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電子黒板の急成長に賭けるシャープ、成功の鍵は「4K」化

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シャープは4K化の”次”に着手している?

実は、シャープのIWB市場の仕掛けはこれだけではない。この分野において、さらに2つの隠し玉がある。

1つは、シャープが得意とする「8K」だ。

シャープは、4月9日から11日の3日間、東京・芝浦のシャープ東京ビルで、新技術および製品の展示会を行なっていた。もともとは社内向けのイベントだが、来日していた鴻海精密工業の郭台銘会長や、広東省の馬興瑞省長をはじめとする広東省の高官なども見学に訪れた。さらに、シャープの戴正呉会長兼社長の提案で、この内容は、一部報道関係者にも公開された。

その会場に展示されていたのが、8Kタッチパネルを応用した新製品だ。

約3318万画素の超高精細技術によりリアルな映像を表示する8Kタッチパネルに、8Kコンテンツビューワーを接続することによって、クラウドを通じて8Kコンテンツを配信する仕組みとなっている。この8K配信の実現には、クラウド型テレビ会議システム「TeleOffice」の基本技術を活用しているという。

これは、まずは美術作品などを鑑賞する用途を想定している。絵画などをタッチ操作によって自由に拡大して鑑賞できる。コンテンツの内部データには、60K相当の高解像度データを使用しているため、拡大しても画質を損なうことなく、鮮明に見ることができ、実際の絵画では見えにくい細かい部分まで拡大して表示することができる。絵画に込められた作者の意図などもより理解しやすくなるだろうとしていた。

この8K化は、BIGPADの次の進化として期待できる技術だ。

新技術および製品の展示会に参考展示された8Kタッチパネル。展示ではピーテル・ブリューゲルによる「バベルの塔」を8Kで表示

タッチしながら拡大すると細かい部分まで鮮明に見ることができる

もう1つは、マイクロソフトが提案している「Windows Collaboration Display」に対応した製品の開発だ。これは、昨年6月に台北で開催されたCOMPUTEX 2018でマイクロソフトが発表したもので、今年の1月には米ラスベガスで開催されたCES 2019において、シャープブースにさっそくWindows Collaboration Display対応製品が参考展示された。

Microsoft 365との連携を最適化しているほか、カメラやセンサーを活用して、会議室の人の動きや温度、湿度、照明などの状況を感知して、会議環境を適切にコントロールできるようにしている。例えば会議室に人がいないことや、新しく入ってきた人を認識し、それによって、会議室の予約をキャンセルしたり、会議に必要な情報を提供したりする。

CES 2019のシャープブースに参考展示されたWindows Collaboration Display対応の製品

参考展示されていた製品の発売時期は未定であり、これがBIGPAD(海外ではAQUOS BORAD)の名称で発売されるかどうかもわからないが、実はBIGPADと同じチームが手掛ける製品に位置づけられており、シャープのIWBの新たな提案のひとつになるのは間違いない。

シャープはIWB市場を成長市場として明確にし、積極的に手札を広げることで、この分野のリーディングカンパニーとしての存在感をさらに強化する考えだ。その始まりの一手が今回の「4Kスタンダードモデル」の投入ということになる。

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