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競争戦略:中国に対する選択肢 その3

今日の横浜北部は、雲が多めですがなんとか晴れております。

さて、またしても競争戦略について。これも長いこと続いてますね。

昨日のエントリーでは、対中競争戦略の一つの方法として「一帯一路に参加すべきだ」という意味不明の言葉を残して終わりました。

そしてさっそく本ブログの下にあるコメント欄に「カッパドギア」さんという方が

一帯一路に参加して膨張を促して破綻を呼び込むということか」

という言葉を残しておりますが、まさにこれが私の考えていたことであります。

北京政府は現在、この大規模なインフラプロジェクトを推進することによって、世界に対して物理的に拡大しております。

ただしそれは中国ウォッチャーの人々が心配するほどの、あまりにも急速な拡大であります。

もちろんそれがうまくいけば、問題はないわけです。

ところがすでにスリランカやマレーシア、そしてパキスタンのような東南アジアの一部の国での反発に見られるように、借金漬けにして現地政府を財政破綻状態に追い込んだり、反中テロが発生したりしております。

もちろん北京がこれらを反省して教訓として学び、現地政府との関係改善に努力するように今後は態度を改める、ということも考えられます。

ところがその拡大スピードがあまりにも急速であるため、北京側の学習曲線は現実に追いつかないと見るのが賢明です。

つまりこれは、本ブログで何度も繰り返している「帝国的過剰拡大」の症状のあらわれです。

このような場合に中国に対して競争戦略を仕掛る側が考えなければならないのは、

「北京の拡大への勢いをさらに加速させるための、お手伝いをする

ということです。

たとえば絶対に採算のとれなさそうな国や地方への巨額投資案件を、共同プロジェクトとして立ち上げ、実際にはお金を出さない、などです。

そうすると、中国は表面上でもそのプロジェクトに協力してきてくれた国には、感謝こそすれ反感をおぼえることはないでしょう。

ただし実際的には過剰拡大を後押ししているわけですから、拡大しすぎたことによって出てくる北京側のかかえる矛盾は増幅させることになります。

矛盾が増幅してくれば、どこかの時点で

「これ以上拡大は維持できない」

と北京が気づくまで自滅のプロセスが進むわけです。

「いやいや、そんな簡単に行くかね?」

というツッコミが入りそうですが、まさに気をつける点はそこにあります。

第一に、このアプローチをとる側の国は、その自滅を助けているプロセスを北京側に悟られてはいけません

気づかれてしまうと、北京側にはそれが「恨み」として残ります。将来に禍根を残すことになります。

第二に、この国は一帯一路の協力から手を引くタイミングを見誤ってはならない、ということです。

恐らくこれが一番難しいでしょう。というのも、協力関係がある程度すすんでいると、そこに既得権益などを得るプレイヤーが増えてしまい、引こうとしても政府側に圧力をかけて関与を続け、最悪の場合は逃げ遅れて共倒れ、という可能性も出てくるからです。

このような考え方を見て、

「うわー、戦略ってエグいなぁ」

とお感じになる方もいらっしゃると思いますが、それは極めて正しい感覚です。

なぜならわれわれは教育として、

他人に迷惑をかけてはならない

と(とりわけ日本では)徹底してお知られてきているわけですが、戦略論の世界では

いかに相手に迷惑をかけるのか

を徹底的に考えることが「美徳」だからです。

競争戦略などは、平時からこういうことを考えるわけですから、いかに思考的にぶっ飛んでいるかがわかりますよね。

と、ここまで書いて時間切れです。つづきはまた明日。

(バンクーバーの高級住宅街)

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