記事

Uberは個人事業主?従業員?拡大するシェアリングエコノミーの課題は



 シェアハウス、シェアオフィス、カーシェアリング、シェアサイクルなど、モノを所有せず共有する「シェアリング」の時代。日本国内の市場規模は2018度で1兆8874億円。2030年度には、最大で11兆1275億円まで成長するという試算もある。

 人口の減少と高齢化から、公共交通機関の経営に悩む自治体では、手軽な移動手段として電動キックボードに注目、これを街のあちこちに配置、シェアしようとする試みもある。また、京急電鉄はベンチャー企業と協力、1日70円の傘のシェアサービスを始めると発表した。品川駅とその周辺で6月から実施の予定だ。

 所有よりも利用を重視したスタイルは今、生活のあらゆる場面に入り込んでいる。しかし、明るい一面だけではない。シェアサイクルは中国で爆発的に広がったが、業者の淘汰、山のような放置自転車などが大きな問題となっている。また、日本国内でもシェアハウスや民泊のトラブルが増加。多くのタクシードライバーが経済産業省の前でライドシェアに反対の声を上げたこともあった。



 これからの暮らしを変えていくシェアリングサービスだが、個人間取引が主になってくるということで、マイナス面としては「貸した物を壊された」などのトラブルがあげられる。また、「ものが売れなくなる」というように、小売店など既存事業者には脅威となる。

 内閣官房シェアリングエコノミー伝道師の石山アンジュ氏は、「シェアの最も大きな価値は、人との繋がりが増えていくこと。誰かと貸し借りすることで関係性ができ、友達ができていく。私も世界中のAirbnbに泊まっているが、次に行った時は"ただいま"みたいな感じで、居場所ができていく感覚がある。提供する側もステータスやお金儲けの観点だけではなく、人との繋がりの方が自分のブランドになるからやっている。最近では組合のような、非営利のシェアサービスも増えてきていている」と話す。その上で、「いずれモノは売れなくなっていく。トヨタだってライドシェアを始めているし、ビジネスモデルが根本的に変わらざるを得ない時代になっているのではないか」と指摘する。


 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「個人間のやりとりなのか、それともプラットフォーム企業に雇われてる人なのか、境がはっきりしないという問題がある。民泊もそうだし、あるいは場が決まったUberもそうだ。車を所有して運転している個人が従業員なのか個人事業主なのかはっきりしないということ。CtoCのサービスなので個人事業主の扱いだが、それでは雇用関係がないので労働法制の適用外になる。Uberの運転手たちは雇用を守ってくれと言うし、タクシー業界は仕事を取られると怒っている」と警鐘を鳴らす。

 さらに「今のGDPは買ったもので計算しているから、シェアリングエコノミーが拡大すればGDPは単純に減る。一方、音楽ビジネス自体は減少傾向にあるが、みんなが音楽を聴いていないかというとそんなことはなく、YouTubeで聴いていたりする。消費者の満足感は維持されているものの、お金だけ動かない状況がある。経済の指標を変えていくという議論も必要かもしれない」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶放送済み『AbemaPrime』は期間限定で無料配信中

あわせて読みたい

「雇用・労働」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    韓国すり寄り止まらぬ岩屋防衛相

    木走正水(きばしりまさみず)

  2. 2

    ラオスのダム決壊 韓国と協議中

    tenten99

  3. 3

    妊娠で退学 祝福されぬ高校生母

    田中俊英

  4. 4

    堀江氏の恋愛論 ケチはモテない

    GOETHE[ゲーテ]

  5. 5

    「面接大喜利」得意な学生は淘汰

    シェアーズカフェ・オンライン

  6. 6

    糖質制限をめぐる異なる説に困惑

    諌山裕

  7. 7

    水沢アリーが暴露したTV業界の闇

    NEWSポストセブン

  8. 8

    老人より事故多い若者 対策急げ

    毒蝮三太夫

  9. 9

    嫌韓が高齢者に多いのはなぜか

    WEDGE Infinity

  10. 10

    丸山議員「絶対に辞められない」

    AbemaTIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。