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航空自衛隊に戦闘機調達の能力はない。

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昨今、空自のF-35Aの墜落を受けて、「欠陥機」だ、調達を中止しろという人たちがメディアにも少なからずおいでですが、原因も特定されていないのに決めつけはまずいでしょう。

それにFX選定時にどれだけの人が興味をもっていたのでしょうか。墜落したから大騒ぎ、では文明人じゃないでしょう。オスプレイ反対もそうですが、反対派の主張は人を動かせません。情緒が優先しているからです。未亡人製造機、危険と繰り返すだけです。

むしろ問題は、事前の調査や手続きを踏んでいないこと、陸自の航空隊の予算を圧迫すること、運用上の護衛機のエスコートが難しい、自前の対地制圧火器の搭載もできない、降下するときは機動がほとんどできないので、対空砲火の的になる、だから米陸軍は導入しなかったなど、反対するならば具体的なエビデンスや、導入するデメリットを丁寧に説明すべきです。

ぼくが小野寺大臣に、17機で終わりかと聞いたら、「わかりません。入れてから考えます」とか、江渡大臣に競合機がAW609っておかしいでしょう。ダンプと軽自動車を同じ候補にするようなものですと質問したりましたが、記者クラブメディアは全く取り上げませんでした。平和運動家も同じです。

F-35導入についても同じことが言えます。FX選定時、どの程度の人たちがきちんと論拠を挙げてF-35導入に反対したのでしょうか。

そもそもFXの調達数が42機というのがおかしな話です。
ライセンス国産を前提にした話で、42機であれば数機は輸入ですから40機弱の生産となり、ライセンス国産は極めて高い選択になります。そもそもF-35はライセンスできません。
空自のこの調達数がまずは異常です。

それからこれまで空自は営々と、戦闘機の国産開発、国産生産基盤の維持発展を掲げてきました。F-35の導入はそれをやめる、ということです。組織として掲げてきたポリシーの大転換です。更に申せば一定数のF-35導入で、国産兵装も維持は無理となるでしょう。F-35だけ違う装備体系になります。ましてそれが空自戦闘機の半分にでもなれば、搭載兵器の生産数は半減して、ただでさえ高い調達コストは更に高くなります。

空自はF-35の導入は戦闘機、搭載兵器の開発、生産基盤を廃棄することだと説明すべきでした空自が説明しなくても、メディアこれを論点にすべきでしたがほとんどメディアは触れませんでした。

F-35を採用しても戦闘機の国内開発はやっているじゃないか、という声もあるでしょう。ですが、20年以上も生産基盤をほかしておいて、また始めます、そのときゃヨロシク!で、付きあうベンダーがどれけいるでしょうかそれにFXでユーロファイターでも採用してれば技術移転もあり、また各種アップグレードプログラムに参加することできたでしょうし、独自の改良もできたでしょう。そういう機会をメーカーが持てたはずです。

今やっているF-3構想は所詮は根のない徒花でしかない。しかも開発費も含めて単独開発はコスト的にも能力的にも無理です。共同開発しかないでしょう。その経験を積む機会をF-35調達で潰しました。

結局防衛省が選んだのはFACOによる生産ですが、単なる組み立てであり技術移転はなく、コストだけが高くっただけでした。ですから今年度以降、輸入に切り替えられました。ぼくはF-35を導入するならば、輸入でと主張してきましたが、所謂リベラルの人も含めて、ほとんどの人がそのような主張をされていませんでした。

更に申せば選定は出来レースだったということです。

空自は当初F-22を熱望していましたが、米政府はリリースしないだろう、それを何年も待つのは愚かだと申し上げましたがそのとおりとなりました。

これで空自は何年も時間を空費ました。更に申せば、値段も高すぎました。米空軍の調達価格は一機あたり約一五〇億円です。調達数が少ない時の最高単価約360億円でした。

開発費を頭割りにすると、実際の調達コストは約三五〇億円となります。これに輸出用にダウン・グレードする(性能を落とす)ための改良費を加える必要があります。我が国の場合調達ペースが遅いので、恐らく調達単価は400〜600億円程度になっていたでしょう。通常の戦闘機の4〜6機分の値段です。

とても財務省は許さなかったでしょう。これをほしいと駄々をこねて貴重な時間を食いつぶしました。
F-22もF-35同様に、これを採用することは国内戦闘機の生産基盤のターミネートを意味していました。

しかもF-2の生産数を減らしたので、F-2の生産ライン閉鎖も早くなりました
以下は拙著「国防の死角」からの引用です。

>ご案内のように組み立て生産ではコンポーネントは殆ど国産化されません。ですから主契約企業には仕事は落ちますが、下請け企業にはほとんど仕事は回って来ません。F-15J戦闘機のライセンス生産には1500社が関わってきましたが、うち中小企業の比率は8割です(従業員300名以下、または資本金3億円以下)。防衛産業を支えているのはこれら中小企業です。

>その中には代用が利かない、オンリーワンの技術をもって企業も少なくありません。大手企業の防衛産業依存率は大抵数パーセント程度ですが、中小企業は防衛依存率が高く3割以上の企業は当たり前で、7割を超える企業も存在します。

>F-35を選んだことでその中企業の仕事が多数失われました。既に平成15年(03年)以降、戦闘機生産関連では中小企業を中心に30社以上が、倒産、事業整理を含めて撤退しています。横浜ゴムや住友電工等大手のベンダーも2年ほど前に戦闘機生産から撤退を表明しています。体力に余裕がある大手も戦闘機生産を見限ったのです。

>FX商戦が始まる前に、戦闘機生産基盤を維持するか否かについて結論を出しておくべきでした。そうしておけば、関連メーカーはF-2の生産が終わるまでの間に事業転換や新規の事業の開拓を時間がありました。

ところが結論が出たのは、F-2の生産後でした。このタイミングでは仮に他のライセンス生産可能な候補が選ばれても、生産が始まるまで3〜4年は仕事がありません。

一旦生産ラインがなくなれば、熟練工を他の部署に振り向ける必要があります。数年後に再開しても配置転換した熟練工を戻すことは困難だと多くの企業がアンケートに答えています。SJAC(日本航空宇宙工業会)が、2011年に発表したレポート「防衛産業の現状-航空機-」のアンケートによると、「5年間のブランクの後、一旦配置転換した熟練工を戦闘機事業戻せるか」という質問に対して、13社中12社が「不可能」と答えています。また、その間に売り上げの減少によって廃業、倒産する企業も出てくるでしょう。

熟練工の多くが50歳代であり、技術の伝承も難しくなります。

>防衛省の「戦闘機の生産技術基盤の在り方に関する懇談会」の資料「戦闘機装備品メーカー(ママ)、ヒアリング結果」には、「防衛省の考え方が見えないので会社の方針も立てられない。会社を生かすつもりなのか殺すつもりなのかこの際ハッキリして欲しい」という怨嗟の声を紹介されています。これが戦闘機生産に関わる企業の本音でしょう。防衛省はFX選定における優柔不断で、多くの防衛産業から信頼を失いました。

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