重に行われるのが通常である。仮に担当の記者の能力が低いとしてもキャップやデスクが手直しするのがテレビ報道の世界では常だ。だとしたら、これは単に「丁寧さを欠いた」というだけなのかは相当に疑わしい。

 「皇室の祖先が天照大神」と断定的な表現をしたり、「首相の靖国神社参拝に対する近隣諸国の反発の歴史をほとんど説明しないままで「真榊奉納」だけを伝えようとしたり、報道機関としてのレベルで見ても現在のNHKニュースの現場が危ういと感じるのは筆者だけだろうか。

※Yahoo!ニュースからの転載

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