- 2019年04月14日 17:06
ついこないだまで「作品に罪はない」って言ってなかった?
2/2しかし、ネットの批評はそうした基準によってされているのではない。
ではどんな基準かといえば、それは「ネットのみんながそう言っているから」でしかない。
作品とその出演者の罪の切り分けという本質的な問題は考えず、ただネットのマジョリティ(と、その当人がみなすクラスタ)がどういう反応をしているかだけに注目し、その場その場で自分が主張することを決めているのである。
だからこそ、自分の主張が過去の同種の問題における主張と正反対のものであっても、一切気にもしない。
そもそも自分の頭で考えた主張でもないから、その論理が雑なものであっても気にすることもないのである。
ネット上で殺人事件に関与しているとデマを言われ続けたスマイリーキクチ氏の件や、煽り運転の犯人の職場であるとされて攻撃された北九州市の建設会社の件。
ネット上のデマを鵜呑みにして他者を攻撃し、その事がバレた人の多くが、自分の罪を詫びるどころか「自分はネットに騙された側である」と、被害者として振る舞うのである。
つまり「自分の頭で考えたわけではなく、多くの人が言ったことをマネしているだけだから、自分で言ったこと、やったことに責任はない」。彼らはそう考えているのである。
ネットで騒いでいる人たちは「勝海氏には作品をパクったという罪がある」と言うだろう。
スマイリーキクチ氏は建設会社は純然たる被害者だが、勝海氏は被害者ではない。パクリの証拠も明確にあるのだと、そう主張するだろう。
だが、スマイリーキクチ氏も建設会社も、そうした「ネット上で断言された根拠」を信じる人たちによって誹謗中傷を繰り返されたのだ。
もし仮に盗作が事実だったとして、ではその罪を拡大解釈し、出演したCMを取りやめたり、編集でカットしたりすることを要求することは、果たして正当な主張であろうか?
また、その主張はネットの騒ぎという形で喧伝されるべきであろうか?
「作品に罪はない」は是か非か?
何らかの罪を負った人が、人前に出る仕事をすることは是か非か?
こうした問題を一つ一つ、ネットの時勢に流されず、自分の頭でしっかりと丁寧に考えること。
それがネットにはびこる無責任さから抜け出す、唯一の方法である。
*1:銭湯絵師見習いで話題になった女性クリエイター、勝海麻衣さんに模写疑惑(Togetter)https://togetter.com/li/1332533
*3:盗作騒動の銭湯絵師・勝海麻衣氏さんが出演するCMを中止せず、否定的な声が殺到(ニフティニュース)https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12156-244053/
*4:未だ休止せずCMがオンエアされていることに驚きの声/『盗作疑惑でやらかした勝海麻衣をCMに起用しているBEATSはどうする?』(Togetter)https://togetter.com/li/1335384
*5:高須院長「作品に罪はない」新井容疑者出演作で持論(日刊スポーツ)https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201902040000195.html
*6:古市憲寿氏 新井被告“作品排除”に疑問「判決も出ていないのにおかしい」「出演作品に罪ない」(エキサイトニュース)https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_129504



