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みんなの党はなぜ若者に人気が無いのか?

みんなの党が「厚生年金等の未収分をきっちり取れ」という提言を出したそうだ。
みんなの党は会社員が入る厚生年金と健康保険の保険料で、2009年度に約11兆7000億円
の未収金があるとの試算をまとめた。消費税の5%分に相当する金額だ。この試算をもとに、
政府が検討する消費税増税などに反対する。
本来、正社員として会社から給与を貰っている人には、厚生年金や健康保険に加入する

義務がある(個人事業や非正規雇用契約の場合は別規定)。

ただ、労使折半で事業主負担分が発生するため、余裕のない中小や零細企業の中には
加入させていないケースも少なくない。それらをきっちり回収すれば11兆円になるから
消費税は引き上げなくていいだろうというロジックらしい。

本来、社会保険料は税ではないので、消費税と同列に論じるのはやや無理がある。
たとえば、厚労省は「基礎年金払ってない奴は将来本人が貰えないだけで、未納者は制度にはニュートラル」というスタンスだ。現政権も、非正規雇用労働者への厚生年金拡大の理由を「非正規の皆さんの老後のため」として、義務と言う色合いが出ないように慎重にぼかしている。

そんな中で唯一「増税の前に、厚生年金払ってない連中からきっちり15%取れよ」というみんなの党って、ある意味、いさぎよい。

ただ、問題は、そのいさぎよさが何に対してであるか、という点だ。

従業員10人くらいの下請け零細企業で働く30歳の鈴木さんがいたとする。苦しい会社の内情もあって、鈴木さんは国民年金のみに加入し、厚生年金の保険料は払っていない。
仮に、みんなの党が政権取って、雇用労働者は強制的に保険料徴収となったらどうなるか。
「鈴木君、悪いけど国がうるさいから、厚生年金と健康保険の保険料合わせて給料の約25%ほど来月の給料から天引きしとくから」

その天引分は、鈴木さんの老後のために積み立てられるのではなく、右から左へ今の老人たちへの支払いに使われる。そして、鈴木氏自身が受け手に回る35年後、年金制度をはじめとする社会保障制度が今の給付水準のまま存在している可能性は限りなくゼロに近い。

要するに彼らが言っているのは「貧乏な現役世代からさらに絞り取って高齢者に回せ」という話であって、社会保障制度の持続性や、まして世代間格差の是正といった視点は1%も混じっていない、純度100%の高齢者向け政策なのだ。
そういう政策を「フリーターの老後のために」なんてオブラートに包むでもなく、消費税と同列に打ち出してくる点が(高齢者向け政策としては)いさぎよいというわけだ。


みんなの党は、若者マニフェストでの各党マニフェスト評価でも、伸び悩んでいる印象がある。
次期リーダーアンケートでも、代表がようやく9位に顔を出す低調ぶりではっきりいって人気が無い。
理由は簡単。増税したくないなら、社会保障カットを打ち出すのが筋なのに、そのどちらもせずに問題を誤魔化し続けているからだ。それは過去の自民党政権がやってきたのとまったく同じ、次世代へのツケの先送りでしかない。

「負担も痛みもなくタダで飯が食えますよ」と言う話を信じるほど、今の若年層はバカではない

ということだ。

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