記事
  • 東龍

消費者は知っておくべき、飲食店は取得しておくべき「おもてなし規格認証」とは何か?

1/2

[画像をブログで見る]

おもてなし規格認証

「おもてなし規格認証」をご存知ですか。

日本の観光業も非常に盛り上がりをみせてきており、2018年には年間で初めて訪日外国人が3000万人を超えました。

世界中からますます多くの外国人が日本に訪れるようになっている中で、日本のGDPの約70%を占めるサービス産業と地域の活性化のために、2016年に「おもてなし規格認証」が創設されたのです。

サービスは「その場・その人」が受ける一度だけの目に見えないものですが、高品質なサービスはしかるべき評価を受けて「見える化」される必要があります。

こういった考えをもとにして生まれたのが、「おもてなし規格認証」なのです。経済産業省に取材した内容を織り交ぜながら、展開してきましょう。

実現したいこと

「おもてなし規格認証」では、以下のことを実現しようとしています。

(1)質の高いサービス提供を行っている事業者の見える化支援

(2)質の高いサービスを提供したいと考える事業者への手引きの提供

(3)消費者の高品質なサービス享受の機会増加

出典:おもてなし規格認証

事業者には質の高いサービスを提供するインセンティブを与え、消費者には質の高いサービスを受けられるようにすることが、大きな目的となっています。

おもてなし規格の定義

サービスの多くは接客を通じて提供した製品とその製造のプロセスから成り立っており、「おもてなし規格」ではプロセスを扱います。

  • 「お客さま」の期待を元に、共に価値を創ること
  • 「従業員」の意欲と能力を引き出すこと
  • 地域・社会と共生していくこと
  • 継続・発展していくこと
出典:おもてなし規格認証

様々なプロセスの中でも、顧客、従業員、地域の満足を高めるためのプロセスが重要であると考えており、プロセスの品質を向上させるには、上記のようなことを行う必要があると定めています。

認証の種類

「おもてなし規格」には以下4種類の認証が設けられています。

・紅認証

サービス向上の取組に意欲的なサービス提供者(自己適合宣言)

「サービス業務マネジメント項目」のうち、「既に実施している」もしくは「今後実施したいと思う」について合わせて15項目以上該当

審査料:なし/認証料:なし/更新料:なし

金認証(★)

お客さまの期待を超えるサービス提供者(第三者認証【有償】)

「サービス業務マネジメント項目」のうち、「既に実施している取組」について15項目以上該当

審査料:2万円/認証料:1万円/更新料:1万円

紺認証(★★)

独自の創意工夫が凝らされたサービス提供者(第三者認証【有償】)

「サービス業務マネジメント項目」のうち、「既に実施している取組」について21項目以上該当

審査料:10万円/認証料:5万円/更新料:5万円

紫認証(★★★)

お客さまの期待を大きく超える「おもてなし」提供者(第三者認証【有償】)

独自の創意工夫が凝らされたサービス提供者(第三者認証【有償】)

「サービス業務マネジメント項目」のうち、「既に実施している取組」について24項目以上該当

審査料:10万円/認証料:30万円/更新料:30万円

出典:おもてなし規格認証

紅認証、金認証、紺認証、紫認証と認証のグレードは上がっていき、紅認証は無料ですが、これより上位となる金認証、紺認証、紫認証には費用がかかり、定められた認証機関に申請して認証される必要があります。

サービス業務マネジメント項目

認証に必要な「サービス業務マネジメント項目」は30項目あり、以下のように大別されています。

サービス業務マネジメント項目

  • CS の理解・徹底 5項目
  • ES の理解・徹底 4項目
  • 業務棚卸&改善の検討・実行 4項目
  • 人材の確保・育成 6項目
  • IT ツール導入・定着 6項目
  • 業務の振り返りと組織学習 2項目
  • 経営者のリーダーシップ 3項目
出典:おもなし規格認証2019規格項目

「サービス業務マネジメント項目」はCS(顧客満足度)やES(従業員満足度)から、経営者のリーダーシップやITまでと多岐に渡っています。この項目がどれくらい実施されているかによって、認証のグレードが異なってくるのです。

具体的には「お客さまに対してわかりやすく案内・説明などを行うツールの整備」「従業員の働きがいを高める取組・仕組みづくり」「IT を活用した、お客さま接点業務に集中するための取組」といった項目があります。飲食店における重点要素が挙げられており、実用的になっているといってよいでしょう。

