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「新元号」騒動に思うこと。

その日(昨日)のうちに上げてもよかったのだが、さすがに一日明けてメディアの報道を見てからでよいかな、と思い一晩寝かせた新元号「令和」決定のニュース。

朝刊トップ面での取り上げられ方は大体どこも似たようなもので、首相会見での命名要旨を一通り説明したうえで、出典が「国書/万葉集」であること(というか中国古典ではないこと)を強調したり、「和」が「昭和」と被ることにフォーカスしてみたり、あるいは元号にはじめて使われる「令」という文字にフォーカスしてみたり、といったところ。

「新元号は日本の古典を典拠とする3案と、中国古典を出典とする3案の計6案から絞り込んだ。安倍晋三首相は1日のNHK番組で、首相官邸で開いた有識者による元号に関する懇談会では「国書を典拠とすべきだと有識者全員が言っていた」と明かした。

出典については、菅義偉官房長官が記者会見で墨書を掲げながら万葉集巻五、梅花の歌三十二首の序文から引用したと説明した。「初春の令月にして 気淑(よ)く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭(らん)は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す」との内容で、梅の開花とともに訪れた春への喜びをうたった部分だ。

首相は記者会見で、万葉集について「幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書だ」と強調。「令和」には「人々が美しく心を寄せあうなかで文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明した。」
(日本経済新聞2019年4月2日付朝刊・第1面)

この場面で国書か中国古典化、ということにこだわりを見せることにどれだけの意味があるのかは疑わしいと思っているし*1、「万葉集」を「一億総活躍社会」に結びつける、といった話になってくると、さすがに悪ノリにもほどがあると思うが、そんな由来はともかく、新元号が中国の地名っぽい名称にならなかった*2、ということだけは、まぁ評価してもよいのかな、と。

そして、社会面に移ると、全国の「令和さん」の声だったり、5月以降に何か人生のイベントがある人へのインタビューを載せてみたり、と“祝福”ムードに満ちた記事が続く・・・*3

個人的には、初めて官房長官が額を挙げた時に感じた違和感はともかく*4、もう今更「元号」にこだわりを持つ時代じゃないだろう*5、という思いが非常に強いし、もしかしたら、「新元号」が話題になるのもこれが最後かも、という思いも微かに抱いたりはしているから、予想されたこととはいえ、「元号命」的な報道には少々辟易していたりもする。

ただ、それ以上に、今日一斉に出願されたであろう「令和○○○○」という商標がどれだけ生き残り、誰の、どの商標が一番最初に登録されるのか、ということの方に、関心を惹かれているところである。

商標審査基準 第3条第1項第6号
4.元号を表示する商標について
商標が、元号として認識されるにすぎない場合は、本号に該当すると判断する。
元号として認識されるにすぎない場合の判断にあたっては、例えば、当該元号が会社の創立時期、商品の製造時期、役務の提供の時期を表示するものとして一般的に用いられていることを考慮する。

特許庁Webサイト上のリリースも参照
www.jpo.go.jp

上記は、 もともと「平成最後の・・・」的な便乗商法用商標を意識して告知され、審査基準にまで明記されたものだったはずだが*6、これからは「令和」もターゲットになる、ということで、これから出願人と審査官の間で、どういう知恵比べが展開されていくことになるのか、目を凝らして眺めていくことにしたい。

*1:中世以前に、中国文化の影響を受けずに出来上がった古典なんて、元々ほとんど存在しないのだから。

*2:もし「安」とかが元号の中に入っていたら、確実に中国のどっかの地名を思い浮かべることになっただろうから。

*3:この辺の記事は、登場人物がちょっと変わるだけで、どの元号になっても使いまわせるタイプの代物だから、ほのぼのと遠くから眺める程度にしか目を通していないのだが。

*4:「平成」だって最初はそうだった。こういうのは使われていくうちに馴染むものだし、あとから出てきた他の候補案と比べれば、これが一番まともじゃないか、という気もするところなので。

*5:役所を除けば、世の中で使われる文書の年月日表記は、西暦に置き換えられている(というか、置き換えないとやっていられない)時代だから。

*6:そのため、昨年出された20件弱の「平成」関連商標がいまだに審査で拒絶対応orペンディング、という状況になっている。

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