記事

EU、対米通商交渉開始で合意 農産品は除外


[ブリュッセル 15日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国は15日、米国と正式な通商交渉を開始することを最終承認した。欧州委員会のマルストローム委員(通商担当)は、対米通商交渉の着手準備が整ったとし、年内合意を目指す考えを示した。

加盟国は欧州委が提案した交渉権限を賛成多数で承認。フランスは反対票を投じ、ベルギーは棄権した。

EUは2分野での交渉開始を承認したが、農産品は除外した。米国は協議に農産品を含めることを求めており、反発が予想される。

加盟国の承認を受けて欧州委は、(1)工業製品の関税引き下げ、(2)製品がEUもしくは米国の基準を満たしていると企業が証明しやすくする方策、について交渉開始が可能になる。

マルストローム氏は記者会見で、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との間で交渉開始時期を探る考えを示した。「こちらは用意ができており先方次第だ。開始について合意すれば、極めて迅速に進む可能性がある」と述べた。委員会の任期が切れる10月31日までに限定的な合意を目指す考えを示した。

ライトハイザー代表の報道官はコメントを控えた。

米上院財政委員会のグラスリー委員長は、農産品を除外した米欧通商協定が米議会の承認を得る可能性は低いとの見方を示した。「工業製品の関税と非関税障壁の撤廃では一部の要求しか満たされない。EUの農産品貿易で米国が大きな障害に直面する状況ではなおさらだ」と述べた。

マルストローム氏は「農産品は確実に交渉の対象外だ。欧州にとってレッドライン(越えられない一線)だ」と言明した。

以前行った環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)協定交渉に比べかなり野心が抑えられた内容になる可能性も強調した。

EUと米国の関係は、昨年7月にトランプ米大統領がEUの自動車への懲罰的関税の適用を先送りすることで合意し、緊張が緩和した。

ただ、ライトハイザー代表はEUとの間では農産品を巡り「完全に行き詰まっている」と不満を示しており、3月には議会の委員会で、農産品市場へのアクセスのない米欧通商協定はあり得ないと述べた。

EU加盟国は、米国がEUの鉄鋼・アルミに発動した関税を撤廃するまで交渉を妥結しないことや、米国が自動車などに新たな関税を発動した場合は協議を中止することでも合意した。

欧州委は農産物の関税や貿易障壁については議論しないと繰り返し表明しているが、自動車については議論する用意があるとしている。

外交筋によると、ドイツは自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>、ダイムラー<DAIGn.DE>、BMW<BMWG.DE>の関税回避に向けて交渉を進めたい意向だという。ドイツは自動車と部品の対米輸出がEU全体の半分以上を占める。

一方、自動車の対米輸出が非常に少ないフランスは、トランプ氏との交渉は票につながらないとみて、5月の欧州議会選挙以降にこの問題を先送りしようとしていた。

フランスは、農産品を交渉の対象にすべきではないが、気候変動対策は盛り込むべきだと主張している。

*見出しと内容を更新しました。

あわせて読みたい

「EU」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    千葉停電で数万円の発電機が活躍

    かさこ

  2. 2

    河野氏の停電対応 元医官が絶賛

    中村ゆきつぐ

  3. 3

    N国立花氏 YouTubeで収入2億円?

    渡邉裕二

  4. 4

    真実知らされぬ韓国国民を心配

    小林よしのり

  5. 5

    救急医療特集 無難な結論に不満

    中村ゆきつぐ

  6. 6

    日韓関係をあおって得する両首脳

    毒蝮三太夫

  7. 7

    マラソン代表 大迫選出は必至か

    企業法務戦士(id:FJneo1994)

  8. 8

    韓国消える 文政権高官が危機感

    文春オンライン

  9. 9

    二宮和也 3億円新居で結婚決断か

    女性自身

  10. 10

    デビルマンに凝縮した戦争の真実

    SmartFLASH

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。