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英エリート校に子供2人合格した家の教育

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イギリスには「パブリックスクール」と呼ばれる全寮制の私立中高一貫校がある。そこに息子2人を合格させた日本人の母親が、今回インタビューに応じてくれた。卒業生の30%以上がオックスフォード大とケンブリッジ大に進学するという超エリート校の実態とは――。

イートン校の校舎(写真=iStock.com/Kurt Pacaud)

長男は英ウィンチェスター校に、次男はイートン校に

イギリスのパブリックスクールは、チャールズ皇太子、ウィリアム王子の母校・イートン校をはじめ、多くの国際的リーダーを輩出する私立中高一貫校の総称だ。中世以前のイギリスの学校は、入学が階級や宗教、出身地などで制限されていたのに対し、貴族階級以外にも開かれた学校として設立されたため、“パブリック”という名がついている。

多くが全寮制のエリート教育校で、代表格であるイートン校からは卒業生の30%以上が世界大学ランキングで1位、2位を争うオックスフォード大とケンブリッジ大に進学する。

息子2人をパブリックスクールに合格させた、シンガポール在住のモウリー康子さんは、受験を思い立ったきっかけを次のように語る。

「フランス人の夫も私もそれぞれの母国で公立育ち。イギリスのパブリックスクールとは全く無縁でした。ただ、金融業界で働く夫が『イギリス人のパブリックスクール出身者は社交力が抜群。数字に強いフランス人や日本人がどんなに成果を上げても、全体を率いるリーダーはイギリス人だ』とよく話していました。イギリス、日本、シンガポールと転勤続きで、さらにこの先どこに住むかわからない不安もあり、長男が10歳のときに全寮制のパブリックスクールなら、落ち着いて教育を受けられると思い、受験を考え始めました」

現在、モウリーさんの長男はウィンチェスター校に、次男はイートン校に通う。

「パブリックスクールへの入学は狭き門で、多くの受験家庭は8歳から“プレップスクール”という入学準備校に子供を入学させます。さらにプレップスクールに入学させるための“プレ・プレップスクール”という4歳から通う学校もあるんです。イギリス人にさえ狭き門なので、『落ちてもいいからチャレンジしよう』というくらいの気持ちでした」

受験準備に費やした時間はわずか半年だった

「家族で学校見学に行くとどの学校も大学並みの敷地を持ち、テニスコートやラグビー場などの設備も充実していて、圧倒されました。建物は歴史のある石造りで、『ハリー・ポッター』の魔法学校のような雰囲気です。見学をして、ここで子供を学ばせたいと強く思いました」

パブリックスクールに入るためには、まず11歳で1次試験にあたるプレテストを受ける。これに合格した子だけが2年後、2次試験にあたるコモンエントランス(私立校統一テスト)を受験することができる。

モウリーさん一家は、長男がプレテストを受ける年齢で、東京からシンガポールへ転勤になった。本格的に受験準備に費やした時間はわずか半年だ。

「イギリスにはもちろん、旧イギリス植民地である香港やシンガポールにも受験のための塾や家庭教師の派遣会社があります。わが家は問題集を家で解かせつつ、試験直前の3カ月間は週に1回、スカイプを使ってイギリスの家庭教師に対策をお願いしました」

試験のメインは口頭試問だが、学科試験前に門前払いされてしまう学校もある。

「次男の通うイートン校の場合、海外からの受験生は“ISEB”というテストを受験し、一定の点数を取ると“イートンテスト”というIQテストのような試験に進みました。イートンテストはコンピュータで解答していくのですが、途中で後戻りできません。4択で選んだ答えを受けて次の問題に進んでいくため、1問間違えると、続きの問題もすべて間違いになってしまうんです」

面接質問「タイムマシンに乗れたらいつの時代で何をしたいか」

長男の通うウィンチェスター校の場合、独自の筆記試験が課されるが、時間はわずか10分。非常に簡単な英語と算数が出題される。

「筆記試験は簡単で、筆記試験での二段階選抜はありません。ただ、面接が45分もあるんです。志望動機や何が得意かといった一般的な質問だけでなく、『タイムマシンに乗れたらいつの時代で何をしたいか』『なぜ中国はアメリカに追いつこうとしているのか』といった質問もあったといいます。次男の通うイートン校では、社交性を重視しているので、スポーツの経験や好奇心が強いことをアピールしたようです。次男はテニスでシンガポール国内での優勝経験があり、興味を持ったことは時間をかけてじっくり理解しようとするタイプでした。幼い頃は空き箱などでよく工作をしていました。そうした点も評価されたのかもしれません」

パブリックスクールでは、学力試験がトップの成績でも、面接で落とされるケースは珍しくない。

「面接に時間をかけ、校風に合っているか、知識だけでなく深く考える力があるかが注意深く見られます。経歴だけでなく、受け答えの様子なども見られているようです」

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