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「破片」を狙う「ミサイル防衛」の真意は――田中防衛相が「破壊措置命令」

田中直紀防衛大臣は三月三〇日、朝鮮民主主義人民共和国が予定している実用衛星を打ち上げるためのロケットが発射された際の「破壊措置命令」を発令した(関連記事一二ページ)。すでに「ミサイル防衛」用の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が、飛行ルートに近いとされる沖縄本島の那覇基地をはじめ、石垣島や宮古島など四カ所に配備されようとしており、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦も、沖縄本島付近と先島諸島南方、日本海で迎撃態勢を整えるという。

今回、ロケットは発射後に切り離された一段推進体が東シナ海に、二段推進体がフィリピンの東海上にそれぞれ墜落する予定で、いずれも日本の「領海外」。そのためか田中大臣の「命令」では、「ミサイルの一部が日本の領域に落下する場合に備え」(『朝雲』三月二九日号電子版)るという。事実、米国側も唯一警告しているのは「破片が落下し、被害者が出る可能性」(ルボイ国防次官補代行)だ。

つまり沖縄はおろか、首都圏三カ所にまでPAC3を配備する自衛隊のものものしい態勢は、ロケットの「破片」の「破壊」が目的となる。だがPAC3はほぼ垂直に落下する相手方ミサイルの弾頭部分を、射程二〇~三五キロの範囲で垂直に打ち上げて迎撃する。風に流されやすい破片の「破壊」は想定されていないし、実験した例もない。SM3は高々度を飛行中のミサイルを迎撃するが、同じように落下してくる「破片」の「破壊」を想定してはいない。

なぜ防衛省は、意味のない「ミサイル防衛」の配備を戦時態勢並みに仰々しく進めるのか。そもそもPAC3もSM3も実験段階で、ミサイルの「破壊」すら確実性は兵器として十分でない。「破片」を「破壊」できたとしたら奇跡的だが、それでもかえって細かくするだけで、「被害範囲の拡大」すら起こりうるのだ。

(成澤宗男・編集部、4月6日号)

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