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法学部の新入生向けガイダンスより

勤務先の新入生ガイダンスを担当した関係で、18歳くらいの若者に法律学では何をどう学ぶのかということを簡単にプレゼンする機会を得た。

そうして改めて思うに、今、法律学の各分野は、あらゆる分野で、激動の時代と言ってもいいくらいエキサイティングな状態にあるのではないか。

例えば、大部分が18歳か19歳の新入生に直接関係しそうな話題ということで、公法の例としては選挙権年齢の引き下げ、民事法の例としてはもちろん成年年齢の引き下げ、これは早速新元号を使って令和4年(2022年)4月1日から始まるということになる、そしてそれとは連動しないが議論の過程にある少年法適用年齢の問題が刑事法にある。


このように、18歳・19歳の若者の法的地位については、日本の近代法が始まって以来の大変革が、公法、民事法、刑事法のそれぞれで、行われ、または行われつつあり、あるいは行われるかどうかの検討中というわけである。

さらに、その他の分野でも、エキサイティングな大変動に見舞われている領域が数多く見られる。

家族法分野でエキサイティングな議論となっているものは、枚挙にいとまがない。親子関係も夫婦関係も、生殖補助医療やLGBTの法的地位承認に伴う影響で大変動をきたしつつ、事実が先行して法的整備は追いつかない。夫婦や家族のあり方が変容したことにより、夫婦同氏制の動揺、国際結婚破綻と子供の連れ去り帰国に対するハーグ子奪取条約と実施法の制定、これは国内的な子供の取り合い事例にも新たな刺激となり、子の引渡しの強制執行が全面的に改正されようとしている。


労働法分野は、もちろんこの4月1日から施行された働き方改革、実のところ過労死の問題がクローズアップされたことが法改正の大きな動因であったにもかかわらず、過労死ラインまで働かせてもよいという改革になっているところが何とも言いがたいし、改めて労働組合の御用組合ぶりが顕著に目立ったところであった。それに、現代の奴隷制ともいうべき研修生制度を前提とする外国人の働き手の招聘が、改善と拡充されたのもこの4月1日からであるが、その効果等はまだまだこれからだ。

国際法分野では、領土問題が大きな問題となっているのは戦後一貫してのことだが、それ以外にトランプ政権の登場による国際的な秩序の動揺、中距離核ミサイル全廃条約とかイランの核に対する国際的合意の動揺、さらには地球温暖化に対する国際協調対策が京都議定書とパリ協定により積み重ねられてきたのに、これにもトランプ政権の一撃が動揺を与えている。そしてブレグジットに代表されるEUという枠組みの危機である。

金融法の分野は、これはちょっと難しそうなので新入生向けには入れなかったが、暗号資産(仮想通貨)がもたらす変動、キャッシュレス決済がもたらす変動など、既存の金融秩序を大きく揺るがしかねない動向がある。

ビッグデータの利活用とAIの発展に対するパーソナルデータ保護の必要も目を離せないところである。

このように、法律学の数多くの分野が、今、まさに面白いということができる。新入生にこの面白さが伝わったかどうか、私の表現力の限界が試されるところではあるが、少なくともガイダンスをまとめている段階で、自分で改めて法律学って面白いと感じ入ってしまった。

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