- 2019年04月10日 16:03
トヨタの新型「RAV4」が“ゴツく”なった理由
2/2この方向性を明確にしているグレードが「アドベンチャー」だ。フロントのグリルとバンパー、スキッドプレート、ヘッドランプを専用とすることで、同じトヨタのピックアップや大型SUVに似た、力強い顔つきになっている。セダンやクーペに近いエモーショナルなSUVが増えつつある中では、かなり個性的に映る。

室内も多角形イメージをドアハンドルやエアコンのルーバーなどに取り入れており、デザインとしての統一感がある。滑り止めのゴムを施したエアコンやドライブモードセレクターなどのダイヤルを含め、独自の空間を作り上げようという気持ちが伝わってくる。

しかも、スクエアなキャビンは室内が広い。新型RAV4のボディサイズは全長4,610mm、全幅1,865mm、全高1,690mm(アドベンチャーの数値)と、幅は広いものの長さはこのクラスの平均値である。ところが、後席は身長170cmの筆者が座ると足が組めるほど広い。荷室も580Lという数字を実感する。機能に裏付けられた造形である。

ここまで広いと、ライバルにはある3列シートを選べてもよいのではないかと思ったのだが、トヨタは北米向けに「ハイランダー」というひとまわり大柄な3列シートSUVを販売しているので、RAV4では2列シートにこだわったそうだ。

インテリアカラーは全グレードにブラックを用意したうえで、アドベンチャーにはライトブラウン、それ以外のグレードにはライトグレーを設定している。印象的なのはインパネやセンターコンソールに配されるアクセントカラーで、アドベンチャーはオレンジ、別のグレードではブラウンとしており、細部のコーディネートにまで気を配っていた。

トヨタが試乗会でオフロードを用意した意味
メカニズムでは、日本向けのRAV4では初となるハイブリッド車の投入がニュースだ。2.5L直列4気筒とモーターの組み合わせで、2Lのガソリン車と排気量が異なる。メインマーケットの北米ではガソリン車も同じ2.5Lだが、日本および欧州市場向けは税制などを考えて2Lを搭載したという。
どちらも2WD(前輪駆動)と4WDが用意されるが、ハイブリッド車は後輪を専用モーターで回す「E-Four」という仕組みであるのに対し、ガソリン車はプロペラシャフトで駆動するタイプになる。試乗会ではハイブリッド車「G」グレードの4WDと、ガソリン車の4WDのみとなる「アドベンチャー」に乗った。

加速はもちろん、排気量で上回るうえにモーターのアシストもあるハイブリッド車の方が上だ。ガソリンエンジンのアドベンチャーは、3,000回転あたりまでエンジンを回すことが多く、エンジン音がそれなりにキャビンに響く。ただ、その音はハイブリッド車の2.5Lより滑らかで、回すことが気持ちいいと感じた。
新世代プラットフォームの剛性感、しっとりと動くサスペンション、移動距離の長い北米市場を見据えたような厚みのあるシートなどのおかげで、乗り心地は快適だった。ホイール/タイヤをインチアップしたアドベンチャーのほうが、しゃきっとした乗り味で好感を抱いた。ハンドリングも、パワートレインが軽いアドベンチャーの自然な身のこなしが好印象だった。
実は、新型RAV4のTNGAプラットフォームは、C-HRではなく、ひとクラス上のカムリと同じものを使っている。クルマ作りの過程では、オフロード走行を想定し、あの「ランドクルーザー」の開発スタッフからアドバイスを受けたそうだ。懐の深さを感じた乗り味はこうした理由によるものだった。
試乗会ではフラットなダートとモーグルなどからなるオフロードコースも用意されていた。こういった環境をトヨタが用意したのは、新型RAV4のキャラクターを強く印象付けるためだったのだろう。

フラットなダートでは、E-Fourの進化にまず驚いた。これまでのE-Fourは、滑りやすい路面の発進時などに限り後輪を駆動する、エマージェンシー的な性格だった。新型RAV4のE-Fourはリアモーターが強力になり、後輪の駆動を感じながらのコーナリングを味わえるようになっていた。
一方、アドベンチャーを含む一部のガソリン車には、リアのトルクベクタリングが備わっていた。コーナーでは積極的に外輪のトルクを増やし、旋回を強めていく。また、ガソリン車は「マッド&サンド」「ノーマル」「ロック&ダート」の3モードの切り替えが可能で、200mmの最低地上高と合わせてかなりの凹凸を余裕でクリアできた。
初代RAV4を知っている人は新型の激変ぶりに驚くだろうが、初代RAV4が確立した乗用車テイストのSUVがあふれるほど増えた今だからこそ、逞しさにこだわった新型のデザインと走りが新鮮に感じた。
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