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グーグルvsソフトバンク 雌雄決する場は「地図・自動運転」

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地図情報がビジネスの鍵になりそうだ(孫正義氏)

GMが2019年の実用化を目指す、ハンドルやペダルのない自動運転車のイメージ(時事通信フォト/GM提供)

 世界のインターネットビジネスのトップを走るグーグルと、孫正義会長(61)率いるソフトバンクグループには時価総額にして67兆円の開きがある。果てしなく大きな差に思えるが、孫氏は“巨人の背中”をはっきりと視界に捉えている。両者が雌雄を決する舞台は「地図データ」、その先に広がる「自動運転」という巨大市場だ。

【写真】GMが2019年の実用化を目指す、ハンドルやペダルのない自動運転車のイメージ

◆「グーグルマップは使いたくない」

「道路が表示されない」
「海の上に学校がある」
「皇居から二重橋が消えた」

 3月21日以降、地図サービス「グーグルマップ」に不具合が生じ、ユーザーからの“苦情”が相次いだ。

 グーグルマップは、全世界で利用者10億人を誇る地図サービス。スマホ上で現在地を把握したり、目的地までのルート案内や周辺施設の検索などができる。スマホやパソコンのグルメガイドなどにも多く採用されているので使ったことがある人は多いだろう。

 混乱の背景には、グーグルマップが使用する「地図データ」の存在があった。ビジネス誌『経済界』編集局長の関慎夫氏が語る。

「グーグルは2005年以来、国内地図大手・ゼンリンから地図データの提供を受けてきた。ところが、グーグルがゼンリンから受け取るデータを大幅に減らす契約に変更したことが、日本国内でのマップの不具合の原因になったとみられています。

 これまではグーグルマップの著作権表記欄にはゼンリンと記されていましたが、不具合が生じた21日以降、ゼンリンの名前が消えている。グーグルは長年地図データの提供を受けたゼンリンに頼らず、自前の技術と情報でグーグルマップ事業を運営することにしたのではないか」

 グーグルとゼンリンは契約変更に関する詳細を明かしていないが、“世界のグーグル”との関係の変化を受けて、ゼンリンの株価は22日にストップ安になった。

 実は、グーグルマップの異変が発生する2日前(3月19日)、ゼンリンとの提携を発表した企業があった。

 それは米国に拠点を置く地図製作サービス「マップボックス」。ソフトバンクの孫正義会長らが設立した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が出資するベンチャー企業だ。

 グーグルから離れたのとほぼ同時期に、ソフトバンクの出資企業と提携を発表──ゼンリンの“電撃移籍”はIT業界では重要な出来事として受け止められている。

 元ソフトバンク社長室長で、孫氏の側近だった多摩大学客員教授の嶋聡氏が指摘する。

「今回の提携は、孫さんによるグーグルへの“宣戦布告”です。孫さんは長年にわたって対グーグル戦略を虎視眈々と練ってきました。『IT企業は30年で限界を迎える』が持論の孫さんにとって、創設21年目のグーグルは、これからピークアウトしていく企業。ソフトバンクがグーグルに挑むには、今が絶好のタイミングと踏んだのでしょう」

 孫氏は昨年7月に行なわれたソフトバンクの法人向けイベント「Softbank World 2018」でこう発言している。

「(我々のように)グーグルと競合しているいろんな他の会社は、グーグルマップを使いたくないわけですね」

 その挑戦的な物言いからは、「グーグル超え」を目指す孫氏の姿勢が見て取れる。

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