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消費税増税の課題と対策

 10月に、消費税率が10%に引き上げられる。当初は2015年10月に税率を10%に引き上げる予定であったが、2017年4月に延期することを、2014年11月に決めている。次いで、2016年6月には、2019年10月までの延期を表明している。いずれも当時の景気判断が根底にある。

 菅官房長官は「リーマン・ショック級のことが無いかぎり」予定通り税率アップを実行すると述べているが、景気が減速する可能性は捨てきれない。今行われている統一地方選挙と大阪12区、沖縄3区の衆院補選の結果次第では、夏の参議院選挙を前にして、消費税増税回避という決断をするかもしれない。

 ただ、安倍首相は自民党総裁・内閣総理大臣として最後の任期に入っており、それだけに辞任を覚悟で増税を実行するかもしれない。

 ところで、消費税増税がもたらすマイナスを、どのようにして抑制するかということが大きな課題となる。2014年4月に3%引き上げたときの「経験を活かして、あらゆる施策を動員する」と安倍首相は明言している。

とくに個人消費を落ち込ませないないために、様々な政策を列挙している。

第一に、2019-20年度予算で、臨時、特別の経済措置をとり、経済的マイナスを相殺する。

第二に、中小小売店でキャッシュレス決裁をすると2%のポイントを還元する。

第三に、「消費税還元セール」を解禁する。

第四に、軽減税率を導入し、飲食料品は税率を8%に据え置く。

第五に、増税後の自動車や住宅の購入を税、財政面から支援する。

第六に、税収増の半分を国民に還元する。来年10月から幼児教育を無償化する。

 以上のような政策は、消費抑制に対して一定の効果を持つであろうし、景気減速を緩和することに資するであろう。しかし、軽減税率の導入で複雑な税制となる

また、「中小小売店でキャッシュレス決裁だと2%のポイント還元」というのも愚策であり、キャッシュレス化を進めることと、消費税増税とは別問題である。

さらに、消費税増税による税収の半分は還元するというが、それなら、最初から10%ではなく9%にすればよかったのではないか。

税制は簡素で、中立、公平でなければならない。一切の例外なしに消費税10%を断行するほうが、簡素な税制になる。イートインコーナーであれ、家庭であれ、戸外であれ、税率が同じなので、中立、公平である。軽減税率に伴うレジの調整、人員増なども必要ない。

今回の消費税率引き上げに伴う施策は複雑極まりなく、国民に手間を強いるものである。

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