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不都合な真実と向き合うことがリーダーの役目ーライフネット生命副社長岩瀬大輔氏インタビュー(後編)

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若者を啓蒙してくれていた機能が抜けてしまった

岩瀬大輔氏。(撮影:野原誠治)
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―(前編の続き)「日本の若者は幸せか不幸せか」という議論があります。BLOGOSでもインタビューさせていただいた古市憲寿さんに言わせれば「そこそこ幸せだからいいんじゃないか」という意見があります。国の成長だとか、ガツガツ稼いで金銭的に豊かになるとかじゃなくて、ソーシャルメディアもあるし、友達とのんびり、まったりやったほうがいいという意見もあります。

岩瀬氏:そういう考え方も、今はいいんですよ。今は。だけどそれはいつまでも子供で、甘えているところもあるような気がしています。70歳や80歳でも大学生やフリーターのノリでうだうだやっているのかと。

 ご両親が健在で、実家に住んでお小遣いをもらえるからなんとか回っているのであって、収入が増えないと家族も思うように作れないし、大人としての生活を営めないかもしれないし、老後のための蓄えもできないわけですよね。古市さんの本も読みましたが、最後はそういうふうに問題提起して終わっている気がします。

 これまでの日本の特徴って、会社というコミュニティと、ムラという地域コミュニティでお互いを支えあっていたというのがあるんですね。でも、企業は昔のようにベタベタしなくなった。会社の寮もないし、飲み会も減っています。昔は先輩が社会人としての嗜みを教えてくれるわけですよね、「新聞は二紙、三紙とれ」「友達にはカネを貸すな」「住宅ローンはこうしろ」とか。

そういう”生きる知恵”みたいなものを、先輩たちは口伝で伝えてきた気がするんですよ。また、ムラという地域コミュニティも希薄化し、隣に誰が住んでいるかわからない世の中になって、大人になる過程で近所のお兄ちゃんからいろんな話を聞いたりすることもなくなりました。

 僕は若年層の資産形成について、すごく問題意識を持っています。僕らの親の世代というのは基本的に終身雇用の時代なので、何も考えなくても会社が強制貯蓄してくれたわけですよ。財形貯蓄のプログラムがあったり、退職金という形で勝手に積み立てられて、さらに年金も三階建ての企業年金みたいなのがあってすごく手厚かった。

 それに対して、僕らは転職しているわけですし、年金も全然もらえないですよね。もうすぐ定年になるときに初めて気づくと思うんですよ。「あれ、お金足りないじゃん」と。でも実はその時は“too late”なんですよね。

 今までは企業が守ってくれた、あるいは国もある程度守ってくれたんですけど、パラダイム、社会の構造が変わってしまったにも関わらず、誰かが代わりに強制貯蓄させるようお尻を叩くとか資産形成を促してくれることもありません。

 つまり、我々若者を啓蒙してくれていた機能が、すっぽり抜けちゃっていると思うんですよ。本当はそれに変わるものを見つけなきゃいけないのに、それがないわけです。その結果、僕らが失っているものは実は少なくない気がします。

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