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病院で感じた小さな違和感。それが当然とされていることに大きな違和感を抱いた - 「賢人論。」第86回大石佳能子氏(前編)

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医療系コンサルティング大手の(株)メディヴァの代表取締役社長と、医療法人社団プラタナスの総事務長を務める大石佳能子氏に、医療・介護ビジネスの最新事情や将来の展望をお聞きした。前編ではメディヴァが事務局を担当した、横浜市青葉区の地域包括ケアの事例である「あおばモデル」を中心に紹介する。

取材・文/青山敬子 撮影/公家勇人

「患者さんの視点」から病院経営を変える

みんなの介護 大石さんは、グローバルコンサルティングのマッキンゼー・アンド・カンパニー勤務などを経て、多くの医療機関の運営のコンサルティングに携わってこられました。厚生労働省「これからの医療経営の在り方に関する検討会」など多くの会議の委員も歴任されていますね。

大石 日本の医療サービスについては、かねてから自分の中で問題意識がありました。患者さんの立場に立った医療サービスが必要だと思い、同じ意見を持つコンサルタントや医師たちとメディヴァを設立しました。

みんなの介護 「問題意識」とは、具体的にはどのようなものですか?

大石 直接のきっかけは、私が出産したときのことです。病院の待ち時間が長くて診療時間は短く、他の施設とのカルテの情報共有ができないことに驚きました。他のサービス業ではありえないことです。

みんなの介護 ご指摘の問題は、なぜか今まであまり議論されてきませんでした。患者さんの視点からの経営改善は画期的といえます。マッキンゼーで培われたコンルティングのノウハウを活かされたのだと思いますが、出産された当時も在籍されていましたね。

大石 はい。職場復帰してからヘルスケア部門に異動を願い出て、病院のコンサルティングを手がけました。結果は出せたのですが、私の問題意識の解消とまではいかない気がして、独立を決めました。実は、以前から「いつかは起業したい」と思っていたこともあります。

みんなの介護 起業後、コンサルティングの第一号案件となった「用賀アーバンクリニック」(東京都世田谷区)は、とても注目されました。

大石 「用賀アーバンクリニック」では、患者さんの視点に立ったサービスの提供と、効率の良い経営の両立をめざしました。

まずは、医師が時間をかけて患者さんの話を聞ける体制を整備しました。平日の診療時間は朝8時から夜7時までで、木曜日以外はお昼休みを設定していません。

みんなの介護 まさに「患者さん目線」ですね

大石 日本で初めてカルテの完全開示を導入したのも、「用賀アーバンクリニック」です。カルテはプリントアウトしてお渡しするほか、ネットでの閲覧も可能にしました。内容がわからない時は、次の診療の時に質問もできます。

みんなの介護 この「用賀アーバンクリニック」が評価されたことで、多くの医療機関のコンサルティングに携わられることになりましたね。また、2004年には医療法人社団プラタナスが設立され、大石さんは事務総長に就任されています。

大石 はい。メディヴァとプラタナスの活動を通じて、日本の医療や介護を変えていこうと思っています。

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