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難航する普天間基地移設問題、橋下氏が沖縄への思いを語る「基地設置のための手続き法の整備を」


 28日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』で、橋下徹氏と文筆家の古谷常寛氏が米軍普天間基地の辺野古移設をめぐる問題について議論した。

 「沖縄は一つのライフワーク」と話す古谷氏だが、最近までは普天間基地の辺野古移設を容認する立場でもあったという。


 「沖縄には"軍用地主"という人たちがいる。基地の土地はもともと日本人のものなので、国から借地料をもらっている。本土ではあまり見かけないことだが、沖縄の不動産業界ではそういう土地の権利を売買するのは当たり前。米軍基地が地元経済に貢献している部分もあるし、反対だとは言いづらい面もある。

1995年に起きた少女暴行事件の後、橋本政権とアメリカ政府ができるだけ沖縄の基地負担を減らすというという合意をして、その中には普天間基地の移設も入っていた。普天間は住宅密集地にある一方、辺野古は利便性も低く、数百世帯しかない。移設ができるのであれば得かなと思ったし、永久に固定化されるといって反対を唱える人にも違和感を持っていた。

軍事同盟というのは、歴史的に見てもせいぜい100年未満しか続かない。日米同盟が300年も500年も続くわけはないし、そうなれば三沢も横須賀も返ってくるし、辺野古だって返ってくるだろうという思いがあった。だから県知事選挙も県民投票も、結果は半々くらいになるのかなと思っていた。それが実際は圧倒的に反対が多く、僕の気持ちも揺れた。あれだけの民意を見せつけられると、否定するのはちょっとおこがましいと思った」。

 そして沖縄への思いを次のように語った。

 「先の沖縄戦では、県外からいろんな部隊が来た。だから沖縄県民の次に多く亡くなったのは北海道出身者だと言われている。僕は生まれも育ちも北海道だから、多くの郷土の人たちが沖縄で死んだということに縁を感じて、沖縄のほとんどの場所を見てきた。本土の人間だし、戦争は経験してないけれど、我々の先祖は"私たちも一億玉砕するから、本土決戦の魁に"といって沖縄を地上戦の舞台にし、捨て石にした。たしかに本土も空襲や原爆で被害を受けたけれど、ついに本土決戦をすることはなく、高度経済成長を謳歌した。

沖縄が返還されたのは、本土が所得倍増だ!と言った後。そこに一人の国民として負い目がある。だから今の政権のように"辺野古意外に選択肢ないんだ!"って言うんじゃなくて、平身低頭して、"気持ちはわかりますが、これしかないんです"と言うならわかる。今の政権はそういうことが足りないんじゃないかという気がする。橋本総理の時代は戦争経験者もいたので、そういう部分があったと思う」。

 一方、橋下氏も県民投票直前に沖縄入りし、移設反対派の集会にお忍びで参加したのだという。

 「基地反対派、原発反対派の人たちは、橋下嫌い、都構想反対でもだいたい共通している。そういう人たちが結集する場だから、一応マスクして、季節外れの帽子かぶって聞いていた(笑)。でも、沖縄の人たちの反対の意志はよくわかった。僕が沖縄問題に取り組むようになったきっかけは社会人になってから。それまでは歴史のこともよく知らなかった。沖縄に行って、"沖縄戦ではこんなにひどいことが起きたのか"と知って、それから自分で軍の意思決定など調べて行った。

当時の指導部はむちゃくちゃだった。データを無視して、精神論で。僕も政治権力を扱ってきた人間として、あんな决定の仕方は最悪だと思う。それで多くの人が亡くなったわけだし、沖縄戦で海軍の司令官を務めた大田実中将は「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」、と言って自決した。"配慮"という言葉は上から目線かもしれないが、我々は沖縄の皆さんに対して、そういう気持ちがあるかだろうか、と考えてきた」。


 その上で橋下氏は、基地を設置するための手続き法の整備を提言した。

 「日米同盟がこの先どれだけ続くかわからないけれど、基地をどこに置くべきか、という話は僕らのレベルではわからない。防衛の専門的な議論を尽くして尽くして合意ができている。基地の問題も、国家安全保障会議などの場で専門的な議論を尽くすべきだし、その結果は尊重されなければいけない。その意味で、僕は辺野古移設までは賛成。だけど、今の沖縄の民意を軽く扱ってはいけないと思う。そこをどうやればいいかだ。

基地を本土に移せと言う人もいるが、僕が全国知事会に出た時に、"私のところで受けます"という知事はいなかった。住民も反対するだろう。震災で発生した瓦礫を大阪で引き取って燃やしますよと僕が言ったら、"瓦礫反対!"って太鼓鳴らして運動する人たちもいた。今、米軍基地を設置するための法律がない。だからこそ、政府がいわば自由に作れてしまう状態になっている。

そこで僕が提案したいのは、基地を作るためのちゃんとした手続き法を作れば、本土にも置けるようになる。そして"今は辺野古に移させてください、将来、この法律を使って本土にも移していきます"という風に示していけばいいと思う」。

 橋下氏の意見に、古谷氏も「50年後だって70年後だっていいから、とにかく固定化させないということを約束すればいいと思う」と応じていた。

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