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テクノロジーとともに手紙とポケベルと昔の私を振り返る

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ポケベルが鳴らなくて。

1993年のドラマのタイトルです。
なんと悲しいタイトルでしょうか。

LINEが鳴らなくてと同じ感覚です。

その主題歌のタイトルも同様の名前が付けられ、私の世代では、かなり有名なキーワードとなったのではないかと思います。

ドラマの内容を適当に紹介すると、不倫がドロドロに進み、ポケベルが鳴らないため家庭が崩壊していくというそんな内容です。

随所にポケベルが登場する重要なアイテムであるかのような内容ですが、LINEの既読がつかなくて家庭が崩壊いくが、結局は不倫するから崩壊するのであって、当時もポケベル全く関係なくねと言われていたドラマです。

さて、今回は何か一つのテーマに絞るとすれば、それは「テクノロジーとともに昔を振り返る」というあまりにも大きすぎるテーマになっています。
そのため、最後まで読んでも、中身がいつも以上にスカスカだったという事になるかもしれませんが、それはもうポケベルが鳴らない事が原因で家庭が崩壊するドラマを冒頭で紹介している時点で察する事が出来ると思いますので、引き返すなら今だと思います。

それでは、行ってみましょう。

趣味の合う見知らぬ人との通信手段

多くの通信手段として現在LINEやfacebookメッセージ、ツイッターのDMがあります。
知り合ってしまえば、Skype、Googleハングアウトなどもあります。

私の幼少期から、おそらく中学3年までの間に使っていた通信手段は手紙です。80年代は、手紙時代と言っても過言ではないでしょう。

そもそも当時はインターネットを閲覧するためのデバイスが各家庭にありません。
パソコンも、もちろんスマホも、なんならケータイもポケベルもないのです。

ここで一つ、もし当時を知らない人がもしこの記事を見ていたなら、想像してみてほしい。
遠く離れた全く知らない人と、しかも同じような趣味を持つ人と、一体どうやったら手紙のやり取りが出来るようになるのかを。

これ、当時は多くの人が、見知らぬ人と手紙のやり取りをしていたんですよ。

実はそこらへんの雑誌を買うと、だいたいどの雑誌にも一部ペンパル掲示板というページがありまして、そこに文通相手募集という名目で住所、名前が書いてあったんですね。今では考えられませんよね。全国版の雑誌に自宅の住所をみんな公開してたんですよ。
普通に住所と名前と年齢と、なんなら趣味まで書いてあるんですよ。だから直接その人の家に手紙が送れるわけですよ。

文通友達のことをペンパル、ペンフレンドと当時は言っていたような気がします。
小学生4年だった私も雑誌の一部のコーナーだった掲示板から、ネコ好きな小学5年生の女子とペンフレンドとなりました。名字が非常に特徴的で、恐らくかなり珍しい名前だったと思います。
多分その名前に惹かれて手紙書いた記憶があります。

確か小学6年までの2年間、手紙のやり取りをしていた記憶があります。小さい頃の家は猫屋敷だったので、写真を送ったりなんだりしていました。
当時はその子の名前すら可愛く感じ、会ったことも話したこともないその子が好きでした。

ただ、やはり現実に目の前にいる人の方が好きになったので、手紙の返事もだんだんと面倒になり、特に最後の挨拶もせずに、一方的にやめてしまいました。その後、心配してくれたのか2通ほどきましたがスルーしました。
恐らく既読スルーよりも、50倍くらい罪なことです。1通書くエネルギーとレターセット代と切手代がかかってるわけです。ごめんなさい。

「住所」という概念の変化

この時代は手紙時代なので、メールアドレスなんて存在しませんし、SMSもないし、SNSなんて間違ってもありません。

今でいう相手を示すアカウントの扱い、それは住所でした。
写真を送りたいと思ったらLINEでポイの代わりに、住所と名前が必要なわけです。
プロ野球選手だった長嶋監督の自宅に爆弾を設置事件でご存知の方もいると思いますが、当時の販売されていた野球選手図鑑には、プロ野球選手の住所と名前が全部掲載されています。ファンレターを送るためのシステムでした。
しかしながら、多少問題はあったものの、今ほど大問題になることはありませんでした。

でね、ちょっと現代に戻りますが、2019年3月に『破産者マップ事件』がありました。

概略を簡単に表すと自己破産者の住所を含む個人情報をGoogleマップと連結させてみれるようにしたサービスをリリースしたら大炎上した事件です。

そもそも自己破産した人の住所を含む情報というのは、調べようと思えば、図書館や大学・インターネット上で誰もが官報から自由に知ることの出来ます。
官報とは

この公開されている破産者の住所を全て、Googleマップ上に投影したサービスが「破産者マップ」であり、作者は公開されている情報をどう使おうが問題ないという姿勢を取っていましたが、弁護団が出来た頃には、検索性もなくとにかく使いずらい官報のデータが整理され、誰でも見れる状態にすることはプライバシーの侵害になる可能性が高いという流れになり、サイトは閉鎖されました。
破産者マップ事件 - Wikipedia

これ、もちろん時代とともに官報のあり方も変わらなければならないのに、変わらないからこんな問題が起きてしまったのだと思います。

なぜ変わる必要があるかというと、単に検索もしにくい官報に記載された住所リストが、Googleマップに反映された瞬間に、今までそんなものに興味もなかった人が手軽に見れるようにもなり、全く異なるコンテンツへ変化するためです。

というより、インターネットがある程度普及するまで、「地図」というものが一般的ではありませんでした。少年時代の私は、ちょっと街に出ただけで5分で迷子になります。そんな時代だから、遠く離れたあの子の家が何処かなど想像もできないし、行ってみようなんて気も起きないわけですよ。一度迷子になったら人の手を借りないとどうしょうもないですからね。

ところが今ならスマホさえ持っていけば、確実に目的の住所までたどり着けます。迷子になろうがGPSがあれば復帰できます。
このテクノロジーの違いが、「住所」の概念を大きく変えざる得ない状況にしてしまったわけですね。Googleマップというとても便利なツールが、手のひらサイズで持ち歩けるようになった時点で、住所の公開リスクが格段に上がったわけです。

もちろんリスクの上昇には、SNSの存在が一番大きいです。そもそもですが、ネットがなければ、特定の個人住所が色々な人に知れ渡るリスクなどもありませんよね。

手紙のやり取りをしていたあの子と何らかの喧嘩をして、その手紙をSNSで拡散させられ、住所と名前も書いてあるなら、明日には私の近所に住む友達がその情報をキャッチし、なんなら手紙の内容をバカにされたりします。

例えば今、会員登録で当たり前のように使ってる住所の入力も、連絡手段ならLINEやSNSがあるのですから、通販以外の住所入力は、当たり前のようにやめるべきではないかと思います。2018年は、過去のバイト先に提出した履歴書を公開させられたアイドルもいましたし、ビデオ店に会員登録で提出した住所をもとにそのバイト店員にストーキングされた女性もいました。

いろんなところに記入を迫られる住所の扱いは、ちょっと時代のズレが出始めちゃってるかなと思いますので、別の中に何かに変わるべきだと思います。

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