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「会社が合わなかったらすぐ辞めていい」系の言説について


2019年度が始まりました。多くの企業で新入社員を迎え入れたことと思います。これから、研修を終えて新入社員の方たちは職業人として仕事に取り組んて行くことになります。

毎年この時期、新入社員向けの「つらかったら入社後すぐに辞めてもいいんだよ」的な言説がSNSを中心に散見されます。これについては、いち人事担当者としていろいろ感じるところがあるので、今回は私の考えを整理してみたいと思います。

「すぐ辞める」のメリット・デメリット

まず、第1には、本当にヤバい会社だったら辞めてもいいとは思います。どんな仕事も本人との適正がありますから、自分の命を犠牲にしてまで働く義理はないです。いのちだいじに、です。これはもう大前提

でも、短期間の離職経験は、転職活動時の評価にかなりネガティブに作用するので、それなりの覚悟が必要だということは認識してほしいと思います。

一般に、転職の面接では必ずと言っていいほど離職理由聞かれます。その時に「ブラック企業だったんで早々に辞めました」なんて説明しても「ああ、そんなんだ。それはしょうがないね」とすぐ納得してくれることはありません。面接してる人事担当者にしたら、よっぽど世に知られたブラック企業でもない限り、「単にその人が忍耐力がないだけ」なのか、「企業側の労働環境に問題がある離職」なのかは、検証できないからです。

なので、人事担当者としては、履歴書上の在籍期間を「その人の入社後の在籍期待値」と見ざるを得なくなります。例え5年周期ぐらいで転職している人は「5年ぐらい在職しそうだな」と思うし、2年ごとに仕事を変えている人は「いても2年だな」と見積もられることになる。

企業側は無駄な投資はしたくないので、任せる仕事や資本装備をどこまでするか考える上で、その人の在籍期待値が結構重要な要素になります。短期間で辞めそうな人には、中長期の重要な仕事は任せにくくなりますし、教育研修や資本装備も躊躇してしまうわけです。

もちろん、職種によっては短期間の転職が当然とされる分野もあります。そういう職場は最初から企業側が期待する在籍期間も短いので、必ずしも前述のとおりにはならないかもしれません。ただ、そういう職種はコンサルやプログラマーなど高度専門職の世界なので、しかるべき技能が身についてない新入社員の早期離職とは少し違う話だと思います。

まずは「見る目」を磨くこと

もっと言えば、社会人経験がわずかな新入社員に「ブラック企業」と「きついけどちゃんした会社」を見分けることができるのか、という問題もあります。

そこの吟味をせずに「つらかったら入社後すぐに辞めてもいいんだよ」という甘言に流されると、きつい=ヤバい=ブラック企業みたいな思考の短絡が起きることになります。きついけど成長できる、技能が身につく、といった優良な企業を自分で遠ざけることなってしまうかもしれません。これはもちろん逆の話もあり、「石の上にも三年」といって3年頑張って耐えてきたけど、単に搾取されて終わりだった、ということもありうると思います。

企業と労働者との関係は、早く辞めるのがいいとか、続けるのがいいとかは簡単には言えません。まず最初にしなければいけないのは、その企業で働き続けることが自分の将来にとってプラスに働くかどうかを見極めるための「見る目」を磨くことだと思います。

自分のことはちゃんと”自分で”考えましょう

この時期、「一度就職したら少なくとも3年は続けるべき」という石の上にも三年おじさんや、「つらかったらすぐ辞めていいよ」というジョブホッパーお兄さんが現れがちです。どちらの意見が正しいかはケースバイケースですが、少なくとも言えるのは、どっちもあなたの人生にコミットしてくれはしない、ということ。

彼らは「ふぁぼ」や「いいね」が欲しいだけなので、そんな人の言うことをイチイチ間に受けてたらダメです。ちゃんと”自分で”考えましょう

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