記事

独のアジア人差別CMその後

1/2
トップ写真:ホルンバッハの店舗 出典:Wikimedia Commons; Gabriela Dinta

サンドラ・ヘフェリン

【まとめ】

・差別的CMだとの認識が全くないホルンバッハ社。

・ドイツ国内ではアジア人差別とは受け止められていない。

・独でアジア人差別撲滅の一歩が踏み出されようとしている。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=45249でお読み下さい。】

先月、ドイツのDIY企業のホルンバッハ社が「日本人だと思われる女性が肉体労働をした白人男性の下着のにおいを嗅ぎ性的な絶頂に達す模様」をCMに描き、これが「アジア人女性に対して差別的」だとして現地の東洋人の間で非難の声が上がっていました。日本や韓国のメディアもこの問題について報じました。

■ ホルンバッハ社はなぜそんなに強気なのか

問題のCMは同社のYoutubeチャンネルやドイツやオランダのテレビなどで流れており、CMの中止および同社の謝罪を求める署名の数が3万を超えた時点でも、ホルンバッハ社は動画を削除していませんでした。批判の声が大きくなる中でも、同社は自社のホームページにUnsere Haltung(和訳「私たちの姿勢」)なる文章を日本語やハングルでも公開し、いかに同社が差別的ではない多様な会社であるかを「説明」していました。同社はどこまでも強気で動画を削除する様子は一向に見えてこなかったのですが、状況が変わったのは去る4月15日です。

■ ドイツ国内からは「消えた」CM

4月15日にホルンバッハ社は自社のYoutubeとFacebookから動画を削除しました。また、ドイツ国内のテレビでも問題のCMは放送されなくなりました。しかし同社から謝罪のコメントは聞こえてきません。実は同社が自主的に反省をした上で動画を取り下げたのではなく、削除はドイツの広告全般を審議するDeutscher Werberat(独広告審議委員会)の指示によるものでした。独広告審議委員会には過去の数週間の間に多くの苦情が寄せられ、同委員会が調査したところ、例の動画は「人種、出身、性別に基づいて人を差別してはならない」というドイツの条項に違反した疑いがあるとしています。結果的にホルンバッハ社は4月15日付でドイツ国内の主なチャンネルで広告を取り下げることとなりました。

いっけん解消されたかのように思えるこの問題ですが、削除の対象はあくまでも「ドイツ国内」であるため、オランダ、チェコ、ルーマニアなど他の欧州の国々でこの広告はまだ続いています。ホルンバッハ社の強気の姿勢は相変わらずで、現時点では特に他国で広告を削除する意図はないようです。

▲写真 Bornheimにあるホルンバッハ社の中央管理棟 出典:Wikimedia Commons; E.peiffer@gmx.net di Wikipedia in tedesco

あわせて読みたい

「人種差別」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    徴用工めぐる韓国高裁のこじつけ

    緒方 林太郎

  2. 2

    評判の結合映画 おっぱいに注目

    松田健次

  3. 3

    桜を見る会 予算の内訳説明せよ

    大串博志

  4. 4

    天皇制に脅かされる「国民主権」

    五十嵐仁

  5. 5

    病気だけはネットで検索するな

    幻冬舎plus

  6. 6

    YouTubeが足切りへ 衰退は必至か

    諌山裕

  7. 7

    総理がメディアに指示? 質疑話題

    BLOGOS しらべる部

  8. 8

    Apple製品にも影響?LGの大量廃棄

    tenten99

  9. 9

    世代間格差? 共働きで年金増える

    BLOGOS編集部

  10. 10

    民主政権の桜を見る会 今と違い

    井戸まさえ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。