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【モール】、大量閉店でリーマンショック後と同水準の空洞化!比例して廃墟モール増加?


■全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社によると、第1四半期(1月~3月期)のモール空室率は9.3%となった。

9.3%の空室率はリーマンショック後となる2011年第2四半期(4月~6月期)以来となり、8年ぶりの高さだ。前期の9.0%から0.3ポイント上昇し、前年同期の8.4%から0.9ポイントも上昇した。

モール空室率はリーマンショック後、2011年第3四半期(7月~9月期)にピークとなる9.4%を記録、それ以降は緩慢な回復基調にあった。これがアマゾンの影響で店舗閉鎖が相次ぎ2016年から反転し空室が増えている状況にある。

昨年はモールの核テナントとなっていた老舗デパートメントストアのボントン・ストアズが4月、チャプター7(連邦倒産法第7章)で清算し256店舗をスクラップしたことや、トイザラスの企業清算で全735店のスクラップをおこなったこと、シアーズが不振を理由に相次いで店舗閉鎖に踏み切ったことで空室率が急上昇した。

今年に入っても閉店や店舗スクラップのニュースが続き、昨年のペースを大幅に上回っているのだ。

婦人服チェーンでモールなどに出店するチコスFASは1月、向こう3年間で250店舗を閉鎖すると発表。1月倒産したデパートメントストアのショップコも3分の2となる過半数の店をたたみ再建を目指していたが、全店スクラップとなった。

2月初め連邦破産法第11条を申請し倒産した、ティーンや若い女性向けのファッションを扱うシャーロットルッセ(Charlotte Russe)は94店舗の閉鎖を発表後、企業清算を選んで全店スクラップだ。子供服チェーンのジンボリーも全店スクラップとの話だ。事業清算直前まで追い込まれたシアーズの事案もある。

靴チェーンでかつて全米ナンバーワンだったペイレス・シューソースも企業清算をおこなった。2年前に倒産申請したディスカウントシューズチェーンのペイレス・シューソースは2月、北米に展開する2,000店以上の店舗すべて閉鎖することを発表した。閉鎖される店舗数においてチェーンストア1社では史上最大級となるとみられている。

ランジェリー大手のビクトリアズ・シークレットは今年中に北米に展開する53店舗を閉鎖。ビクトリアズ・シークレットはアメリカンイーグルのエアリー(Aerie)やサードラブ(ThirdLove)の競合に押され低迷が続いており、11月~1月期の既存店ベース(リアル店舗のみ)は7%の減少となった。ビクトリアズ・シークレットは昨年30店舗を閉鎖。年間で平均15店舗をスクラップしていることからも53店舗の閉鎖が異例であることがわかる。

全米に860店を構えるデパートメントストアのJCペニーもアマゾンなどネット通販の攻勢にさらされさらなる店舗の縮小に追い込まれている。JCペニーは今年、本体のデパートメントストア18店舗にホーム&ファニチャーストアの9店舗をスクラップするのだ。JCペニーの11月~1月期決算では店舗閉鎖により売上が10%減となった。純利益も約70%の減少。既存店ベースは6%減となっており、今のところ店舗圧縮しか打ち手がない状態なのだ。

業績不振が続くGAPも主力チェーンを向こう2年間で230店閉鎖する。230店舗のうち130店舗前後は年内に閉鎖するのだ。

一方で業績が良くても大量に店舗閉鎖するチェーンストアもある。スポーツ用品販売のフットロッカーの11月~1月期の既存店ベースは予想の2倍となる9.7%の増加だった。店舗改善への取り組みが成果を上げているのだが、同社は今年165店舗を閉鎖する。

アマゾン・プルーフと言われたダラーストアも店舗閉鎖を行う。ダラーツリーは傘下のファミリーダラー390店を今年中に閉める。ダラーツリーは2015年、ファミリーダラーを90億ドルで買収。荒れた売り場や貧弱な商品セレクト、従業員からのクレームなどファミリーダラーの問題は解決されないまま、親会社の足を引っ張る存在となっていた。閉鎖と同時に既存のファミリーダラー1,000店を今年刷新していく。

ティーンアパレルのアバークロンビー&フィッチも最大40店舗の閉鎖を発表した。アバクロの既存店ベースは直近の四半期で3%増と好調だ。11月~1月期の既存店ベースは予想の2倍となる9.7%の増加となったが、フットロッカーと同様、アバクロも店舗改善に余念がない。

室内装飾&アクセサリーを販売するホームファーニンシングのジーギャラリー(Z Gallerie)は3月、連邦破産法第11条を申請し倒産した。企業再建で現在までに全76店舗中、17店舗の閉鎖を発表した。アマゾンもモール等に出店しているポップアップストア全87ヶ所の閉鎖だ。

 調査会社のコアリサーチによると今年は1月~3月だけで5,000店舗以上の閉鎖発表があり、昨年の5,524店を上回ったペースでの大量閉鎖発表となっている。今後も追加スクラップや企業清算による大量閉店が予想され、リーマンショックでピークとなった空室率を超える可能性も否定できないのだ。

トップ画像:北米に展開する2,000店以上の店舗すべて閉鎖することを発表したペイレス・シューソースでは先月、閉店セールを行っていた。


ショッピングセンター空室率。第1四半期(1月~3月期)のモール(RSC)空室率は9.3%となった。9.3%の空室率はリーマンショック後となる2011年第2四半期(4月~6月期)以来となり、8年ぶりの高さだ。一方、ネイバーフッドSCとコミュニティSCなどを含めたストリップセンターの空室率は10.2%と横ばいが続いている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。モールの空室率が9.3%。これまでで最悪だった9.4%(2011年7月~9月期)の空室率に迫っています。というかこのペースだと近いうちにワーストを更新します。変化のペースに小売りが追いついていないのです。変化とは地殻変動。つまり消費者の買い物行動の変化。消費の場がリアルからネットに移行するだけでなく、モバイルアプリを利用しながらのリアルでのショッピング行動など、買い物の仕方が変化しているのです。

今の変化を「地殻変動」と当ブログで表現しているのは、売り場では見れないからです。気づけば売り場にお客がいないと。で、オムニチャネルで先行する大手チェーンや企業の店舗も店に行ってもその変化を見ることができません。NYマンハッタンにオープンした「ナイキ・ハウス・オブ・イノベーション000(Nike House of Innovaiton 000)」でインストアアプリを使うことで「なるほど!」と思うわけです。高額スニーカーなど、アプリなしでは試着も不可ですから。

モール空室率が10%近くになれば、投資対象として価値がなくなるので廃墟モールが比例して増えますね。

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