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金正恩に残された選択肢

2月27,28日のハノイでの米朝首脳会談決裂後、アメリカも北朝鮮も次の手を打てない状況である。金正恩は、失意のうちに帰国したが、非核化というハードルは予想以上に高かった。

金正恩は、トランプとトップ同士で話し合えば、北朝鮮に有利な形で問題が解決すると思っていたが、今回、それが間違いだったことが明らかになった。

そこで、二つの選択肢がある。第一は、やはりトランプに賭けて、交渉を継続する、第二は、トランプは諦めて、次の政権に期待するである。

失望の念で一杯の金正恩は、二番目を選択するのではあるまいか。仮に、民主党政権になれば、過去の米朝交渉やイランとの核合意の例のように、一定程度北朝鮮の主張を容れることが期待できる。トランプ政権と事務的な交渉を続けるにしても、3回目の米朝首脳会談は早期には開催しないであろう。

金ファミリーによる世襲独裁を続けることが、金正恩の最大の目標であるので、その生命線とも言える核兵器を完全に廃棄することなどありえない。アメリカが体制、つまり金王朝による独裁を保証し、それを金正恩が信じることができれば、核放棄もありうるだろう。

しかし、アメリカは何をするか分からない軍事大国である。とくにトランプの「気まぐれ」には、世界が振り回されている。金正恩がサダム・フセインやカダフィの二の舞になりたくないのは当然であろう。

ただ、問題は経済制裁によって痛めつけられた北朝鮮経済である。これは時間との勝負であり、トランプ退陣まで2年間も悠長に待てるかどうか分からない。そこで、まず友好国である中国とロシアに支援を要請する。

次いで、親北路線を追求する文在寅政権の韓国との関係を強化する。しかし、経済的支援の種類によっては国連決議違反となる可能性があるので、隠密裏に行うしかない。

いずれにしても、金正恩にとって選択肢は限られている。4月12日の最高人民会議で、金正恩は、3回目の米朝首脳会談を行う用意があると演説したが、トランプは、文在寅との米韓首脳会談で、米朝首脳会談は急がないと表明している。

非核化の意思のない北朝鮮と「非核化なければ制裁解除なし」のトランプ政権では事態の展開は期待できそうもない。

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