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財政ポピュリズムの横行

政治において、本当に恐ろしいのはポピュリズム。人間も動物、集団的に間違ってしまう事がある。そして、その間違いを先導するのが政治だ。政党政治が常に正しい訳ではなく、与野党全てが間違った方向を向くことだってある。物理学のように厳密な「正しさの証明」が出来ないことは自明の理なのだから、自分自身の主義主張を含め間違っている可能性があることを自覚し、常に検証と検討を続けることが必要だ。そのことは、現在の主流であるかないかなどとは、は全く関係がない。ガリレオの時代には天動説が間違いなく主流というか唯一絶対的な考え方であったが、それは完全に誤りであった。

さて、今の日本では、ほとんどの人が気づかないうちにポピュリズムが横行しているのではない か?

それは与野党共に議論を避けている財政ポピュリズムだ。ここ数年では最もマシになったとは言え、本年度予算の歳入の32%、32兆円は国債依存。60年払いで返済される国債はまた増えた。 今年の歳出での返済は14兆円だったので、差し引き18兆円また増えてしまった。原発のことは心配する(私も誰よりも心配し訴訟まで起こしてますが)レフトサイドあるいはリベラルの方々も、こ の問題となると急に感度が鈍くなる。未来へのツケ回しが子どもたちの未来も奪っていくのは確度としては原発事故以上に確かなのに。

アメリカでも政府債務は22兆ドル!にも上り(GDPが19.4兆ドルと日本の4倍なのでGDP比率は、 1.1倍程度)、財政は持続不可能と心配する声は日本以上に大きいが、最近、ステファニー・ケルトン というニューヨーク州立大の教授が「政府予算や財政赤字は完全雇用やインフレを実現するた めに積極利用すべしという「現代金融理論(MMT)」の強固な提唱者」として注目を集め、ク ルーグマンらと論争になっているとロイターが伝えている(アングル:「財政赤字は悪くない」、 大統領選にらみ米国で経済学論争)。同記事によれば、ケルトンは、「債券市場や外国為替市場が許さないことを地球を救う支出を抑 制する理由に挙げるのは、かなり筋が悪い」と主張しているという。つまり、債券市場=「国債の暴落」や外国為替市場=「通貨の信認の失墜から通貨安を招くこと」は気にするな、というのだ。

アメリカであの経済の大御所、ローレンス・サマーズから「ブードゥー経済学(魔術 のようで理論的に怪しいとの意味)だ」とまで言われた(上記ロイター)ケルトンの主張を実践しているのが、実は現在の日本の政治だ。

敢えて「日本の政治」としたのには訳がある。国債に依存しきった現況を肯定しているのは、政権与党だけではない。ほとんどの野党もその問題には触れていない。そこに触れれば財政支出を切り詰める、もしくは増税する、という話に繋がっていき、政治家とし て最も触れたくない話題になってしまうからだ。

そうしたところ、このケルトン理論を極限まで実行しようと、消費税撤廃、現金配布まで謳った新党が立ち上がろうとしている。

懸念されるのは、こういった極端な主張が出てくれば、それに引きずられるようにして、財政ポピュリズムがさらに進行してしまうことだ。

こういった懸念を述べると、右左の立場を問わず、財務省の手先的な穿った見方をする方もいるが、この懸念は、麻生大臣や黒田日銀総裁も共有していることが昨日(4月10日)の財務金融委員会での私の一般質問で明らかになった(これについてはまた報告します)。

アメリカでもオバマ政権の大統領経済諮問委員会のスタッフが「右も左もない。普通の人々が興奮が冷めた時点で代償を支払うような魔法の考えだけが存在している」(上記ロイター)と述べている。

日本でも同じ。財政ポピュリズムに代償を払うのは未来の私たちだ。

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