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キュレーションとクリエーションの理想の比率

キュレーションの時代といわれキュレーターの存在が注目されていますが、そうはいってもクリエーションする力を持ったクリエーターがいてこそのキュレーション・キュレーターだったりもします。最も最近は、ひたすら孤高のクリエーターに徹するよりはキュレーターとしても活躍するマルチな人も増えているようですが。今回は、そんなキュレーションとクリエーションのバランスに関する興味深いお話を1つ。 — SEO Japan

初めてのデートに臨むにせよ、ディナーパーティーで初対面の人に会うにせよ、あるいは、ツイッターで札束を撒き散らすにせよ、自分のことばかりアピールするのはよくない。ぎこちない雰囲気になってしまうからだ。

従来型のソーシャルメディアマーケティングの考え方は、ブランドは過剰なセルフプロモーションを回避するべきだと示唆している。従って、ブランドは、自分達の製品やサービスに関するものではなくても、ファンに関連するリンクを共有することで“会話の一翼を担う”取り組みを望む。優れたコンテンツを探し出し、共有するこの行為は、コンテンツキュレーションと呼ばれている。

この考え方をもう一つの従来型のソーシャルメディアマーケティングの考え方「コンテンツは王様」- 他の人達と共有したくなるような有益なコンテンツを作ること。これに勝る取り組みはない – と比べてみよう。

すると「自分のコンテンツを宣伝する行為は、自分自身について話す行為に似ているのではないだろうか?それは失礼には当たらないのだろうか?そのため効果は薄いのではないだろうか?」と言う疑問が湧いてくる。

このクリエーション vs キュレーションの矛盾について考えていた私は、データの中から答えを見出したくなった

15万本のソーシャルメディアの投稿を分析

この分析で利用するデータは、ソーシャルメディアマーケティング用のソフトウェアのプロバイダーであるアーガイル・ソーシャル社の顧客データのサンプルである。(情報公開: アーガイル社はConvince & Convertのスポンサーであり、私の雇用主でもある。因みに現在採用活動を行っている

選ばれたサンプルは、2010年11月から2011年7月に投稿された15万本を超えるツイートであり、合計1000名を超えるツイッター、フェイスブック、そして、リンクトインのアカウントで構成されている。アーガイルの顧客のほとんどは様々な主要な業界の会社を担当するプロのマーケッター達である。

一般的な共有行為を精査する

以下のグラフは、サンプル内の全ての企業の共有ミックスを表示している。
リンク先を見る
つまり、キュレーションに焦点を絞っている会社の30%は、投稿の75%またはそれ以上は第三者のウェブサイトへリンクを張っている。一方、クリエーションに焦点を絞っている会社の13%は、投稿の大半で自分のウェブサイトにリンクを張っている。

明らかに様々な戦略が採用されているが、コンテンツキュレーションが戦略の大半を占めており、2/3の企業が自分達のウェブサイトよりも第三者のウェブサイトにより頻繁にリンクを張っている。

キュレーションとクリエーション、うまくいくのはどっち?

「企業は何をすればいいのか?」これこそが重要な問題である。再善のコンテンツ戦略は、クリエーションだろうか、それともキュレーションだろうか?この点をチェックするため、クリック率とコンバージョン率に対するコンテンツ戦略の影響を見ていく。

クリック数に注目すると、キュレーションが明らかに勝っていることが分かる。第三者のサイトに向かうリンクを持つ投稿は、自社サイトへリンクを張る投稿よりも、33%多くクリックされる。 当然である ? インターネット上の最良のコンテンツは、自分の会社のサイトには現れないことが多いのだ。

しかし、コンバージョン率を高めたいなら、コンテンツクリエーションが最適である。自社サイトにリンクを張る投稿は、第三者のウェブサイトにリンクを張る投稿よりも、クリックしてコンバートする率が54%高い。これも納得がいく。なぜならコンバージョンは自社のウェブサイトで起きるためだ。しかし、ウェブサイトにアクセスしてもらうために努力し、サイトに足を運んでもらった際に良質なコンテンツを提供していないなら、コンバートは期待出来ない。

しかし、実際にはクリエーションとキュレーションのうちの一つを選ぶことが正解ではない – どちらも実行しなければいけないのだ。要するに、どのようにこの2つの戦略を組み合わせて、クリックおよびコンバージョンを最大限に伸ばすのかが重要なのだ。

均整のとれたソーシャルメディアの割合

クリエーションとキュレーションのどの組み合わせがベストなのかを徹底的に調べていくため、先程言及した行動のセグメントを再び取り上げさせてもらう。このセグメントに属する企業はそれぞれどのような成果を得ているのだろうか?

