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日経新聞の記事

4月8日、日本経済新聞が第1面で「ゴーン元会長妻出国 検察の参考人聴取応じず」との見出しで、次のように報じました。

【パリ=白石透冴】日産自動車元会長、カルロス・ゴーン容疑者の妻、キャロルさんが東京地検特捜部の聴取について「危険を感じた」として応じないまま5日夜に日本を出国し、パリに到着したことがわかった。7日付の仏紙ジュルナル・ディマンシュがインタビューを報じた。
 この記事では、あたかもキャロルさんが、東京地検特捜部からの聴取を受けることについて「危険を感じた」と本人が述べているように読めます。

 しかし、記事も指摘する仏紙ジュルナル・ディマンシュのインタビューで、キャロルさんはそのようには述べていません。原文を見てみると、彼女はこのように述べています。
インタビュアー:あなたは、夫が逮捕されてから48時間後に東京を離れたのですね。なぜですか?

キャロル:私は危険を感じました。私は、夫カルロスが拘置所に勾留されるのか、すぐに出られるのかを知るために待ちました。私は、何日もの間夫と連絡を取ることができないと知り、弁護士からも言われました。その時、私は決めました。木曜の夜、私は、隣人の家のソファで眠りました。金曜日の夜、フランス大使が私を空港まで連れて行き、飛行機が離陸するまで一緒にいました。私は、映画『アルゴ』の再現であるように感じました。離陸する最後の一瞬まで、私を離陸させるのか分かりませんでした。それは非現実的でした。
この記事を見てわかるように、キャロルさんは一言も、事情聴取を求められたことについて「危険を感じた」とは述べていません。彼女は、別の機会に、夫カルロスが逮捕され、家が捜索され旅券や日記をはじめとする私物を差し押さえられた時のことを克明に語っています(その記事が、インタビューの直前に引用されています)。彼女が、夫のカルロスが逮捕されたのを受けて「危険を感じた」と述べていることは一読して明らかです。

日経新聞の記事は、仏紙ジュルナル・ディマンシュの記事の中のキャロルさんの言葉の一部を切り抜き、不適切な形で引用した上で、あたかも彼女が事件に関与し、事情聴取を受けることを恐れて出国したかのような印象を作り出しています。このような意図的な誤った引用は、キャロルさんの名誉を毀損するだけではありません。正しい記事を読みたいと考えて新聞を購読する読者に対する冒涜であるとさえ言うべきです。
 日本経済新聞は、直ちに記事の誤りを正し、謝罪をすべきです。

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