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『ルパン三世』原作モンキー・パンチさん、CG作画の第一人者だった

 4月11日、肺炎のため81歳で亡くなった漫画家のモンキー・パンチさん。

 記者が千葉県にあるモンキーさんの自宅を訪れたのは、2010年のこと。アップル・コンピュータ特集記事の取材のためだった。

『ルパン三世』の作者として有名なモンキーさんだが、早い時期からコンピュータを使って作画するCGクリエイターとしても知られていた。

 マッキントッシュが登場してすぐに購入、「多分日本ではもっとも早くマックを買ったうちの一人だと思うよ」と本人。

 今でこそタブレットやタッチペンを使って作画する漫画家は多いが、その道を切り拓いてきたモンキーさんの貢献は測り知れないものがある。

 自宅の仕事場は広かったが、モンキーさんはその中で一人で仕事をしていた。

「以前はここに何人もアシスタントがいたんだけど、もうここでやる必要はないからね。今もアシスタントはいるんだよ。日本各地、あと世界中に。中国にもドイツにもいるよ。インターネットでデータのやり取りができる時代なんだ。わざわざ同じ場所、同じ時間に合わせて作業する必要はないじゃないか」

 仕事場にはネットラジオのジャズが流れていた。

 コンピュータに関しては楽しそうに話してくれたが、ルパンの話題になると口数が少なくなった。

「今のルパンはボクのルパンとは別人だからなあ。あんないいヤツじゃないんだよ……」

『ルパン三世』の原作者ではあっても、関連するライセンスはテレビ局などにあり、モンキーさんは自由にルパンを描くことができない――という事情は後で知った。

 取材がひと通り終わったあと、「先生、すごいオーディオがあるそうじゃないですか」と話を振ってみた。オーディオマニアだという話は聞いていたし、記者も若いころはオーディオにハマったくちだからだ。

「おお、見ていくかい」

 ひときわ嬉しそうな表情を見せたモンキーさんは、記者をオーディオルームに招き入れてくれた。室内にはハイエンドの機器が並んでいた。スピーカーはJBL、パワーアンプにマークレビンソン……。

 それからしばらくは音を聞かせてもらい、機器のレクチャーを受けた。コンピュータにしても、オーディオにしても、最新鋭、究極を追い求めた “こだわり” の人だった。

「またいつでも来なさい」

 最後にそう言って見送ってくれたときの笑顔が忘れられない。

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