キュレーター = 75%もしくはそれ以上の確率で第三者にリンクを張る企業。
リンク先を見るこのグループに属する企業は、キュレーションに焦点を絞っており、ほとんど自社のコンテンツにはリンクを張っていない。この戦略を採用した結果、多くのクリックを獲得するものの、ほとんどコンバートしていない。

釣り合いの取れた企業 = 50-75%第三者にリンクを張っている企業。
リンク先を見るこのグループの企業は、コンテンツクリエーションとキュレーションをバランス良く行っている。1本の投稿当たりのクリック数はキュレーターには及ばないものの、コンバージョンは遥かに勝っている。

セルフプロモーター = 50%もしくはそれ以上の確率で自社のコンテンツにリンクを張る企業。
リンク先を見るこのグループに属する企業は、大半の場合、自社のコンテンツにリンクを張っている。この行為は1本の投稿当たりのクリック数にマイナスの影響を与え、コンバージョン率が増加しても補い切れていない。

データを見ればバランスの取れた企業のカテゴリーに当てはまる企業が、全体的に理想的な結果を得ている点は明らかである。このグループの企業は、キュレーターよりもクリック数が20%少ないものの、コンバージョン率は10倍高く、最終的には間違いなくプラスになる。

クリエーションとキュレーションの最適な割合

自社のサイトに25-50%の確率でリンクを張ることが最高の結果を生み出すことは既に申し上げた通りだ。その上で、クリック数とコンバージョン数を多く稼ぎ出している上位5つの企業に注目してみたい。彼らはどのような効果的な取り組みを実施しているのだろうか?

サンプル内でクリック数の多かった上位5社は、自社サイトに37.9%の確率でリンクを張っている。また、コンバージョン率の高かった上位5社は、41.6%の確率で自社サイトにリンクを張っていた。これが最適の割合のように思える。

教訓とアドバイス

スタッツを詳しく調査した後、大半の企業にとって最高のバランスは、自社サイトに25-50%リンクを張り、40%が理想的な確率であることが判明した。

しかし、平均の法則に注意する必要がある。このスタッツが全体的に正しいとしても、全ての企業にとって適切であるとは限らない。異常値も存在するのだ。

この法則に当てはまらない例として、顧客の1社であるTiqIQを取り上げさせてもらう。TiqIQはソーシャルメディアを介してスポーツの観戦チケットの割引販売を行っている。ほぼ全ての投稿は同社からチケットを購入することが可能なサイトにリンクを張っており、ほとんどキュレーションは行っていない。しかし、クリック数とコンバージョン数は桁外れに高い。なぜなら同サイトのオーディエンスは割引を得るために同社を追っているからだ。

ソーシャルメディアマーケティングの経験が浅いなら、40%のコンテンツクリエーション率を薦める。しかし、自社の取り組みを確認し、自分の会社にとって最も効果的な比率を見つけることを忘れないでもらいたい。

この記事は、Convince & Convertに掲載された「New Research Finds the Curation vs Creation Sweet Spot」を翻訳した内容です。

統計データを元にした中々興味深い記事でした。日本でもツイッター等で個人で影響力のあるキュレーターも多数いますが、企業がソーシャルメディアをユーザーに最終的にアクションを促す目的で活用するのであれば(早い話がコンバージョンですが)、単なるキュレーションだけではなくクリエーションも重要ということでしょうか。確かにキュレーションしているだけでは、あくまでハブとして使われてしまうだけですし、クリエーションを行っていかないとコンバージョンはもちろんキュレーターとしてのブランド構築も中々難しい気もします。

SEO Japanの場合は、様々な海外サイトの翻訳記事の配信がメインですが、それだけはただのキュレーターで、情報源として利用されるだけでビジネスに余り良い影響も無い気がしており、できるだけ記事にコメントを付けたり、たまに独自のインフォグラフィックを配信することでクリエーションの要素を入れブランディングやコンバージョンにつなげていこうとしています。

理想のバランスはざっくりいえば、キュレーションとクリエーション半々ということのようですが、さてこの記事の内容に何か自身のソーシャルメディアマーケティングに活用できそうなことはあったでしょうか? — SEO Japan

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