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あの頃の自分にも、今の自分にも。

新年度が始まったばかり、ということで、新社会人向けの記事を目にする機会も多いのだが、今朝の日経朝刊に載っていた、南場智子・ディー・エヌ・エー会長のメッセージには、心に刺さるものがあった。

「新社会人は同期より自分が成長できているかどうかを気にしがちだ。かく言う私も米コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した当初は自分の価値を見いだすのに必死だった。肩に力が入り、仕事が空回りすることが多かった。ただあるプロジェクトで他の人からの評価を気にせずに目の前の業務に没頭したとき、ようやく仕事の楽しさに気づいた。その経験は自分の宝物になった。意識を自分でも他人でもなく仕事そのものに向けることは、当社の行動規範にも掲げている。」
(日本経済新聞2019年4月4日付朝刊・第3面)

自分の社会人生活の振り出しは、決してマッキンゼーのような一流の会社組織で始まったものではなかったし、残念ながら「新社会人」の時代に、「没頭」できるような仕事も目の前にはなかった。

ただ停滞した何年かを過ごした後に、後先考えずに目の前にある仕事に取り組み、それまで会社の中で他の誰もやったことのなかったようなところにまで足を踏み入れたことで、20歳代から30歳代にかけての活路を見いだすことができ、今に至るまでのキャリアを築くことができた、というのは間違いなくある。

大きな会社、大きな組織であればあるほど、「定番の出世コース」みたいなものが何となくありがちで、若いうちはそれに乗っかるかどうか、ということがやたら気になったりもするものだけど、そういうものに気を取られて一喜一憂しているうちに、本当の仕事の楽しさとか、やりがいとか、というものを見落としてそのままズルズル歳をとってしまった、という例は山ほどあるわけで、「目の前の仕事だけに意識を向けよ」というのは、まさに金言だと自分は思っている。

そして、歳月を経て、世代を超え、上からも下からも周りからも、「評価」され、それを意識しないと生きていけないような立場になってもなお、初心を貫いた結果、「仕事への意識第一」という自らの正義に殉じたことに、自分は一片の悔いも抱いてはいないのである。

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