- 2019年04月11日 18:00
家族が幸せになるなら、そのあり方はなんでもいい──「フルタイムで働く妻と、専業主夫」を試すことになった話
2/2「娘のお世話をフルでできる人が家に2人いる」ことの安心感
さて都内への転居、入社、来年4月の保育園入園を目指した準備・申込みなどを経て、現在の役割は「家(家事と育児)のことは夫」「外で稼いでくるのは妻」と大まかに分かれました。
この体制にしてみてよかったのは、「もしかしたら、男性も育児に向いている面があるのでは?」と実感できて、夫に娘を安心して任せられるようになったこと。
それまで「育児は母のメインタスク」という先入観があり、娘の世話を夫に任せるのにどこか罪悪感があったのですが、いざ新生児を連れて検診へ行ったり、日々の買い物へ出かけたりしようとすると、力仕事なので腕力のある夫のほうが有利です。
実際、産婦人科でも「パパのほうが手が大きいので、赤ちゃんをお風呂に入れるとき安定するんですよ」とアドバイスをもらったこともあります。実際、娘をベビーカーに連れ出すようになって、電車の乗り換えや移動で夫の腕力が頼りになることも多々あり、なおさらこの思いは強まりました。
また会社員復帰後、泊まりの出張が数回あり、否応なしに夫がワンオペで娘の世話をすることがありました。もともとかなりの範囲を夫は対応できたのですが、1人でお風呂に入れるためのリハーサルをしてみたり、分担していた授乳準備をまるまる任せて段取りを確認してみたりと、最初はハラハラしましたが、今となってはすっかり手馴れたものです。
そうなると「娘のお世話をフルでできる人が家に2人いる」ことになり、それぞれ1人で出かけるときがあっても安心して任せあえるようになりました。
それぞれ出来る範囲で家事をがんばる、最悪、死ななきゃ何でもいい
一方、もともと料理が得意ではなかった夫に家事のリードを任せるのは不安もありましたが、そこは仕事と同じで、「一度任せたら相手のやり方に口を出さない」ルールを適用しています。中食や外食、デリバリーなどの選択肢がグッと増えたという意味では、都内に転居してきたのも正解だったと思います。
それ以外の家事は緊急的に「あるべき姿のハードルを下げる」を適用。このスタイルの家庭運用に慣れるまでは「それぞれ出来る範囲で家事をがんばる、最悪、死ななきゃ何でもいい」というレベルまで引き下げつつ、おたがいの負担を見ながらちょうどいい高さまで家事ハードルを戻していく予定です。
発見として、この役割分担を開始してみて個人的に感じたのは「稼ぎをひとりで担う」という精神的なプレッシャーでした。期間をある程度区切ったとはいえ、自分ひとりの稼ぎで家族3人の生活を支える、という状況が間近に迫ると、思いのほか精神的な重圧がありました。
本当にうまくやっていけるんだろうか、と思うと、入社前日の夜には不安で思わず泣いてしまったほど。
これは支出と収入のバランスが十分取れていたとしても起こりうるストレスだと思います。もし自分が倒れたら、もし仕事がうまくいかなくなったら……など、心配のタネは尽きません。
自分が大黒柱を背負うことになってみてはじめて、「パートナーのうち、片方だけが経済的責任を担う」ことの重圧と不安定さを痛感しました。実際その立場になってみないと、ここまでの実感はできなかったと思います。
働き方は「HOW」であって「WHAT」ではない
そうして新しい家庭運用の方法を開始してみて思うのは、夫婦のあり方、働き方は、あくまで「HOW」でしかない、ということでした。
わたしたちは「共働き」がしたいわけでもないし、夫が専業主夫であることやフリーランスでいることにこだわりがあるわけでもありません。あくまでそれは「HOW」であり、わたしたちの「WHAT」ではないのです。何より大切なのは「WHAT」の実現であり、その実現のために「HOW」があるのではないだろうか、と思うのです。
わたしたちがしたいこと、わたしたちの「WHAT」は、「夫婦、そして娘が幸せになること」です。もしこの運用でわたしが快適に思っていても、夫がどこかで不満を感じていたら意味がありませんし、逆もまた然りです。
夫婦のみならず娘を含めた「全員が幸せになる」を最終ゴールとして設定するのは非常に難しく、一生「この状態がベスト」には辿り着けないかもしれません。
それでもおたがいの状況や希望や、やりたいこと、やりたくないこと、やってほしいと思っていることを聞き合って尊重し、工夫をして乗り越え、よりベストに近い形を模索していくのが我々なりの夫婦のあり方なのだと思います。
わたしの親世代では、専業主婦がマジョリティでした。わたしの両親も、わたしが子を産んでも外で働いていることにまだネガティブなリアクションをするときがあります。
それでも少しずつ変わっていく時代の中で、今までのロールモデルや、誰かがつくった「あるべき姿」にとらわれず、自分たちの「なりたい姿」を追い求め、ベストに近い選択肢を探し続けることが、「夫婦や家族をつくる醍醐味」なのではないだろうかと思っています。
まだまだ試行錯誤中の我が家ですが、これからもこんなふうにして「家族をつくる」をしていけたらよいなと思います。
今日はそんな感じです。
チャオ!
執筆・はせおやさい/イラスト・マツナガエイコ/企画編集・明石悠佳



