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日本で女性議員がいっこうに増えないわけ



日本では女性議員の数がいっこうに増えない。

 先週日曜日の統一地方選挙前半の結果でも、道府県議会議員選挙で当選した女性は全当選者の10.4%。都道府県知事、政令市長選挙ではゼロだった。市区町村議会議員選挙は21日に投票となるが、現時点では、まだ女性議員ゼロの自治体が、市区議会で5.3%、町村議会にいたっては33%にのぼる。

 女性議員が増えることにどういう意味があるのか。

 日本の地方政治は大きな課題を抱えている。選挙の投票率は軒並み30%台と低迷し、議員のなり手がいないために無投票の選挙も増えている。要するに地方議員という仕事に魅力がないのだ。

 しかし、地方議員が増えなければ、国会議員も増えない。結局、女性の国会議員は、知名度のあるタレントやスポーツ選手が大半を占め、半分お飾りのような役割に甘んじることになる。

 地方議会の役割が、旧態依然とした予算の再分配という発想では、利益誘導のための地区代表をこれまで通りに選ぶということになってしまう。自治体の役割は、生活や福祉など、地域に密着した施策を実現してゆくことにあるということで考えれば、既得権益の利益代表ではない女性議員が増えることには大きな意義がある。

 日本の国会議員の女性の比率は、世界193か国中165位。アフリカのガンビアやコンゴ民主共和国などよりも、女性の政治進出が遅れている。もちろん先進国では断トツの最下位で、日本は中国や北朝鮮よりも女性議員の占める割合が少ない。1990年代前半は、スウェーデンなどの例外的な国を除き、欧米諸国の女性議員の比率は日本とそう大きく変わりはなかった。しかし、90年代以降、各国が女性議員を増やす努力をしている間、日本はほとんど無策のまま過ごしてきたため、完全に世界から取り残されていると、上智大学法学部教授の三浦まり氏は言う。

 そうした中、日本版パリテ法と言われる「政治分野における男女共同参画推進法」が去年5月に成立した。パリテというのは、均等という意味のフランス語。法律では、政党が男女同数の候補者をだす努力をするよう求めている。今回の統一地方選挙が法律施行後はじめての大きな選挙だったのだが、法律の効果が出ているとはとても言えそうにない。それでも、各党の候補者は議員の男女比率が報道で取り上げられたり、新人女性議員が注目を浴びるなど、少しずつよい影響は出始めているのではないかと三浦氏は語る。

 平成が始まった1989年、日本は女性議員が躍進する「マドンナブーム」のただ中にあった。しかし、残念ながらその流れは一過性に終わってしまった。それにしても日本だけが女性議員を増やせないのはなぜなのか。日本の何が女性の政治進出を阻んでいるのか。女性議員の比率が増えると、政治はどのように変わるのか。日本版パリテ法の成立にも尽力した上智大学法学部教授の三浦まり氏と、社会学者・宮台真司、ジャーナリストの迫田朋子が議論した。

三浦 まり(みうら まり)
上智大学法学部教授
1967年東京都生まれ。91年慶應義塾大学法学部卒業、93年同大学大学院法学研究科修士課程修了。2002年カリフォルニア大学バークレー校政治学研究科(Ph.D.)博士課程修了。博士(政治学)。東京大学社会科学研究所研究員、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、上智大学法学部助教授を経て、10年より現職。著書に『社会への投資――〈個人〉を支える 〈つながり〉を築く』、『日本の女性議員:どうすれば増えるのか』など。


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