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焦点:統一地方選・前半戦は政権ペース、高まる衆参同日選の思惑


[東京 8日 ロイター] - 今年7月の参院選の前哨戦とされた統一地方選は、唯一の与野党対決型だった北海道知事選で与党系候補が快勝したほか、大阪府知事選と大阪市長選では大阪維新の会がともに勝利した。安倍晋三政権にとって北海道での勝利は、夏の参院選に向け弾みがつく。

さらに、衆院選準備が大幅に遅れている野党陣営の状況をにらみ、政府・与党内で衆参同日選への思惑が高まりそうだ。

また、安倍政権が進める憲法改正に「前向き」な維新の会が大阪ダブル選で勝利したことで、安倍首相の周辺で、憲法改正の実現に向け態勢を立て直す動きが出てくることも予想される。

統一地方選の前半戦となる11道府県知事選と6政令市長選、41道府議選、17政令市議選は、7日投開票された。

このうち福井、島根、徳島、福岡の4県知事選は保守分裂となり、与党側は「どっちが勝っても政権運営に関係ない」(与党幹部)面もあった。

このため注目されたのが北海道知事選。日欧経済連携協定(EPA)による農産品輸入拡大など与党に不利な材料があったものの、序盤から与党推薦で前夕張市長の鈴木直道氏がリードし、野党が推薦する石川知裕氏は追い上げられなかった。

野党陣営からは「経済重視を前面に出した鈴木氏に対し、脱原発などを掲げたが、十分浸透し切れなかった」(関係者)との声も聞かれ、野党共闘の限界を示した。

また、「大阪都構想」の是非が争点だった大阪ダブル選では、大阪維新の会がどちらかで落選すれば、維新の会の存亡にかかわるとの声も永田町で聞かれた。

このため自民党大阪府連の動きとは別に、憲法改正で日本維新の会との連携を模索している首相官邸にとっても注目の選挙だった。

事前の選挙予測では、一時、大阪市長選で接戦が伝えられていたが、維新の会が「連勝」したことは、安倍政権にとって「朗報」と言えそうだ。

4年ごとの統一地方選と3年ごとの参院選が同時に行われる今年は、十二支の「亥」にちなんで永田町では「亥年選挙」の年と言われている。

自民党は12年前、24年前の参院選でともに敗北した「トラウマ」があるうえに、今回の改選議員は安倍政権への期待感が高かった2013年に当選しており、与党内にも「東北各県や三重、愛媛、長野、新潟など1人区では相当、苦戦することが予想される」(関係者)との警戒感が広がっていた。

だが足元での選挙準備の状況をみると、野党側の立ち遅れは歴然としている。参院選でカギを握る1人区で、主要野党は候補者一本化を目指しているが、本格調整は統一地方選後半戦と衆院補選が投開票される21日以降となる見通し。

また、国民民主党と自由党との合流構想も難航している。

一方、安倍政権には追い風が吹いている。4月1日に発表された新元号は、共同通信の世論調査によると、7割以上に好感を持って受け止められ、内閣支持率も52・8%と3月の前回調査比9・5ポイントの大幅増となった。

もともと自民党内では、2019年中の衆院解散が望ましいとの声が多く「衆参ダブルになると見ている声が多数」(与党幹部周辺)という情勢になりつつある。

衆院の任期は2021年で、東京五輪・パラリンピック後の景気の落ち込みが想像されやすい時期だ。

また与党内の選挙事情に詳しい関係者によると、2020年は東京五輪が開催されるため、衆院解散に踏み切るには日程的に余裕がなく、消去法的に、今年のどこかで衆院選を行う可能性について肯定的にみる声が広がっているという。

ただ、衆院解散には「大義名分」が必要との認識は、「令和」時代になっても変わらないもようだ。

一時は、北方領土問題の進展をテーマにするとの思惑が与党内にあったが、直近でのロシア側の強硬姿勢を受け、この見方は急速に後退。

与党内では、7月選挙を目前に控える参院改選組などを中心に「消費増税延期」への期待感もある。

政府・与党内には、増税延期・同日選と増税実施と同日選という複数のシナリオがささやかれている。増税実施を前提の選挙は与党に不利なようにみえるが「野党の体たらくをみれば、増税で選挙をしても勝てる」(与党関係者)とソロバンを弾く意見もあるという。

どの選択肢を選ぶかは、安倍首相の最終判断にかかっている。現時点では「4─5月の企業決算、1─3月期のGDP(国内総生産)、マーケット動向などをみて、5月中には判断するのだろう」(与党中堅幹部)との見方が与党内には多い。

安倍首相の選挙に対する直感には定評があり、世界経済や市場動向も踏まえギリギリのタイミングで判断を下すとみられる。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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