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心を寄せ合う


「大阪では、常に府市が対立をしてきて、成長を妨げてきた」という言い方をされることがあります。本当にそうでしょうか。嘗て、大阪は大阪府と大阪市が共に存在する状態で1970年万博を誘致し、成功を導き、大阪市鶴見区における「花と緑の博覧会」(花博)も開催しています。インフラ整備についても、関西空港についても府市が協力をしていますし、阪神なんば線や中之島新線、あるいは地下鉄の市外延伸なども府市で連携して進めており、不幸ではない実りある事業実績は数えきれないほどあります。

府市の意見が異なる事は確かにあります。広域行政を担う大阪府と基礎自治体である大阪市とでは、そもそも立場が異なるので見解が異なることもあったでしょう。しかし、対立関係にあるわけではありません。「成長戦略も嘗て大阪府と大阪市2つあったが、今は一本化されている。」とも言われています。しかし、嘗て2つあった成長戦略は、真逆の方向を向いていたのでしょうか。答えは、NOです。ほぼほぼ同じような内容となっていたのが実状で、ベクトルは同じ方向を向いていたのです。

仮に、意見が異なり、その時点において実行されなかった事業もあるかもしれませんが、それはそれで実行されないことが事業の失敗を回避していることもあるのです。逆の言い方をすれば、府市連携で意見が一致で進めた事業でも、大きな失敗をしてしまうことはあり得ることなのです。
「府市合わせ」がはびこっていると断じてしまうことは簡単で分かりやすいのかもしれませんが、大阪府と大阪市の関係の事実、実態を正確に伝えてはいません。

また、府知事・大阪市長において同じ政党支援の枠組みではない人間が選ばれた時に「ねじれ」て齟齬が生じるのではないかということもしばしば聞かれます。これも、ねじ曲がった考え方であると断ぜざるを得ず、根本的に府知事と市長は立場が異なり、全て同じ考え方になる事などあり得ないし、異なる点は議論を尽くせば良いだけの話なのです。そもそも政党を選ぶわけではなく、人を選ぶ選挙なのです。
また、大阪府内は大阪府と大阪市のみが構成員ではなく、他の43市町村もあるわけで、府市において「ねじれ」というのであれば、現状でも43市町村と大阪府との間では「ねじれ」まくっていることになるのです。

対話や調整を軽んじて権力を集中させることは、非常に危険な思想であると言わねばなりません。何事も結局は話し合いでしか決めることはできないのです。勿論、その上での多数決を否定するものではありません。大阪には、最終的に人情でもって合意形成を図る事ができる力があるのです。異なる考え方が存在することを恐れず、常に、膝を交えて真摯に話し合う姿勢を持つ事が重要であり、はなから話合いを認めない思想ほど、混乱を招くだけなのではないでしょうか。

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