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スタバがLINEと提携してアプリサービスを強化する狙い

スターバックスとLINEがデジタル領域での業務提携について詳細を発表した。LINEが誇る月間7900万人のアクティブユーザー基盤に向けて、スターバックスのリワードや1対1のコミュニケーションを提供していく。

スターバックスとLINEが業務提携の詳細を発表

だが、スターバックスはすでにアプリを利用して、モバイルユーザーにサービスを提供している。なぜ、改めてLINEと組む必要があったのだろうか。その背景からは、アプリ特有の問題点と新たな可能性が見えてきた。

LINE版プリペイドカードやLINE公式アカウントを提供

1996年に日本に上陸したスターバックスは、2018年末時点で国内に1415店舗を展開し、来店客は1週間に500万人を超える。プリペイドカードの「スターバックスカード」は、2014年にモバイル版の提供を開始しており、すでに30%を超える顧客がこれらのカードを支払いに利用しているという。

スターバックス コーヒー ジャパン 代表取締役最高経営責任者CEOの水口貴文氏

こうした取り組みを推し進めていく中で同社は、2018年12月にLINEとの間で包括的な業務提携を発表した。スターバックスの日本法人CEOである水口貴文氏は提携に至った理由を、「デジタルを活用していく上で『ぬくもり』を重視する」という両社の価値観が一致したためだと説明する。

デジタル領域で包括的な業務提携を開始

具体的なサービス内容としては、LINEアプリのウォレット機能へのスターバックスカードの追加、LINE公式アカウントの開設、LINE Payのスターバックス全店への展開の3点だ。

注目したいのが、LINE版のスターバックスカードだ。すでにスターバックスは400万回ダウンロードを誇るアプリを提供している。だが、これを利用するにはアプリのインストールと会員登録が必要で、ハードルが高いと感じる人が多かったという。

そこで、LINEと提携し、これまでアプリを入れてこなかったカジュアルなユーザーを取り込もうというのがスターバックス側の狙いだ。その上で「すでに3分の1に達したキャッシュレス決済を、どこまで伸ばしていけるかが課題だ」と水口氏は語る。

LINE版のスターバックスカードは4月8日より提供が始まっている。特徴は、カードの発行が驚くほど簡略化されている点だ。

LINE活用で敷居を下げ、自社アプリにつなげる仕組みも

LINE版のスターバックスカードは、LINEアプリで利用できる。ウォレット機能から数回タップするだけで、スターバックスカードを新規発行できるため、面倒な個人情報を入力する必要もなく、レジの順番を待つ間に登録できてしまいそうだ。

画面をタップしていくだけで新規発行が可能

初期状態では残高が0だが、LINE Payやスターバックス店頭での現金を利用したチャージにより、支払いに利用できるようになる。同時にスターバックスリワードの会員になり、独自のポイントである「スター」も付与される仕組みだ。

LINE版スターバックスカードで支払いをする様子

LINEアプリはすでに多くのスマホに入っており、毎日6600万人ものユーザーが使っている。しかもLINEによれば、この数字は昨年より600万人増えており、スマホ普及率の上昇に伴ってさらなる伸びが期待できるという。

ただし、LINEアプリから登録した人は「準会員」として扱われる。貯まったポイントを活用するには追加の情報を入力し、「正会員」への登録が必要となっている。とはいえ、手持ちのポイントを活用したいという動機がある以上、登録のハードルはかなり低いといえそうだ。

全体像として、まずはLINEを入り口にして会員を増やし、リワードを体験してもらいながら自社のアプリにつなげていく仕組みになっている。公式アカウントによるコミュニケーションも活用し、スターバックスのファンを増やしていく構えだ。

一方、LINE側はスターバックス全店へのLINE Pay導入により、キャッシュレス基盤を拡大できる。さらに利用動向などのデータをAIで分析し、1対1でのコミュニケーションを実現するなど、新たなサービスにも活かしていくという。

モバイルの重要性がますます高まっていく中で、新たなアプリを提供するだけではなかなか使ってもらえない。すでに普及したLINEを活用することで、幅広いユーザーの取り込みを狙う事例は今後も増えていきそうだ。

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