インバウンド対応項目

付加的な認証として、2019年3月8日からインバウンド対応を見える化するための「トラベラー・フレンドリー認証」が始まりました。

「トラベラー・フレンドリー認証」に関連する「インバウンド対応項目」は10項目あります。

インバウンド対応項目

・外国語によるメール・電話での問い合わせ対応

・店内外サインについての外国語表記、または訪日外国人にもわかりやすいピクトグラムなどの活用

・外国語でのサービス内容表示や説明ツールなどの用意

・サービスを利用する上で、外国人が困りそうなことへの備え

・外国語での接客を行うための取組、支援ツールの用意

・外国語版近隣マップの用意

・外国人のお客さまと必要最低限のコミュニケーションが取れるための従業員教育

・外国人のお客さまを重要なターゲット顧客に設定し、経営者がリーダーシップを持ってその対応に取り組み、外国人のお客さまおよび従業員に対してその方針を明確化する。

・自社がターゲットとする外国人のお客さまの文化などの理解、外国人のお客さまに対しての接客ポリシーの設置。

外国人のお客さまに対しての接客ポリシー(指針)を従業員が理解・徹底するための取組

出典:おもなし規格認証2019規格項目

金認証もしくは紺認証を取得しており、「インバウンド対応項目」において5項目以上が既に実施されていれば認証されます。

「外国語によるメール・電話での問い合わせ対応」「外国語でのサービス内容表示や説明ツールなどの用意」「外国人のお客さまと必要最低限のコミュニケーションが取れるための従業員教育」といった項目があるので、訪日外国人にとって非常に有益な認証であることは間違いないでしょう。

認証取得後のメリット

認証を取得した後に享受できるメリットは何でしょうか。

おもてなし認証規格取得メリット

・サービス品質の見える化
登録・認証後に発行される「登録証」または「認証書」とマークを店頭やホームページに掲手したり、名刺やパンフレットに印刷したりすることができます。

・公的支援(補助金や公的融資など)を受けやすく
日本政策金融公庫から低利融資での支援を受けられます。

・生産性の向上と経営品質の向上
顧客・従業員・地域の満足を促進するだけでなく、自社の生産性の向上につながる視点でも策定されています。

出典:おもてなし規格認証とは

他の事業所と明確な差別化を図れたり、公的支援が受けやすくなったりするのは個店にとっては特に喜ばしいことでしょう。結果的に生産性の向上にもつながり、事業を継続するための力も養うことができます。

変遷

「おもてなし規格認証」の枠組みについて説明してきましたが、これまでどういった変遷を辿ってきたのでしょうか。

経済産業省に取材した内容によると、以下のように発展してきました。

おもてなし規格認証 変遷

・2016年8月
紅認証スタート

・2017年1月
金・紺認証のパイロット認証スタート

・2017年6月
金・紺認証の正式スタート

・2018年2月
第1回の紫認証を発表

・2019年1月
リニューアル後の規格(2019)での申請開始(1月17日)

・2019年3月
リニューアル後の認証開始(3月8日)、第2回紫認証の発表(3月13日)

2016年に紅認証が開始された後で、4ヶ月後には金認証と紺認証が始動しました。最上位の紫認証は、2018年になって第1回目の認証店が発表され、つい先月の2019年3月に第2回目が発表されたばかりです。

徐々に項目も整理されて分かりやすくなってきているので、どの認証まで目指せそうか、事業者が自ら判断し、選択できるようになっています。

あわせて読みたい

「飲食業界」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    沖縄慰霊 本土の捨て石だったか

    古谷経衡

  2. 2

    首相へヤジに地元民「沖縄の恥」

    和田政宗

  3. 3

    男逃走めぐる産経社説は撤回必要

    郷原信郎

  4. 4

    宮迫・田村亮ら芸人11人謹慎発表

    BLOGOS しらべる部

  5. 5

    4年間は寮生活 松下政経塾の実情

    BLOGOS編集部

  6. 6

    戦後日本で活躍した天才の転落劇

    fujipon

  7. 7

    自民 参院選前にかつてない逆風

    五十嵐仁

  8. 8

    会社でキレる人が評価される理由

    非国民通信

  9. 9

    小沢氏は国民民主で役に立たない

    早川忠孝

  10. 10

    堤真一 慕った佐藤浩市共演NGに

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。