- 2012年04月19日 15:12
IMF4.8兆円出資と貿易赤字4.4兆円〜デフレ脱却には内需主導しか選択肢がないのに・・・
1/2経済関連で気になる記事をふたつ取り上げます。
17日産経記事から
IMF資金増強で日本が600億ドル支援 安住財務相が表明
2012.4.17 11:55
安住淳財務相は17日の閣議後の記者会見で、国際通貨基金(IMF)が欧州債務危機の拡大を防ぐために検討している資金基盤の増強策について、日本政府として600億ドル(約4兆8000億円)の支援を行うことを明らかにした。IMFの第2位の出資国として危機防止に貢献する姿勢を打ち出す。
安住財務相は「欧州債務問題は楽観できる状況ではない。(資金増強は)確実に危機の終息につなげるために重要だ」と強調。日本が各国に先行して発表することで「合意に向けた流れを作る。相当の国がこれに合せて拠出を表明してくれるのは間違いない」とした。
19日からの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で正式表明する。具体的には、外貨準備を管理する外国為替資金特別会計(外為特会)の保有資産を活用し、IMFに600億ドルまで貸し付ける融資枠を設定する。
(後略)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120417/fnc12041711560004-n1.htm
続いて19日付け朝日記事から。
3月の貿易統計、赤字転落 11年度は貿易赤字過去最大
財務省が19日に発表した3月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支はマイナス826億円で、2カ月ぶりに赤字になった。これで2011年度の貿易収支は計4兆4101億円の赤字となり、過去最大だった。
年度ベースの貿易収支が赤字になったのは、リーマン・ショックがあった08年度(7648億円の赤字)以来3年ぶり。赤字幅は、第2次石油危機の79年度の赤字3兆1278億円を上回った。
昨年3月に起きた東京電力福島第一原発の事故後、各地の原発が停止し、火力発電を増やすために燃料の液化天然ガス(LNG)の輸入が大幅に増えたためだ。その一方、輸出が減り、赤字の増加に拍車をかけた。輸出の減少は、東日本大震災で自動車や家電製品などの生産が軒並み止まったことや、政府債務(借金)危機が深まった欧州や中国向けが落ち込んだことが響いた。
(後略)
http://www.asahi.com/business/update/0419/TKY201204190118.html
日本が欧州債務問題に貢献するためにIMFにポンと4.8兆円出資を決めたニュースと、2011年度の日本の貿易収支は計4.4兆円の赤字となり、過去最大となったニュースであります。
この2つのニュースは私から言わせれば鏡の表と裏のような関係です。
つまりこれまで輸出産業優先であった日本政府の経済政策が、IMF出資のニュースでは見事に国内復興より今だ優先されていることの現れであり、しかし過去最大の貿易収支の赤字は、実は輸出産業に頼る時代から新たに内需主導の経済成長に転換する時期の到来を予感させているのです。
日本経済はデフレ脱却のためにもそろそろ輸出産業依存から脱却し、内需主導の経済成長路線を取らなければならないと思います。
震災復興政策をテコに内需を刺激し個人消費を活性化させるべきです。
そのためには国内市場に可能な限りどんどんお金を投入すべきです。
デフレ下の今すべきは消費税を上げて市場を萎縮させ国内経済をますます冷やし庶民の生活を圧迫させることではなく、復興支援策をてこに内需を活性化させ国民所得の底上げと中小零細企業の売り上げ増につなげるべきです、パイそのものを大きくして、結果税収もアップさせることです。
平成23年間の貿易収支をまとめました。
■表1:貿易収支の推移(平成元年〜平成23年)
| 年 | 輸出 | 輸入 | 貿易収支(単位:千円) |
|---|---|---|---|
| 1989 | 37822534626 | 28978572581 | 8843962045 |
| 1990 | 41456939674 | 33855207638 | 7601732036 |
| 1991 | 42359892974 | 31900153522 | 10459739452 |
| 1992 | 43012281444 | 29527419360 | 13484862084 |
| 1993 | 40202448725 | 26826357239 | 13376091486 |
| 1994 | 40497552697 | 28104327343 | 12393225354 |
| 1995 | 41530895121 | 31548753881 | 9982141240 |
| 1996 | 44731311206 | 37993421106 | 6737890100 |
| 1997 | 50937991859 | 40956182573 | 9981809286 |
| 1998 | 50645003938 | 36653647183 | 13991356755 |
| 1999 | 47547556241 | 35268008063 | 12279548178 |
| 2000 | 51654197760 | 40938422968 | 10715774792 |
| 2001 | 48979244311 | 42415533002 | 6563711309 |
| 2002 | 52108955735 | 42227505945 | 9881449790 |
| 2003 | 54548350172 | 44362023352 | 10186326820 |
| 2004 | 61169979094 | 49216636346 | 11953342748 |
| 2005 | 65656544157 | 56949392181 | 8707151976 |
| 2006 | 75246173392 | 67344293072 | 7901880320 |
| 2007 | 83931437612 | 73135920427 | 10795517185 |
| 2008 | 81018087607 | 78954749926 | 2063337681 |
| 2009 | 54170614088 | 51499377779 | 2671236309 |
| 2010 | 67399626696 | 60764956840 | 6634669856 |
| 2011 | 65546474948 | 68111187178 | -2564712230 |
■図1:貿易収支の推移(平成元年〜平成23年)
確かに平成になって昨年(23年)初めて貿易赤字となっています。
一方、貿易外収支はどうでしょうか。
■表2:貿易外収支の推移(平成元年〜平成23年)
| 年 | サービス収支 | 所得収支 | 経常移転収支 | 貿易外収支(単位:億円) |
|---|---|---|---|---|
| 元年 | -50713 | 31773 | -4354 | -23294 |
| 2年 | -61899 | 32874 | -6768 | -35793 |
| 3年 | -56311 | 34990 | -16150 | -37471 |
| 4年 | -55709 | 45125 | -4833 | -15417 |
| 5年 | -47803 | 45329 | -5651 | -8125 |
| 6年 | -48976 | 41307 | -6225 | -13894 |
| 7年 | -53898 | 41573 | -7253 | -19578 |
| 8年 | -65312 | 58133 | -9775 | -16954 |
| 9年 | -63299 | 70371 | -10713 | -3641 |
| 10年 | -62227 | 71442 | -11463 | -2248 |
| 11年 | -59133 | 65741 | -13869 | -7261 |
| 12年 | -49421 | 65052 | -10596 | 5035 |
| 13年 | -51893 | 84007 | -9604 | 22510 |
| 14年 | -50813 | 82665 | -5958 | 25894 |
| 15年 | -36215 | 82812 | -8697 | 37900 |
| 16年 | -37061 | 92731 | -8509 | 47161 |
| 17年 | -26418 | 114200 | -8157 | 79625 |
| 18年 | -21183 | 138111 | -12429 | 104499 |
| 19年 | -24971 | 164670 | -13581 | 126118 |
| 20年 | -21379 | 161234 | -13515 | 126340 |
| 21年 | -19132 | 127742 | -11635 | 96975 |
| 22年 | -14143 | 124149 | -10917 | 99089 |
| 23年 | -17616 | 140384 | -11096 | 111672 |
■図2:貿易外収支の推移(平成元年〜平成23年)
サービス収支、経常移転収支(外国への無償援助など)、は恒常的に赤字ですが、所得収支(海外子会社からの配当など)は23年は14兆円の黒字であり、貿易外収支は11兆の黒字となっています。
- 木走正水(きばしりまさみず)
- 新聞・テレビの報道分析が高い評価を受けている。



