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乳がん・子宮頸がん早期発見を

野田聖子衆議院議員 ©Japan In-depth編集部

Japan In-depth編集部(小寺直子)

【まとめ】

・超党派の「乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟」、設立4周年で勉強会を開催。

・欧米は乳がん、子宮頸がん共検診率は70%前後、日本は約40%。

・マンモグラフィ「異常なし」でも、自己チェックは月1回行うべき

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=45167でお読み下さい。】

我が国では女性特有のがん、とりわけ乳がん、子宮がんで、年間約16000人の女性が亡くなっている。子宮頸がんでは25歳~44歳で罹患率のピークを迎える。

働き盛りの若い女性や子育て世代の女性が、子宮頸がんで子宮を失う、命を失うことは、少子化の日本においても深刻な問題である。乳がんや子宮頸がんは対策次第で予防、早期発見が出来るがんであることは科学的に証明されている。米国では、乳がん、子宮頸がんとも検診率は80%を超えており、その他先進国でも70%前後であるのに対し、日本では約40%と依然低いままである。我が国においては今なお女性の健康や生命を脅かす深刻な疾患だ。

4月9日、守ることができる女性の生命と健康を守ることを目標に活動する、超党派の「乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟」(会長:野田聖子衆議院議員)は、設立4周年にあたり勉強会を開催した。

会長の野田聖子議員は冒頭の挨拶で、「命は待った無し。女性のがんは当事者である女性にしかわからない。女性たちの守れる命を守るためには、私たち女性が主体であるべき。結果で見せなくていかなくてはいけない。」と活動をスピードアップさていく必要性を強調した。

第1部では、「根本匠厚生労働大臣に提出した要望書、進展状況についての報告」を厚生労働省がん対策疾病対策課佐々木課長が発表した。

現在の課題として、がん検診に法的な義務がないことから、実施状況に企業間格差が生じていること。乳がん、子宮頸がん検診においては必須化されず、オプション扱いが多いことから、後日個別に日程の予約調節をするなど、利便性に欠き受診率の低下に繋がっていることなどをあげ、組織型検診の推進、職域に対する第三者評価委員を要望した。

また、「がん検診を誰がどこで受信したか、もしくはしていないのか」を正確に把握できないことも課題に挙げた。がん検診受診に複数のルートがあり、重複受診がある一方で未受診者の把握ができず、個人のがん検診受診履歴を確認することができないのだ。そのため、職域での受診と、住民検診受診とのデータが一元化されるよう、がん検診の受診管理に関する法整備が必要であると述べた。

「女性のがん対策を議論する委員会」や検討会の設置が4年間実現されていないことも課題としてあげたことに対し、野田聖子議員は

「女性のがんは男性がいると話しずらい。患者が今の状況や希望を素直に言える環境でなくてはならない他の委員会との男女比と比べる必要はない。例えば、道路は男女問わずみんな利用するから委員会で男女で議論するのは当たり前。しかし、この女性のがんというのは、ある意味「部門」みたいなものだから、女性だけでいい。女性が男性の目を気にすることなく、女性視点にたった議論ができるようにすべきだ。なぜそれが4年実現できていないのかわからない。お金もかからないことなんだから、とにかく早急にやってみるべきだ。」と強く要望した。

日本には「高濃度乳房」と言われるマンモグラフィでは病変がわかりにくい乳房を持つ女性が7〜8割であると言われている。高濃度乳房に対しては、マンモグラフィと乳房超音波検査の総合判定が有効であると明らかになっているため、資金助成の実施を求めた。高濃度乳房は乳がんの発症リスクが増加することは確実であるとわかっている。米国の高濃度乳房の女性の割合は4割程度という数字と比較すると、日本女性にはマンモグラフィだけの検診では不十分であることが分かる。


加えて、子宮頸がん検診の理解、特にその原因となるHPV感染やその予防などについて、また乳がん検診への理解を深めるための標準的知識を普及し、クチン接種や検診体制のスムースな移行を目指して、子供から大人まで世代に応じたがん教育の推進を提言した。

第2部では、大貫 幸二氏(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)が、高濃度乳房問題に対応する効率的な方法について講義を行った。

▲写真 大貫 幸二氏(岩手県立中央病院 乳腺・内分泌外科)  ©Japan In-depth編集部

「高濃度乳房を取り巻く議論において、受診者側からは『判別困難なマンモグラフィ検診をなんで黙ってやっていたのか』『超音波が良いとわかっているのになんで取り入れないのか』といった意見が出るのに対して、専門家からは『対応が決まらないものに対して騒いで混乱させないでほしい』といった発言が出ることがある。どちらも乳がん死亡を一人でも減らしたいと思っているのに、時として噛み合わないのは、検診に対する目線が異なっているから。最も効果的なのは組織型検診を行い、受診者を個人レベルで把握し受診率を欧米並みに上昇させることだ。」と述べた。

第3部では「乳がん検診“高濃度乳房”告知活動の経緯」を増田美加氏(女性医療ジャーナリスト)が発表した。

▲写真 増田美加氏(女性医療ジャーナリスト)  ©Japan In-depth編集部

増田氏は、多くの女性から寄せられる検診の不安に応えるために、NPO法人乳がん画像検診診断ネットワークを設立している。今回は乳がん検診先進国である米国の事情をAre You Dense?® 活動を通して紹介した。この活動の設立者のナンシーさん(骨髄性白血病により2018年11月没)は、“高濃度乳房”=Dense Breast だったために、毎年マンモグラフィ検診を受診していたにもかかわらず、進行がんで乳がんが発見された。

「自分と同じ思いをする女性たちを減らしたい!」と“高濃度乳房”はマンモグラフィ検診に向かないことを医師が患者に告げることを義務化する法整備を、今も彼女の意志を継いで米国の各州で進められている。2019年3月現在、36州で罰金刑を伴う法整備が整っている。


日本でも、乳がんのマンモグラフィ検診で「判別困難」な女性に対しては検査結果を「異常なし」と伝えるのではなく受診者の知る権利を尊重し「判別困難」であると通知すべきだとして、指針の方針を改正を再度強く求めた。そのためにも、自治体の実態把握を早急にする必要がある。

今私たちにできることは、がん検診を受けて「異常なし」という結果が出ても、月1回の乳房自己チェックを行うことだ。検診の際は「私の乳房は高濃度乳房ですか?」と問い合わせてみることも良いだろう。乳がんや子宮頸がんは対策次第で予防、早期発見が出来るがんなのだから。

▲写真 薬師寺みちよ参議院議員、野田聖子衆議院議員ら。  ©Japan In-depth編集部

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