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メジャーが注目する"岩手と剛速球"の秘密

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岩手県・大船渡高校の佐々木朗希投手が日本人歴代2位の球速163キロを記録し、「令和の怪物」として話題になっている。ここで注目したい事実がある。歴代1位の165キロの大谷翔平も、158キロの記録をもっている菊池雄星も、岩手県出身なのだ。岩手が剛速球投手の名産地になる理由とは――。

作新学院との練習試合で、力投する大船渡の佐々木朗希投手=2019年3月31日、栃木・矢板運動公園野球場(写真=時事通信フォト)

岩手の剛速球投手、大谷翔平、菊池雄星、そして佐々木朗希

野球界で今、熱い視線を集めているのが岩手県だ。

花巻東高から、二刀流の大谷翔平(24歳、カルフォルニア・エンジェルス)、菊池雄星(27歳、シアトル・マリナーズ)とたて続けにメジャーリーガーが生まれたうえに、今度は佐々木朗希という「怪物」が現れた。

佐々木は岩手県立大船渡高の3年生。まだ甲子園出場経験はないが、剛速球を投げる佐々木の存在は野球関係者に広く知られており、U-18日本代表に昨年から選ばれている。そして今年4月6日に、奈良県で行われた代表合宿の紅白戦に登板した佐々木は高校最速となる163キロを記録したのだ。

日本人投手の最速記録はエンジェルズの大谷が以前、日本ハムファイターズで投げていた2016年10月に出した165キロだ。マリナーズの菊池は日本人左腕投手史上最速158キロの記録を持っている。なおメジャー最速=人類最速は、アロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)が2010年に記録した169キロである。

佐々木はプロ野球でも歴代2位にランクされるスピードボールを高校生にして投げてしまったわけで、そのとんでもない事態に現場は騒然となった。

メジャー球団のスカウト騒然「Iwateはすごいところだ」

プロ野球各球団のスカウトやメディア関係者が佐々木を絶賛したのは言うまでもないが、それは日本国内にとどまらなかった。佐々木の評判は米メジャーリーグにも届いており、合宿にはメジャー数球団のスカウトたちも視察に来ていたのだ。

そして彼らの関心は岩手県に向かったという。

「大谷が出て、菊池が出て、今度は佐々木か。彼らを輩出した日本の岩手という土地はすごいところだ」と、まるで金脈鉱山を見つけたように「Iwate」を探究しようとする人が出てきたというのだ。

確かに北米+中米という広大なエリアから好素材を探し出す苦労を味わっているメジャーのスカウトから見れば、岩手という限られた地域からこうもたて続けに好投手が出ること自体驚きだ。興味をそそられるに違いない。気候や風土、選手の育成環境などを探究したくなるのも当然だろう。

岩手を含む東北地方は日本屈指の「大物投手」の宝庫

ただ、岩手は彼らが思うほど好投手の「名産地」ではない。そもそも菊池以前に岩手から日本野球史に名を残すような大投手は出ていないのだ。

※画像はイメージです(画像=iStock.com/gyro)

それでも彼らは「昔はともかく今は名産地になったのだ」と言うかもしれない。しかし、その要因はとくに見当たらない。岩手の中学・高校野球関係者が好素材を発掘し育成するキャンペーンを行っているとか、どんな凡人投手をも理想的な投球フォームに仕上げるコーチの名人がいるとかいった事実があれば別だが、そうした話は聞かない。短期間で前出の3人の好投手が出現したのは、たまたまそういう流れが岩手に来たというしかない。

とはいえ、対象エリアを東北全域に拡げれば、好投手の名産地といってもいいのではないか。

まず、剛速球タイプの投手が結構出ていること。最近では昨年夏の甲子園を沸かせた秋田・金足農の吉田輝星投手(日本ハム)がいる。吉田は最速152キロの速球を武器に準決勝まで投げ抜いた。

また、日本人で始めて160キロ超の球速を記録した佐藤由規は宮城出身だ。仙台育英高時代に157キロ、ヤクルト入団後の2010年には161キロを記録(プロでの登録名は「由規」)。この球速は今も歴代4位タイだ。その後、右肩の故障に苦しみ、現在は東北楽天と育成契約し、復活を期している。

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