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WTO敗訴に関して日本政府は冷静に敗因分析をせよ〜韓国に対上級委員会ロビー活動で圧倒されたのではないか?

誠に残念です。

NHKの報道によれば、WTO=世界貿易機関が韓国側の主張を認めたことについて、韓国地元メディアや市民団体からは「日本に衝撃が広がっている」とか「国民の安全が勝利した」といった声が上がっています。

韓国メディアなど「国民の安全が勝利」「日本に衝撃」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190412/k10011882161000.html

JBPRESSの記事でも韓国がお祭り騒ぎと報じています。

WTOで日本に「逆転勝訴」の韓国がお祭り騒ぎ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56112

「今回、久々に「国際的に」日本との争いに勝利した」のだそうです。

 文在寅政権がこのところ、異常な反日攻勢を行ってきたのは、周知の通りだ。だが、慰安婦財団解散、旭日旗掲揚拒否、レーダー照射、徴用工判決、天皇への謝罪要求・・・と、ことごとく国際的には「失笑」を買ってばかりだった。それが今回、久々に「国際的に」日本との争いに勝利したのである。

幼稚な韓国の反応は勝手にすればよろしいでしょう、ここでは無視します。

さてです。

韓国による福島など8県産の水産物輸入禁止措置をめぐる世界貿易機関(WTO)判決は日本にとって事実上の「敗訴」となりました。

国際法を盾に突破口を開く外交戦略は見直しを迫られたわけです。

ここは今回の判決を冷静に振り返る必要があります。

WTOの上級委員会の判決は、日本産食品の安全性を認めた一審の判断を変えていません。

韓国が日本に対する措置を強化する際に周知義務を果たさなかった点でもWTO違反を認めています。

しかし、輸入規制措置そのものがWTO違反だという肝心の主張が受け入れられなかったのです。

一審は韓国の措置が日本を不公正に差別しており「過度に貿易制限的」だとしていました。上級委はその判断を取り消したのです。

この敗訴により日本はWTOという国際法に基づく交渉カードを失ったわけです。

WTOで一審の判決が上級委で覆る例はあります。政府関係者は「食品の安全性に関するデータが非常にしっかりしていて自信を持っていた」と語っており、一審が日本の意見とほぼ同じだったことが誤算を招いたかもしれません。

日本の逆転敗訴は、今後の日本産食品の輸出戦略に影を落としました。原発事故に伴う各国の輸入規制が足元で徐々に撤廃されてきたタイミングだけに韓国の勝訴は各国の動きに水を差します。風評被害の払拭は大きな課題となることでしょう。

原発事故後、54カ国・地域で日本産食品の輸入規制が導入された。現在も23の国・地域で規制が残っています。昨年11月には中国で新潟産のコメが輸入解禁になるなど緩和の動きが広がりつつあっただけに残念です。

今回の逆転判決、日本にとって敗因の分析はしっかりしなければなりません。

ネット上では今回の判決自体を大したことはないと軽んずる論調も散見しますが、当ブログはそのような論には与しません。

今後の対韓国では徴用工問題で、仮定の話ではありますが韓国の狼藉を国際司法裁判所(ICJ)に提訴することもありましょう。

日本は国際会議や国際裁判等の対応で非常に水面下の活動が弱いのは「捕鯨問題」でも露呈しています、少しお行儀が良すぎることはないでしょうか?

ひとつの側面としてですが、今回の「逆転」で韓国に対上級委員会ロビー活動で圧倒された点は否めないでしょう。

韓国の水面下の活動を報ずる日経新聞記事より。

(前略)

第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)が2018年2月、輸入禁止は不当な差別だとして韓国に是正を勧告すると、韓国は同年4月、判決を不服として上訴した。

並行して韓国の産業通商資源省、海洋水産省、外務省など8省庁を横断する「紛争対策チーム」を立ち上げた。通商分野を専門とする外部の弁護士も交え、パネルの判断を上級委員会で覆す戦略を練った。

韓国が日本だけに特別厳しい輸入禁止措置を取ることの妥当性をアピールするために引き合いにしたのが、汚染水処理や廃炉など原発の事故処理がなお続く日本の現状だ。対策チームには原子力安全委員会も加わった。

「パネルの判断は、韓国がそのような状況にある日本と海でつながる隣国であるという特別な状況について考慮していない。そこを強調した」。韓国政府関係者は語る。

韓国、WTO「逆転勝訴」の舞台裏 日本の「状況」訴え より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43669670S9A410C1FF8000/?n_cid=SPTMG002

そして今回7人定員の上級委員が4人空席で3人しかいなかったことも、結果論ですが「逆転敗訴」を招く韓国の水面下の活動に有利だったかもしれません。

(関連記事)

WTO上級委員の再任を米国が拒否、紛争処理機能まひの恐れ
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2018/09/221108.php

7人よりも3人だけなら影響を与えやすいともいえそうです。

いずれにしてもです。

将来のために、WTO敗訴に関して日本政府は冷静に敗因分析をすべきです。

「風評」に「科学」が負け続けるわけにはいかないのですから。

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