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欧州委員会がAIに関する倫理ガイドラインを発表。日本では?


AmazonがAI採用システムを停止させたり、MicrosoftによるAIの軍事利用も話題になるなか、欧州委員会がAIに関する倫理ガイドラインを発表した。

全文はこちらから読める。

倫理ガイドラインの概要。確認できるチェックリストも

倫理ガイドラインの要旨は以下の通りだ。

  • 人間の活動(human agency)と監視
    AIは、人間の活動と基本的人権を支援することで公平な社会を可能とすべきで、人間の主体性を低下させたり、限定・誤導したりすべきではない

  • 堅固性と安全性
    信頼できるAIには、全ライフサイクルを通じて、エラーや矛盾に対処し得る安全かつ確実、堅固なアルゴリズムが必要

  • プライバシーとデータのガバナンス
    市民が自身に関するデータを完全に管理し、これらのデータが市民を害し、差別するために用いられることがないようにすべき

  • 透明性
    AIシステムのデータの処理のされ方などの追跡可能性の実現

  • 多様性・非差別・公平性
    AIは、人間の能力・技能・要求の全分野を考慮し、アクセスしやすいものとすべき

  • 社会・環境福祉
    AIは、社会をより良くし、持続可能性と環境に対する責任を向上するために利用すべき

  • 説明責任
    AIとAIにより得られる結果について、責任と説明責任を果たすための仕組みを導入すべき

ガイドラインには、上記の項目を適切に満たしているか確認できるチェックリストが含まれている。

チェックリスト冒頭 出典:倫理ガイドラインより

GoogleMicrosoftのガイドラインと比べても、透明性、説明責任、プライバシー保護など多くの点が類似している。

関連記事:Google、Microsoftも真逆の姿勢。AIの軍事利用規制の行方は?

欧州委員会は2019年夏からガイドライン適用の試行期間を設定し、そのフィードバックに基づき2020年初めに評価リストを見直す予定だ。

日本やカナダ、シンガポールなど意思を共有するパートナー国との協力強化、G7やG20での議論を通じて、EUによるAI倫理へのアプローチを世界的に普及させたい意向だという。

日本におけるAIの倫理面の議論

日本においても「人間中心のAI社会原則検討会議」で、倫理面の制度の策定が進められている。3月に発表された「AI戦略(有識者提案)及び人間中心のAI社会原則(案)について」では、倫理に関する原則案も盛り込まれた。

一番重要なのは、これらの倫理ガイドラインがAIのビジネス活用を妨げないようバランスを取るとともに、ガイドラインの存在を認知させることだろう。ガイドラインが存在しても、知らなければないのと同じだ。

Source:欧州委、AI倫理ガイドラインを発表

高島 圭介
前職では、PRコンサルタントとしてBtoB企業を中心に、数々の企業のメディアリレーションを担当。Ledge.aiでは最先端のAIビジネス活用を取材するとともに、レッジ自体の広報活動も行なっている。

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