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「死刑制度維持」の意思表示か――小川法務大臣が死刑執行

小川敏夫法相は三月二九日、古澤友幸、上部康明、松田康敏三氏の死刑確定者に死刑を執行した。今回の執行は、民主党政権下において二度目となる。

昨年は、江田五月法相および平岡秀夫法相が相次いで死刑に慎重な姿勢を示したため、一九年ぶりに死刑執行がない年だった。今回の執行は、死刑制度の維持に固執する政府の意思表示とも言える。

小川法相は執行後の会見で、世論調査や裁判員裁判に言及し、国民の大多数が死刑制度を支持していることを強調した。しかし国連の自由権規約委員会は「人権保障と人権基準は、世論調査によって決定されるものではない」と、日本政府の姿勢を批判している。「世論調査の結果にかかわらず、死刑廃止を前向きに検討し、国民に死刑廃止が望ましいことを知らせるべきである」と勧告しているのだ。

アムネスティの調査では、現在、世界の三分の二にあたる一四一カ国が、法律上または事実上死刑を廃止している。アジア太平洋地域では、四一カ国のうち二八カ国が廃止している。二〇〇八年には韓国が、今年三月にはモンゴルが、死刑廃止国となっている。

アムネスティのサリル・シェティ事務総長は「いまだに死刑執行を続け、世界から孤立している少数の国々の指導者たちに対する私たちのメッセージは明確です。あなた方は世界から取り残されています。今こそ死刑という最も残虐で、非人道的かつ品位を傷つける刑罰を止める時です」と指摘する。

アムネスティはこれまで、日本政府に対し、ただちに死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けた国民的議論を開始するよう求めてきた。今回の執行を受け、さらに粘り強く、国際的な市民活動を展開していく方針だ。

(アムネスティ・インターナショナル死刑廃止ネットワーク東京、4月6日号)

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